見出し画像

気まぐれ語句解説その5 ―プロダクトプレイスメント

社会の変化が激しい。早い。速い。目まぐるしい。変化に合わせて使う言葉も新しいものが続々生まれる。実際は今までと大して変わらないのに海外からの輸入品に合わせて外国語が突然何の解説も説明もなしにカタカナで使われる。新しいビジネスモデルが輸入されるときも同様。輸入までなくても海外の動向を紹介するだけで既に使い古されたかの様に人口に膾炙されることもある。
そんな意味が分からないけどよく耳にする語句解説を勝手気ままにしてみる。
(いつまで続くか分からんけどやれるだけやってみます、と言って最後に書いてから3ヶ月経ちます。ゴネンナサイ。)

今回はプロダクトプレイスメント。

プロダクトプレイスメントとは「(費用をかけて目立つようにした)製品(テレビ)広告」(ジーニアス英和大辞典より)。

これだけではなんのことか分からない。

映画をよく見る。その中の一例。主人公やそのグループがAppleのロゴが入ったパソコンをバチバチやって(キーボードを叩いて)何かシミュレーションしたり調べたりして答えを導くシーンがある。画面が格好良く分かり易いグラフィックでさささっと移り変わりパパパッと答えを出す。一方、映画の中ではその反対側の悪役はWindowsのパソコンを使っている。早い話が印象操作だ。

これに宣伝費がかかっていると最近知った。

商品のイメージ戦略を作る。そのこと自体は昔からあったことだろう。しかし、それはテレビで言えばコマーシャルのときにそれと分かる、その宣伝をしていると分かるケースだった。番組でその提供する会社や商品にまつわる批判やネガティブな発言は当然出来ない、と視聴者である私達はあらかじめ承知して見ていたし今も見ている。

しかし、プロダクトプレイスメントでは意識せずにそれとなく宣伝される。映画のシナリオの中にそれとなく商品の宣伝が織り込まれる。気付かぬうちに宣伝のシーンが脳裏に焼き付く。今までの様にこの商品は良いですよ、買ってくださいね、というあからさまな宣伝ではない。いわば無意識のうちに記憶に残す手法が手が込んでいて巧妙だ。あえて言えば、始末に悪い。

映画ならば最後のエンディングで提供や協賛の欄で出ているのかも知れない。しかし、それは単にそのパソコンなどの商品を映画のシーンで使うために提供したのか、いやもっと積極的にシナリオでその商品を見栄え良く宣伝効果を意図的に狙ったシナリオ作りにまでコミットしたのかはどうやって判断するのだろう。

いずれにしてもプロダクトプレイスメントという手法があることは映画やテレビを観る上で知っておく必要があるのだろう。特にこれからは。

因みに、冒頭の例としてApple社の(例えばMacの)パソコンを宣伝することがプロダクトプレイスメントと言うのに対して逆効果を狙ったWindowsのパソコンを悪役が使っているシーンを撮り悪いイメージを植え付けるのをアンチプロダクトプレイスメントと言うらしい。正直そこまで映画をつぶさに観ていないというのが自分の正直な感想だが。


この記事が参加している募集

スキしてみて

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?