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胡耀邦 (1915-1989)

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「胡耀邦文選」人民出版社, 2015 ほか
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2020年3月の記事一覧

胡耀邦の失脚と趙紫陽

                            福光 寛  胡耀邦の失脚は1987年1月に生じた。これに趙紫陽がどうかかわっていたかについては議論がある。  1980年から続いた胡耀邦を総書記、趙紫陽を国務院総理とする体制は1987年に入って開かれた中央政治局が開催した民主生活会なる会合(1月10日から15日)で胡耀邦批判が噴出したことで終焉を迎えた(直接的には1986年末に全国各地で起きた学生運動の責任問題。胡耀邦が資産階級自由化に反対するという旗幟が不鮮明であった

胡耀邦 マルクスは完全ではなかった 1984/12/02

这是胡耀邦同志在全国宣传部长会议上讲话的一部分。1984年12月2日。胡耀邦文選、人民出版社、2015年, pp.561-570, esp,562-564,566-568. p.562 十一届三中全会以前の相当長い間、我々の全党全国の工作は、つまり我々のすべての工作は、階級闘争のため(为纲)のものだった。異なる段階において、軽重の仕方に違いはあったが、しかし根本の指導思想からいえば、すべて「階級闘争のため」であった。当時あらゆる部門が、組織部門であれ、宣伝部門であれ、政府の

胡耀邦 理想と規律 1985/07/15

胡耀邦文選 人民出版社 pp.599-615,esp.604-610(这是胡耀邦同志在中共中央党校学员毕业典礼上的讲话中的一部分)1985年7月15日  理想は我々のような国家と民族のの一つの重要な精神支柱である。もし理想がなければ、自分がなにをするべきか知れなければ、どこに行くことができるというのだ?西欧資本主義国家において、多くのひとが精神空虚でどこに向かうかが分からない。今後どうするか知らない。一人の人、一つの民族が目の前の「幸運(小惠)」だけみて、遠大な理想を抱かなか

胡耀邦 党内の二種類の異なる矛盾を正確に処理する問題 毛沢東晩年の誤り  1986/04/09

『胡耀邦文選』人民出版社、2015年, 641-645(这是胡耀邦同志在端正党风 工作座谈会上讲话的一部分。1986年4月9日) p.641 党内の二種類の異なる矛盾を正確に処理することは、私の見るところ、わが党建設の一大課題である。 我々が忘れるべきではないのは、毛沢東同志によって、マルクス主義理論が発展しての高い峰となったときに、我々が世界の一切の事物の根本原理(方法)を明らかに認識するために、光り輝く理論著作『矛盾論』が書かれた。彼は言った、世界のあらゆるも