コンセントの数って大事?
お客様からよく『コンセントは多ければ多いほどいいから、たくさん付けて』とよくご意見を伺うことがある。理由を伺うと『家電製品が多いから』『よくわからいけどあったらいい』『親御さんのアドバイス』など様々だ。その理由にはなんら間違いはない。お客様の生い立ちやご趣味などにより、コンセント数のご希望が変わってくるのは特に大きな問題ではない。
これまで約200棟のお客様のご計画に参加させて頂きましたが、感覚的におよそ90%くらいのお客様から上記のようなご意見を頂きます。根拠のない方も多いのですが、なんとなく一般的に浸透している考えのような気がいたします。
しかしながら、お客様としっかり会話していくと必ず1つの結論に至ります。
それは、コンセントは『適材適所に配置すること』が最もご入居後の満足度が高いということです。
適材適所にコンセントを配置するということは、お客様のスタイルに如何に寄り添い、理解し、実行できるかが鍵となってきます。打ち合わせ時間も膨大に必要ですが、慣れてくると様々なことに気づけるようになりますので、どんどん良いご提案ができるようになってきます。
こちらのお住まいはソファ後部にパティオがあり、コーナーサッシも採用されているため、ソファ周辺にはコンセントを設置できるスペースがまったくありません。そのため写真のようにスタンド照明やワインセラー(ソファで隠れています)を置きたい場合は非常に苦労します。
よってコンセントの設置方法は2つ。天井か床に設置するしかないということがわかります。天井はさすがに大変ですしカッコ悪いので設置しませんので、床に設置する方法の1択ということになります。しかしながら床に設置する=床に穴を開けるということですから、うかつに適当な位置に開けることはできません。
ということを踏まえると、コンセントの位置決めをする際には、家具の種類や大きさ、設置位置をあらかじめ決めておくということが大切だということがわかります。
めちゃくちゃ単純明快で簡単ですよね。ですがこれを完璧に実行できる住宅会社ってなかなかないんです。分業化が進みすぎているので後戻り工程になるのは効率が悪いと判断されてしまうからです。
でもその後戻り工程というのは、あくまでも施工側の意見であり、お客様からすれば関係ないと思います。さらにいえば、後戻り工程と思われる箇所を最初に持ってくればいいだけなのです。それができればミスも起こりにくいですし、なにより家具などの受注も頂けるので会社的には嬉しいことのはずなのです。
住宅会社とお客様がストレスなく、最高のパートナーシップをもって、打ち合わせできる環境や仕組みを構築するべく、これからも取り組んでまいります。