中国特色社会主義　中国経済用語

杜潤生《堅持中國特色社會主義(2008年4月18日)》載《杜潤生文集（1980-2008）》山西経済出版社2008年pp.1468-1469　中国特色社会主義についてこれはかなり参考になる説明ではないだろうか（写真は六義園傍にある宗教団体「天心聖教」本部の施設外観。円柱は中央部が膨らんだエンタシスと呼ばれる形状。それが一列に並ぶ姿はなかなかの威容である。）。

p.1468  人類社会は技術進歩の不断の進歩により、社会構造の発展（社會結構演變）を促進する。異なる時代の生産方式の違いは、のちに現れた（後來居上）。奴隷社会が原始社会に取り換わり（取代）、封建社会が奴隷社会に取り換わり、資本主義社会が封建社会に取り換わった。学者の中にはこの評価により、資本主義がなお階級搾取を維持（保留）しているのに、(社会主義社会に到達したことでもはや生産方式は変わらないと　訳者挿入)歴史の終結を評定（評価）する者がいる。10月革命は一発の銃声（炮響）で社会主義が資本主義に取り替わることを宣言（宣布）した。これは世界的革命（世界性的革命）の勃発（突發）だった。
   概括するなら、社会主義は、民主自由、博愛平等という価値観を含む、人類の未来への憧憬を表したものだった（表達了）。（社会主義は　訳者挿入）経済方面では、（私有制でなく　訳者挿入）社会所有制を基礎とすることで、貧困を消滅し、共同富裕を実現し、両極分化を阻止し（遏制）、公正公平な国民収入分配制度を建設する。社会主義社会は階級搾取をなくし（排除）、多く働いたものが多くを得る、労働に応じた分配（按勞分配）を実行し、労働者を仕事の積極性で奨励（激励）する。（社会主義の　訳者挿入）新たな価値観とは、労働は光栄であり、搾取は恥であり、搾取者（搾奪者）を搾取することは歓迎される、ということである。
　しかし（資本主義社会と初期社会主義に共通する　訳者挿入）労働に応じた分配あるいは資産階級の法権は、（発達した社会主義で実現する　訳者挿入）個人の求めに応じた分配と同じではない。社会全体が不断に進歩し、資源が限りなく大量に出現する時（涌現時）、分配方式は資産階級の法権を揚棄し、それぞれが必要とするところを満たし、個人所有制を再建する。現実はこの条件を備えるには遠い。
　社会主義は社会生産力が高度発展した産物である。それは資本主義のあのp.1469   優勢を発展継承し、直接、資本主義に取り代わる。歴史上、社会主義は、空想から科学への過程を経験した。20世紀の50-60年代。わが国は社会主義改造を推進したが、ただ所有制を改変しただけで、工業化、都市化はなお低い水準だった。実際においては、各類私有財産が無償で搾奪されており（無償剝奪各類私有財產）、農村から転移人口は相応したものではなく、一種の農業社会主義である。生産力の解放の助けとならず、共同富裕を体現するものでもなく、共同貧困であり、科学（的）社会主義を建設したとは言えないものだった。
    十三次党大会(1987年11月　訳者挿入)は、経済発展全体に対して評価を行い、現在の中国はなお社会主義初級段階（階段）にあると分析した（定性）、これは現在基本的になお新民主主義の枠組み（框架）を抜け出ていないことを説明している。公有制に主導され、多様な所有制が併存発展する基本経済構造は、数世代、十数世代、さらに長い時間さえ続けられねばならない。
　中国特色社会主義と、ソ連スターリンの社会主義モデルとの主要な区別は以下にある。
　1.  資本主義要素（成分）が大量に存在することを許容する。封建社会は長期停滞であり、資本主義の発育が不十分だと（發育過緩）、社会は貧困化に苦しむからである。
    2.  規模経営とは言えず（缺規模經營）大量の中小企業が存在し、社会に分散した資金を資本として用いる。
　3.  大量の人力資源を用いて、労働集約型（密集型）製品を生産する。（これは）人が少なく土地が多い国家に向けて外貨稼ぎに役立つ。
　4.  公有制は社会主義の本質ではなく、共同富裕こそ目標である、貧しいのは社会主義ではない。　
　まとめるに、社会主義の道は中国にとって唯一無二の選択である。「社会主義だけが中国を救うことができ、中国特色社会主義だけが中国を発展させることができる」これは一種のソフトパワーである。世界に向けて歩み、勝利を得よう。我々の意思を統一し、共に奮闘しよう！

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