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中国思想・短編小説・歌曲選

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https://blog.goo.ne.jp/fu12345/e/7cc5e1ad373775c11668b88a748c64a6 中国的な考え方を知る手がかりを探しています。
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#六義園

双雪涛「心臓」『上海文学』2019年第3期

1983年生まれ瀋陽在住の双雪涛による短編である。彼女自身の経験のように読める。簡単にあらすじを追いかける。(見出しに使った写真は六義園の裏道である。) 著者のお父さんが心臓病になったとき、救急車に父親を載せて、付き添いの医師と救急車で北京に向かうその顛末を描いている(《2019中国年度短篇小说》漓江出版社2020年1月pp.98-109)。 著者はそれまで意外にも北京に行ったことがなかった。父親は、2015年11月6日の夜、突然発症した。心臓病は父親方の一種の遺伝のよう

郝景芳「写一本書」『天涯』2017年第3期

初出《天涯》2017年第3期。『2017中国年度短編小説』満江出版社2018年1月208-231より。なお著者の郝景芳(ハオ・チンファン)は1984年7月天津生まれの女性。清華大学物理系在学中から創作を始め、物理系卒業後、経済学および経営学の博士号を取得している。SF(サイエンスフィクション)作家として活躍(見出し写真は六義園)。  主人公の阿阑はおそらく地方の大学の出身。事情は書かれていないが、その大学を卒業したあと、北京に部屋を借りて落ち着いて1年になる。彼女には4つ上

黃明志「老母」2016年5月♪

 黃明志(1983-)の老母(2016)は好きな歌だ。黃明志はマルチな才人で、さまざまなジャンルの音楽をつぎつぎに作っている。こんな親子の情愛のような、年配者の心をとらえる歌もつくってしまう。ここではこの曲の前半の歌詞を訳してみた。彼は、恋愛の歌も、ゲームの音楽も、革命の歌さえ作ってしまう(写真は六義園 2020年6月8日撮影)。 小時後 我是妳眼中的猴死囝仔 小さいとき俺は母さんの悩みの種で 不喜歡讀書            勉強はしない  每天只會跟老