工期と工数は3乗根(ソフトウェア分析)
工期と工数の間には関係があるのか?
工数の原価として1億円の仕事があるとき、工期はどのようになるのでしょうか。顧客がなるべく早く作ってほしいと工期の短縮を求められたとき、どのように対応できるでしょうか。どこまで対応できるでしょうか。人を多く費やせば、工期は自在に変動できるのでしょうか。最後の質問の答えはもちろん、できないというものになるのでしょうが。
工期と工数の関係は各々が独自に変動できるような無関係ではなく、ある関係が存在するのではないでしょうか。というのが今回の話になります。まぁ、タイトルにその関係が書いているのですが、それは置いておいてください。
工期と工数に関係がある理由は?
ソフトウェア開発において、工期と工数に関係があるのは、人間が重要な位置に関わっているので、当然の帰結になります。
なぜかと言えば、人間が対応できることには限界があり、多くの人間をつぎ込んでも、そのコミュニケーションに限界があり、仕事に依存して、掛けられる人数は制限されます。
だから、これから工期と工数に関係ができてしまいます。つまり、人間の限界によって関係が自然発生します。この関係がさらに、経験を通して磨きがかかり、やがて伝説になります。
工期と工数の関係は3乗根!
実際にソフトウェア開発において、工期と工数の関係はどうなっているのでしょうか。COCOMOから始まった工期と工数の関係は3乗根というものがあります。つまり工数の3乗根と工期が比例するというものです。工数が8倍になると工期は2倍になるという関係です。
あなたはこの関係を信じられるでしょうか、実感できるでしょうか。もっと工期は大きく変動できると思っていたかもしれませんが、工期は頑固です。工数が増減しても3乗根でしか、動きません。納期を守るためには、この関係が大事になります。知っておいて損はありません。
実際、IPAやJUAS、経済調査会が出している現実のプロジェクトの統計結果でも、そうなっています。例えば、IPAのソフトウェア開発分析データ集2022のp.156では、わざとらしく3乗根(1/3乗)に近い、0.32乗になっています。この伝説、古き言い伝えは真実(まこと)であったのか(おばば談)。
工期と工数の関係は3乗根?
でも少しだけ待ってください。この古き言い伝えは真実なのでしょうか。実際に統計でもその関係になっていますが、真実なのでしょうか。
今は昔、COCOMOの3乗根という話を信じた人がいました。そしてその人がプロジェクト計画を立てるときに、工期を工数の3乗根に設定しました。そして続く人が前例通り、3乗根で計画しましたとさ。
この結果、3乗根の伝説は真実になりました。なんていったって、統計で出ているのですから、計画が失敗したときでも言い訳は可能です。
という妄想を聞いたことがありますが、この節の説は無視して、3乗根で計画するのが吉です。たぶん。きっと。
ということで今日の結論。「工期は工数の3乗根、これで決まり」以上です。
マンガFAQの引用元:ソフトウェア開発分析データ集2022 | 社会・産業のデジタル変革 | IPA 独立行政法人 情報処理推進機構
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