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朱鎔基 1928-

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朱鎔基(1928-)朱鎔基は清華大学出身。朱鎔基は政治家の道を歩むが、大変途中で苦労した。北京大学に進んだ厲以寧(1930-)についてもここで扱う。厲以寧は株式制度の導入で功績。
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2020年6月の記事一覧

朱鎔基 質の管理と技術の監督について 1991/05/15

1991年5月15日 国家技術監督局が開催した第二次全国技術監督工作会議開幕時の講話。《朱鎔基講話實錄》人民出版社2011年, 第一卷pp.1~7(写真は1991年2月6日 上海の自動車工場見学に訪れた鄧小平を接遇する上海市長朱鎔基。この2ケ月後の4月に朱鎔基は国務院副総理に就任する。) p.1 国家技術監督局が成立して3年、大量の仕事が行われ、多くの成果が得られました。私が国家経済委員会で仕事をしている間に、国家標準局、国家計量局、国家経済委員会質量局の仕事を主管したこと

朱鎔基 情報産業発展の重要性を充分に認識せよ 1992/01/11

 これは朱鎔基同志が郵電部で聞き取りの後の工作講話の一部分である。1992年1月11日。米国におけるインターネットの発展に注目し、国内の情報通信網の整備に力を注ぐ様子がうかがわれる。《朱鎔基講話実録 第一巻》人民出版社2011年pp.124-125(写真が澤蔵司稲荷慈眼院の空き地でみかけたドクダミの群生。) p.124  私は今一度述べる問題は、情報産業発展させることの重要性を、必ず十分に認識せねばならないということ、についてである。    現在は情報時代である。米国人さえ

朱鎔基 指導幹部は廉潔に公務を勤めよ 1992/01/11

領導幹部要廉潔奉公(1992年1月11日全国交通工作会議上講話)載《朱鎔基講話錄  第一卷》人民出版社2011年,pp.126-127 綱紀粛正の話だが、ここでは、幹部が地方や出先を訪問した時の、送迎、食事の供応、贈答、などが指摘されている(写真は1992年1月11日北京で開催された全国交通工作会議で講話を行う朱鎔基。同上書p.127より転載。)。 → 参照 習近平の反腐敗運動 2012~ p.126 私は精神文明建設問題を強化することを今一度強調したい。精神文明建設を上手

朱鎔基 株券工作座談会講話 1992/08

在部分省市股票市場試點工作座談會上的講話(1992年8月13日)。載《朱鎔基講話實錄 第一卷》人民出版社2011年,pp.204-213 朱鎔基が証券や金融について、勉強したことが伺われる。注目されるのは、日本の間接金融依存型発展プロセスを学んだことをうかがえる一節である。経済発展における、金融の在り方について、国家の指導者にこのように知識として伝わったことが明らかであるのは、大変めずらしいことではないか(写真は六義園にてヤマアジサイの群生。)。 p.204 鄧小平同志が南

朱鎔基 金融のマクロ調整を適切に行え 1993/01/16

1993年1月16日 北京で行われていた全国銀行分行行長、保険分公司総経理の会議の最終日に朱鎔基が行った講話の主要部分。搞好金融廣觀調控(1993年1月16日)載《朱鎔基講話實錄  第一卷》人民出版社2011年pp.265-268の全訳である。  (写真は澤蔵司(たくぞうす)稲荷慈眼院入り口のレリーフ。1620年に傳通院別当澤蔵司稲荷慈眼院が起こされたとされている。左手がおそらく旧幸田露伴宅。近くには文人の家が多い。松尾芭蕉の俳句に「ひとしぐれ礫(こいし)や降って小石川」)。

朱鎔基 金融工作"約法三章" 1993/07

1993年7月2日、八届全国人代常任委員会第二次会議は朱鎔基同志の中国人民銀行行長兼任を決定した。7月5日から7日まで国務院は北京で全国金融工作会議を開催し、各地の人民銀行分行行長、専業銀行本店、中国人民保険公司の責任者、国務院関連部門の責任者などが出席した。《金融工作”約法三章”(1993年7月7日)》載《朱鎔基講話錄   第一卷》人民出版社2011年pp.307-316 朱鎔基が金融改革の担い手の先頭にあったことをうかがわせる重要文書である。(写真は六義園) p.307

朱鎔基 企業改革における国有資産流出を防止せよ 1994年11月6日

朱鎔基 企業改革中要防止國有資產流失(1994年11月6日)載《朱鎔基講話錄 第二卷》人民出版社2011年,pp.56-61  1994年11月4日から6日北京で行われた全國國有資産管理暨全國清產核資工作會議での講話の一部分。微妙で重要な問題。企業改革に伴う国有資産流出問題を論じている。最後の部分では国有資産管理局の在り方について述べている(なお写真は1週間後、1994年11月14日上海市主催の会議に出席した朱鎔基。同前書p.63より転載)。 p.56  党中央、国務院は国

朱鎔基 金融工作指導監督強化 1999/01

中央が行った省部クラスの主要幹部の金融研究グループに対する講話。加强對金融工作的領導與監督(1999年1月8日)載《朱鎔基講話錄 第三卷》人民出版社2011年pp.204-215, esp.204-209 朱鎔基の言葉は、多くの問題を指摘しながら、しかし指導者としての自信に満ち堂々としていることが大変印象的である(写真は六義園にて。2020年6月8日)。  p.204      一、我が国の現在の金融形勢の基本情況     我が国金融の状況は、二つの言い方にまとめることがで

朱鎔基 清華精神について 2001/06/05

2001年6月5日清華大学での講演の一部分。清華的精神是追求完美(2001年6月5日)載《朱鎔基講話實錄 第四卷》人民出版社2011年pp.159-165 esp.159-164 朱鎔基が母校清華大学の経営管理学院院長を長く務めたことを、日本人で知っている人はどれだけいるだろう。2001年6月。この院長を辞するにあたり、母校を訪れ以下の講話を行っている。そこには理系に見える朱鎔基が実は文学青年だったことや、国民党の腐敗を批判する民主人士に共鳴していた、党人になる前の彼の素顔(