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#紫陽花を
色とりどりのメシの種【第八話】 #創作大賞2024
紫陽花を見ると、あの日の事を思い出す。
動かなくなったサトシを抱っこ紐で背負い、泣き叫ぶユイを抱き抱えながら、森を抜けてタクシーを拾った。行き先を告げた覚えはないが、タクシーは実家に着いた。
玄関に青い紫陽花が飾ってあったことだけは覚えている。たぶん母さんに色々聞かれたと思うが、放心して何も言わなかったに違いない。気づいた時は朝ごはんの納豆をかき混ぜていた。
「母さん、サトシは?」
一番気に
紫陽花を見ると、あの日の事を思い出す。
動かなくなったサトシを抱っこ紐で背負い、泣き叫ぶユイを抱き抱えながら、森を抜けてタクシーを拾った。行き先を告げた覚えはないが、タクシーは実家に着いた。
玄関に青い紫陽花が飾ってあったことだけは覚えている。たぶん母さんに色々聞かれたと思うが、放心して何も言わなかったに違いない。気づいた時は朝ごはんの納豆をかき混ぜていた。
「母さん、サトシは?」
一番気に