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中国に関連して生じた事実

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https://blog.goo.ne.jp/fu12345/e/7cc5e1ad373775c11668b88a748c64a6 政治的文化的側面を中心に年代順に採録。
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2023年1月の記事一覧

ミンシン・ペイ 中国を覆う全体主義の長い影 April 2021

Minxin Pei, China: Totalitarianism's Long Shadow, Journal of Democracy, 32-2, April 2021, 5-21 冒頭部分抄訳 用語 経済発展 民主主義 リプセット ミンシン・ペイ 中国共産党    中国経済 中国政治 全体主義 習近平 資源の呪い 民主化 (要約)過去40年間以上の中国の急速な経済成長は、(中国に)民主化をもたらさなかった。漸次的に自由化を進める代わりに、レーニン主義者の党国家

ミンシン・ペイ 中国は縁故資本主義から脱却できるか? Aug.2018

Minxin Pei, Can China Save Itself from Crony Capitalism?, Asia Global Online, Aug.23, 2018 抄訳 (解題)すでに紹介してきたように、アメリカではアメリカの資本主義を縁故資本主義Crony Capitalismだと批判する言い方がある。その具体的な内容は、ロビー活動などをつうじて、レントシーキング(自身に有利な規制や補助金を求めること)活動が行われている点にあった。そのアメリカで、中国

ブレマー 自由市場の終焉 European View Dec.2010

(解題) ブレマーの話題の著書の著者自身による抜粋である。ブレナーの著書を初めて読んだとき、その「国家資本主義論」はレーニンや毛沢東などマルクス主義の古典を踏まえた、資本主義と社会主義との間にある「国家資本主義」の問題の議論と重なるものと早合点したのだが、改めて読み返してブレマーの議論は、そこまで深読みしなくていいものではないかと判断した。そのことは金融恐慌と国家資本主義の台頭を結びつけて、社会主義の問題とは切り離して議論している点からも端的に伺える。彼の懸念は金融恐慌後、新