見出し画像

ながさき気まぐれ案内その18 −カステラ

 長崎を訪れたらお土産に何が良いか。この命題(というほどのこともないが、、、)の答えはたいがい地元の人はカステラ、と答えるだろう。では、どの銘柄が良いか。

これもたいがいの地元の人は福砂屋、と答えるのではないだろうか。なかには松翁軒、とか言う人もいるだろう。全国的に知られているのは文明堂だ。長崎駅から路面電車で2駅海側に行ったところの交差点に立派な構えの文明堂総本店のお店が建っている。これに対し福砂屋は思案橋の入り口から丸山公園に向かって進んだ途中に本店がある。味に関しては自分はさほど味覚に対する繊細さがないのでここでは評価は遠慮しておく。ただし、地元の人の大方の評価は圧倒的に福砂屋であることは間違いない。

が、ここでは銘柄の差よりもカステラの中のカステラ五山焼きを取り上げたい。福砂屋の五山焼き1号(1号とは大きさを示す番号の様なもの)の値段がおおよそ3千円する高価なものだ。これが甘く美味しい。

7年ほど前長崎で仕事をしていた頃にブラジルへの赴任が決まった際に職場の先輩がお前の行きたいお店で壮行会をしてやると言って頂いた。そこで長年憧れていてそれまで(というか今でも)縁がなかった花月で飲んで食べてみたいと言ったところ「花月で1回飲むお金で他の普通の飲み屋を何回行けると思っているん??」と即却下された。ちなみに、花月を希望したのは坂本龍馬の付けた刀の傷跡を見たかったというのもある。(更に、ちなみに、だが京都にいた学生時代には寺田屋を見に行ってそこでも刀疵を見た記憶がある。)

その頃海外赴任前で少しナーバスになっており仕方がないから自分で勝手に独り贅沢をしようと考えて買ったのが福砂屋の五山焼きである。いったん南米に足を運んだら長崎にいつ戻って来るか分からないという思いもあって思い切って買って食べてみた。予想外に本当に美味しかった。買って良かったと思った。これで長崎の良い思い出が残せるとも思った。(カステラ一つで大袈裟な!!)

後日、五山焼きを食べたことがあると知った知人(長崎の地元の人)から普通のカステラと五山焼きはどう味が違うのか?と聞かれ、「普通の牛乳とコンデンスミルクの違い。とにかく五山焼きは味が濃厚!」と答えた。この表現、結構味の違いを上手く説明したと今でも自画自賛している。

興味のある人は一度お試しあれ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?