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CMMIという世界地図を片手に改善の宝探しの旅に出よう
CMMIに対して固いイメージを持つ人が多いのでは?と思い、あえてこのようなタイトルを付けてみました。
前回のブログから間が空いてしまいましたが、久しぶりのブログでは、よりポジティブに、より楽しく、CMMIを活用していただくためのアイデアをご紹介いたします。
1.“できている部分”にも着目しよう
第1回目のブログで述べたように、CMMIは世界中の成功している組織やプロジェクトが何を実施しているか(What)を分析・体系化し、プラクティスとしてまとめたものです。CMMI V2.0以降では、なぜそのプラクティスを行うのか、言い換えれば実施する価値(Why)の記述が追加されました。
CMMIのユーザーはプラクティスと自分達の活動を比較することで“改善の機会”を特定できます。しかし“改善の機会”というと、どうしてもできていない部分、つまり”弱み“に着目しがちです。しかし私は”できている部分“に着目することも同様に大切なことだと考えます。
なぜならそうすることにより、以下の効果を得られることを複数のお客様で経験してきたからです。
”できている部分“に着目すると、その活動内容と価値をより明確に言語化できる。
活動内容と価値が明確に言語化できると、その活動が廃れないように継続し、横展開しようというモチベーションが生まれる。
シンプルな事例を用いてご説明いたしましょう。
■事例
あるプロジェクトでは他と比較してプロジェクト計画書の内容が充実しています。計画書は必要なときにタイムリーに更新されます。更新時には、事前に関係者の承認を得ており、また変更履歴を残しています。
この事例をCMMIのプラクティスに当てはめてみると、以下のプラクティスに関する活動が実施されていることが分かりました。
PLAN 2.1:作業達成に向けたアプローチを作成し、最新に保つ。
PLAN 2.2:作業の実施に必要な知識とスキルを計画する。
PLAN 2.3:記録された見積もりに基づいて、予算とスケジュールを作成し、最新に保つ。
PLAN 2.4:特定された利害関係者の関与を計画する。
PLAN 2.5:運用と支援への移行を計画する。
PLAN 2.6:利用可能な資源と見積もられた資源を調整することで、計画が実現可能であることを確保する。
PLAN 2.7:プロジェクト計画を策定し、その要素間の首尾一貫性を確保し、最新に保つ。
PLAN 2.8:計画をレビューし、影響を受ける利害関係者からコミットメントを得る。
PLAN 3.3:重要な依存関係を特定し、協議する。
CM 2.4:構成管理下の品目に対する変更を管理する。
CM 2.5:構成管理下の品目を記述した記録を作成し、最新に保ち、使用する。
MPM 2.1:選定された事業ニーズと事業目標から測定目標と実績目標を導出し、記録し、最新に保つ。
RDM 2.6:計画と活動、または作業成果物が、要件と首尾一貫した状態に保たれているようにする。
いかがでしょうか。このシンプルな事例には、13個のプラクティスに関連する活動が含まれているのです。
「計画書の内容が充実している」という曖昧な表現でしたが、関連するプラクティスを見ると「充実」という言葉が意味する具体的な内容が分かります。
このようにCMMIのプラクティスに当てはめてみると、自分達が実施している活動の中に埋もれていた“価値”があることに気がつき、結果としてこの活動を継続しよう、組織内で横展開しようというモチベーションが高まります。言い換えれば
「CMMIという世界地図を片手に宝物を発掘し、みんなに分け与えて、みんなが幸せになった」
ということです。そのため私の言う“宝物”は、着目しがちな”弱み”のみならず “できている部分”も含んでいるのです。
2.(株)SI&Cの提供する“宝探し支援”サービス
「CMMIという世界地図を片手に改善の宝探しの旅に出る」ためのサービスとして、(株)SI&Cでは、以下のサービスを提供しています。
CMMIウォークスルー
お客様にCMMIという世界地図の読み方を理解していただくためのサービスです。お客様自身で宝探しの旅に出られるように支援させていただきます。
CMMIギャップ分析
CMMIの世界地図の読み方を熟知したツアーガイドが宝探しを先導し、宝物の候補をお客様にお見せし、様々な宝物=価値の発掘をお手伝いするサービスです。ツアーガイドは沢山の宝物の候補を発掘しますが、中にはお客様にとって価値が無いものも含まれているかもしれません。そのようなものはなるべく捨てないで倉庫にしまっておいてください。そしてたまに倉庫を覗いてみてください。「以前は気がつかなかったけど、これはなかなか良いな」という宝物を再発見できるかもしれません。
今回のブログはいかがでしたでしょうか。”弱み“を特定することは非常に大事ですが、ダメ出しだけでは気が滅入ってしまいます。
「宝物を見つけて、みんなに分け与えたい」
という気持ちで、よりポジティブに、より楽しく、CMMIを活用していただけますと嬉しいです。
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