張維迎(1959-) 中国改革のロジック
張維迎(1959-) 中國改革的邏輯 世紀大講堂 内容から判断して2009年前半頃の採録。1993年頃を境に改革の中心が価格自由化から企業非国有化に移行したとする。鄧小平が始めた市場化改革の内容を、資源配置を政府の計画が決定するのか市場価格が決定するのか。企業制度が国有を主とするのか私有を主とするのか。前者では主要的地位を占めるのは国有企業、後者では非国有企業になるとする。今後の政治改革ではまず所有権(産権)が確立され、そのあと民主の問題に移るとする。国有企業の株の国民への配分、農民の土地所有権の問題などでは、株が広く配分される、農民の土地処分権が自由化されるなどの楽観的展望が目立った。講演後の質疑で、欧米の制度をそのまま輸入することへの疑問に対して、人(性)というものは中国と海外でそれほど変わるものではないとして、欧米の制度をそのまま中国に移すことへの疑問に答えている。
市場經濟與共同富裕 新浪專欄 2021年9月1日
路上 改革的原動力是什麽 2013/01/23
在路上 如何實現市場經濟 2013/01/23
産業政策思辨 2016年12月6日 張維迎 林毅夫
自由是一種責任 2017年7月1日
理解世界與中國經濟 2018年10月24日 いわゆる中国モデルについて、その肯定的側面は、市場化に伴うものであり、後発者の利益(後発優勢)で理解できることを指摘している。他面、中国モデルを強調してそれが新たな経済発展モデルであるかに主張することは、国有企業、政府権力、産業政策に依存した経済を肯定することになり、つまり改革の遅れを長引かせることになる。イノベーション力の強化につながらない、と批判している。
中国モデルを強調する学者の一人に復旦大學の張維為がいる。名前が似ていることからも中国モデルをめぐる二人の対立は注目されている。
什麽決定中國的未來 2013/05/04 まず理念、観念というもの、さらに指導力の二つが大事だとする。最初の論点については、歴史唯物主義では生産力が生産関係を決定するという議論を出して、もしそうならその時の生産関係は生産力に符合しているので、生産関係を変革する必要はなくなる。実際には生産関係が生産力を決定しているので、変革が必要になるとする。また、毛沢東の鉄砲が政権を作るという言葉を引いて、しかし理念が支持されず革命が成功しなかった事例、政権が崩壊した事例は多いと続ける。人の本質(人性)に符合した理念が永続性があるとしている。
告別功利主義的改革 財新時間 2015年9月10日 中關村軟件園國際會議中心 1978年に開始された計画経済から市場経済への転型はまだ終わっておらずいつ終わるかもわからない。この数年、成長方式の転型が議論されている。ケインズ主義的成長モデルからの転型。2つの転型の核心はともに企業家である(前者ではイノベーション精神を備えた企業家がこの転型を完成するには必要、後者の転型は配置効率引上げの推進しつつイノベーションで駆動された改革でありその担い手はやはり企業家である)。