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改修・保守が好き過ぎる(ソフトウェア分析)

ソフトウェア開発は、実は新規開発は少なくて、多くは既存ソフトウェアの改修や保守開発です。このため、過去のプログラムやアーキテクチャを踏襲するので時代遅れのコードやアーキになっています。音楽やファッションなら昔のリバイバルもいいのでしょうが、ソフトウェアはそうはいきません。レガシーと呼ばれるようになり、嫌われます。でもこの傾向は続いていて、続くでしょう。これから脱却するのはプログラムレスの技術であるノーコードや生成AI利用開発が有力でしょう。引用元:IPA ソフトウェア開発分析データ集 FAQ

新規開発は少なく、改修・保守開発は多い

ソフトウェア開発は新規開発が少なく、既存のソフトウェアを改修する開発(ベンダーによって改修開発や既存開発、改良開発などと呼ばれている)や、不具合対応や機能追加する保守開発が多くなっています。
上記のマンガにもあるように、改修・保守が半分近くを占めています。一方、新規開発は1/3程度です。

改修・保守開発が多い利用は、(公式的・教科書的には)既存の仕様と類似している仕様のソフトウェアシステムが多いにも関わらず、ソフトウェアパッケージを利用せずに、一品一品、心を込めて、ベンダ企業がソフトウェアを手作りするからです。

改修・保守開発で活躍のコピペ手法

ソフトウェア開発では、プログラムコードをはじめ、アーキテクチャやテストケースなどは、再利用が容易です。プログラムコードをコピーしてペーストする(これはコピペと呼ばれる手法)だけで、ほぼコストゼロでコピープログラムができあがります。このコピープログラムを仕様変更に合わせて、少し変えるだけで改修や保守開発が完成します。

なんと簡単で生産性の高い方法なんでしょうか。素晴らしい!(皮肉です)もちろん、このコピペ手法は嫌われています。バグはコピーされ、類似コードだらけになります。

改修・保守開発はメリットだらけ?

改修・保守開発はベンダとユーザ企業両方にメリットがあります。
ベンダ企業は毎回、手作りをしますので、その分、お金をもらえることになります。
前述の「一品一品、心を込めた開発」とは、お金がもらえてうれしいという心を込めることです。

一方、ユーザ企業はソフトウェアパッケージの仕様に囚われることなく、既存の業務プロセスをそのままソフトウェアシステムで実施できるという傲慢をかますことができます。
お互い、傍若無人です。嘆きしかありません。

パッケージ利用開発は進まず

ソフトウェアパッケージを利用した開発であれば、新規開発でもコストは小さく、多くはパラメータ調整や小修整だけで対応できるので、改修などは少なくなるでしょう。しかしそもそもパッケージ利用開発は日本では多くありませんので、心を込めた改修・保守開発が多くなっています。

新しいソフトウェア開発へ

でも最近は、ノーコード開発やローコード開発、生成AI利用開発が増え、OSSや商用ソフトウェア(COTS)を利用したパッケージ利用開発が今後、増加していくでしょう。
またDX時代ではユーザ内製化・ユーザ主導でのソフトウェア開発も増加してきています。
まさに新しい時代のソフトウェア開発が来ています!・・・たぶん、きっと。

ということで今日の結論。「ソフトウェアは自分で作らず他人を利用」以上です。

引用:ソフトウェア開発分析データ集2022 | 社会・産業のデジタル変革 | IPA 独立行政法人 情報処理推進機構




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