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信頼できる整体屋さん

会社勤めのときは特に椅子に座って仕事をしている時の姿勢が悪かった。立って歩いているときも下を向いていて猫背でやっぱり姿勢が悪い。なので仕事終わりや休みの日に整体屋さん、今でよく言うところのカイロプラクティックに通っていた。

姿勢が悪いのが原因で整体屋さんに通うのだから当然治してもらいたいところは肩や腰になる。大抵は初めての診察(というかどうかは病院ではないので正確ではないかも)で身体の状態を説明し痛いところや普段の生活を聞かれる。口頭の説明のみで済むところもあればアンケートの様な記述式で聞かれたことに答え改めて施術する前に面と向かっていろいろと書いたことに従って聞かれるところもある。
最も念入りだったのはあらかじめメールで質問のフォームを送られて来てそれに記入したものを持参して面談から始まったところもあった。そこでは生まれてからのおおよその生い立ちや年齢毎での大きな出来事(卒業、就職、結婚、病気、引越しなどなど)まで書く欄があった。健康や体調も元を正せばその人のたどった生い立ちを土台にして現在の心理状態、感情にも左右されることをその整体屋さんは認識しているのだなと知った一例である。

通ったことのあるところでは必ず最初に念押しされるのが1回の通院で治ることはないことを強調される。まあそれはそうだろう。姿勢が悪いのは一時的なものではなく自分が起きて生活している間ずっと続くのだから1時間やそこらの施術で治るはずもない。ただ痛みの軽減につながるだけだ。それも一時的なものだが。

整体屋さんは、特にしっかりしたところは、身体の構造を知っている。なので肩こりがひどいと訴えても肩を治そうとは必ずしもしない。身体は骨と筋肉でつながっており例えば姿勢の取り方で腰や背中の歪みが肩に影響を及ぼしていることが有り得るからだ。人間は重力に反して二足歩行しているので人間独特の身体の構造がありその背景を知った上で患者の動きを見て身体を触り原因を特定する。その際自分が分かっただけでは不十分。相手である患者にどこがどの様に歪みや異常がありそれがどの様に作用して痛みなどになって現れているのかを説明する。説明して日常の生活で気を付けてもらう様にする。あるいはもっと積極的に身体の使い方を見直してもらう、是正してもらう。要は悪い癖を直す必要があるのだ。

この身体のどこがどの様な構造でどの様な悪い癖があるのか、本来正常な使い方はどの様なものなのか。この説明をするために人体模型を置いて必要に応じて説明する。この人体模型、全体の骨格模型を施術する傍らに置いて身体の構造、骨の形と筋肉のつながり、動きの連携を説明されるとどこのどの様な使い方が悪くてどの様に直せば良いのかが分かる、理解出来る。まずは悪い癖を直すには自分の癖を知る必要がある。その癖を直し理想の状態にするにはそのあるべき身体の使い方も知る必要がある。現状(ビフォア)を知り理想(アフター)を知って初めて次の行動、アクションが起こせる。しっかりした整体屋さんはこの人体模型を見えるところ、すぐ指し示して説明出来るところに置いてある。

最近はこの人体模型だけでなく、スマホやタブレットで人間の骨格と筋肉の構造をビジュアルに見るアプリがあるのでそれを使い説明してもらえるところもある。身体表面から筋肉を剥がしてまるで解剖しているかの様にリアルで分かり易い説明は驚く他ない。重層的に筋肉が折り重なる構造を見てさてどの様に意識してこの筋肉を動かすのかと迷ってしまう。その疑問をぶつけるとこの様な動きのときに使われるから意識してやってみてください、と返されさすがプロと感嘆してしまったこともある。

施術が終わった後に次に通うまでの宿題を出す。これがただ受動的に整体を受けるだけではなく日常の生活で課題を与えられ身体の使い方を是正する有効な方法である。この宿題を出すところは良い整体屋さんである。その時々で異なる課題、宿題を課すのであればなお良い。

そうそう、最後に、施術そのもので良いか、悪いか。これは受けた直後から2〜3日の身体の反応、調子で判断するのが妥当だと思う。一番肝心なところは試してみて結果で判断するしかないでしょうネ。

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