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中国経済学史

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2021年8月の記事一覧

張維迎(1959-) 中国改革のロジック

張維迎(1959-)  中國改革的邏輯 世紀大講堂 内容から判断して2009年前半頃の採録。1993年頃を境に改革の中心が価格自由化から企業非国有化に移行したとする。鄧小平が始めた市場化改革の内容を、資源配置を政府の計画が決定するのか市場価格が決定するのか。企業制度が国有を主とするのか私有を主とするのか。前者では主要的地位を占めるのは国有企業、後者では非国有企業になるとする。今後の政治改革ではまず所有権(産権)が確立され、そのあと民主の問題に移るとする。国有企業の株の国民への

十四年(1979-1992)商業体制改革回顧 1993/03

書誌事項は次のとおり。萬典武《十四年商業體制改革回顧》載《商業經濟文藝》1993年3月pp.22-25 比較的実務的な側面が書き込まれているので、参考までに全文を訳出する。 p.22   14年間の商業体制の改革をいかに概括、評価、総括するかは複雑な問題である。というのは14年の改革の内容はきわめて多く、変更の起伏があり、時間の幅も大きく、いくつかの改革は今実施中でなお(評価が)定まっていないからである。我々は中国特色のある社会主義理論を建設することに従い、今一歩思想を解放

鄧小平 南巡講話 1992/01-02

有名な南巡講話(南方談話)である。《鄧小平文選》第三卷 人民出版社1993年pp.370-383 ここでは冒頭の4pageを訳出した。pp.370-373 p.370   (一) 1984年に私は広東に来たことがある。当時、農村改革が行われて数年、都市の改革は始まったばかりで、経済特区は開始されたばかりだった。8年経った。今回来て見るまで、深圳、珠海特区やそのほかの一部の地方で発展がこのように早いとは、私は思いつかなかった。見てから、確信(信心)は高まった。  革命とは生産