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#風薫る
色とりどりのメシの種【第三話】 #創作大賞2024
「風薫る、いい季節になったね」
買い出しの帰り道、ユイが言った。
「そうだねって、兄ちゃんは言えないよ。ユイ、お前いくつなんだよ」
「知らないの?十二歳。小学六年生です」
「いや、知ってるけど。発言が風流過ぎるんだよ」
「いろいろあったもの。経験が人を作るのよ」
「そうですか」
束の間の、穏やかな時間。
生活が落ち着いたら祖父母の家を出て、ユイと二人、穏やかに暮らしたい。
今の望みは
「風薫る、いい季節になったね」
買い出しの帰り道、ユイが言った。
「そうだねって、兄ちゃんは言えないよ。ユイ、お前いくつなんだよ」
「知らないの?十二歳。小学六年生です」
「いや、知ってるけど。発言が風流過ぎるんだよ」
「いろいろあったもの。経験が人を作るのよ」
「そうですか」
束の間の、穏やかな時間。
生活が落ち着いたら祖父母の家を出て、ユイと二人、穏やかに暮らしたい。
今の望みは