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原因なのか、結果なのか?

7月中旬頃からずっと身体のある部位が気になっていた。

それは左脇腹辺りでしかも左側だけ。何故か7月になってから左脇腹辺りだけまるで中抜けしたかの様な感覚があり力が入っていない気がしていた。何か空洞になっているかの様な感覚であった。

そんな中内層筋を鍛えるセッションを受けている先生の指導を受けて腹横筋と腹斜筋にフォーカスするストレッチを行った。

そこで初めて気付いた。腹横筋と腹斜筋に普段力が入っていなかった。両者の筋肉を使っていなかったことに気付いた。しかも左側だけ。右側は普通に使っていた。先生の指導通りに左右それぞれストレッチをしてみて違いに気付いたのである。左側だけ普段使われていない筋肉が初めて始動したかの様な感覚を覚えた。

左脇腹の中抜きの様な感覚、まるでそこだけえぐり取られて空洞になったかの様な感覚の理由がはっきりした。筋肉を使っていなかった。いわば筋肉が存在しなかった。中抜きされて空洞の様な感覚は筋肉を使っていない故の至極当然の正しい感覚だった。

実は、この1年ずっと悩んでいた。左脚に異様な筋肉の強ばりが続いて変調をきたしていたのである。

その原因がとうとう分かった。左の腹斜筋と腹横筋を使っていなかったので力の伝わる隣の部位にそのシワ寄せを及ぼしていたのである。

1年間悩み苦しんでいた原因がやっと分かった。変調をきたし異常な状態となっていた左脚は単に結果であった。原因は何の問題もなかった(というより何の問題もないかに見えた)左脇腹にあった。

その後、通っている整体の先生にこのことを報告する機会があった。先生曰く、「青森でのトレランがきっかけで気付かれたのですね。」

西メソの青森合宿で奥入瀬渓流のトレランに参加した。普段決してしない30キロ近いトレランで身体が疲労しきって左脇腹の異常を呼び起こす感覚につながったというのが先生のご意見だった。

思い当たる節がある。1年間悩み続けた原因が思いもかけないところにあった。考えれば脇腹の筋肉を使わなければ脇腹そのものは痛みや異常は起きない。歩いたり走ったりする際本来なら左脇腹にかかる体重が左脚に直接かかる。無理な力が加わる。そこで左脚に異常が起きる。もともとの原因である左脇腹には表面上何も異常は起きない。異常はもともとは問題なかった左脚に起きる。

では、何故1年間そのことに気付かずこの時期に急にその感覚が出てきたのか。中抜きの様な感覚が生じたのか。青森でのトレランは7月初旬だった。左脇腹の異常な感覚はそのトレランの後からなので整体の先生の指摘はうなずける。普段決してしなかった究極(とは言えないが)の身体の酷使の結果生じた感覚だった。疲れ切った結果に何も使われていない身体の局所がニュートラルのままだったために異様な感覚を呼び起こしたのだ。身体全体で唯一サボっていた左脇腹が疲労していなかったので普段は決して感じない空洞感を呼び覚ました。

振り返ってみて分かったこと。

原因なのか、結果なのか。よくよく考えて見つめることが必要なんだな、と。

異常が起きた。問題が生じた。その異常や問題だけに注意を向けると問題の本質が見失われる可能性や危険がある。今回の様にむしろ何も異常がなく問題ともなっていないところ、問題のあるすぐ近いところに真の原因があることもある。

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