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SARS-CoV-2自然感染から回復した医療従事者は、ワクチン接種の義務化の対象から除外されるべきである: Lancet Rheumatolに掲載された記事から

このところ欧州各国ではコロナ関連の規制が緩和の流れにあります。コロナに対する規制そのものを大きく緩和する国に加え、突如規制自体を撤廃する国も出てきました。一方、部分的に規制の緩和をするとしながらもワクチン義務化は諦めないといったチグハグな姿勢の国もあります。コロナ規制の緩和とコロナウイルス蔓延の状況も対応しておらず、すでにコロナワクチンをめぐる政策も各国で支離滅裂の様相です。コロナワクチンの推進の流れが世界的に繋がっていたように、コロナワクチンを食い止める流れも世界で連鎖してきているのではないでしょうか。対応に苦慮した各国政府が右往左往しているようにも見えます。

欧州でも日本でも、コロナ騒動の本質に気付いている人と気付いていない人では見えている世界がまるで違うようです。実際気付いていない人が多数派であり、医者や科学者も例外ではありません。しかし、危機に気付いた良心的な医者や科学者は世界中でコロナワクチンの危険性やコロナ規制の無意味さを訴えています。学術雑誌に発表された論文や記事も流れを変える助けになっていると思われます。

Health-care workers recovered from natural SARS-CoV-2 infection should be exempt from mandatory vaccination edicts
McGonagle (2022) Lancet Rheumatol
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35156059/
SARS-CoV-2自然感染から回復した医療従事者は、ワクチン接種の義務化の対象から除外されるべきである。

語源を調べてみると、immuneはラテン語のimmunisに由来し、公務を免除される、税金を課さない、負担をかけないという意味がある。その延長線上で、免疫という言葉は特定の感染症から免除されることを意味するが、いくつかの国で実施または提案されているワクチン義務化のために、この言葉が雇用からの免除と同一視される危険性が出てきている。英国では、ワクチン未接種の医療従事者は、自分自身と弱い立場にある患者にとって危険であると認識され、解雇の危機に直面したが、英国政府は現在、この義務付けを廃止すべきかどうかを協議している。多くのワクチン接種の義務付けは、もともと免疫のない人たちを対象としている。しかし、このような一方的な義務化に対しては、ウイルス性呼吸器感染症と免疫に関する知識の蓄積という観点から、繰り返し述べるべき説得力のある主張が存在する。

第一に、インフルエンザなどの一本鎖RNAウイルスでは、ワクチン免疫の低下により毎年接種する必要があるワクチン接種よりも、感染から回復した後の自然な免疫による防御が優れていることがよく知られている 。SARS-CoV-2についても同様で、ある研究では、自然感染した人は、自然感染のないワクチン接種者に比べて10倍再感染しにくかった(調整ハザード比、過去の感染については 0.02、95% CI 0.01-0.04 vs ワクチンについては 0.26、0.24-0.28)。自然感染にさらされた人はCOVID-19で入院する確率も低かった。

第二に、COVID-19のパンデミック以前は、ウイルス性呼吸器病原体に対する全身ワクチン接種によってワクチン接種者は重症感染から保護されるが、粘膜免疫がないためにワクチン接種者以外の人にウイルスを伝播することがあるという原則が確立していた。したがって、自然感染による免疫を持つ人は、ワクチンを接種しても自然な免疫がない人に比べて、弱い患者 (自らワクチンを受けるべき) に感染する可能性はおそらく低いと考えられる。上気道の長期免疫は直接測定することができず、血清抗体値は粘膜免疫の代用にはならない。

「免疫」の語源は免除。興味深いですね。ちなみに「抗体」は英語でantibody (anti 抗 + body 体)、ドイツ語でAntikörper (Anti 抗 + Körper 体)。日本語の抗体はそうしたものの直訳です。

日本でも医療従事者は最初期にコロナワクチン接種の対象者になりました。ワクチン未接種の状態で患者に接する事が危険と認識されたからです。しかし、これはコロナ以前から分かっていた事ですが、一般論としてワクチンを接種しても接種者が未接種者にウイルスを伝播することはあります。本来ワクチンとは接種した本人を保護するためのものであったはずです。そしてその他のワクチンと同様に、コロナワクチンを接種しても接種者はコロナウイルスに感染しますし他者に感染させることがあります。

ワクチンによる免疫力の検査には血清中の抗体価が使われており、主にIgGが対応します。IgGの主な機能は全身の防衛です。一方、ウイルス性呼吸器感染症の最前線は粘膜免疫であり、対応する抗体は主にIgAのクラスです。IgAは粘膜表面で最も活性が高く、粘膜表面の一次防御を担い、唾液、涙、母乳に高レベルで含まれる抗体です。IgAの主な機能は最前線での防衛ですが、通常のワクチンではそうした粘膜免疫が形成されません。血清中の抗体価を計るだけでは免疫の一部しか見えません。

コロナウイルス感染によって免疫を作った場合、コロナウイルスの多様な抗原に対しての抗体、T細胞免疫が作られます。そうした抗体の中には血流を循環するIgGクラスの抗体、粘膜表面のIgAのクラスの抗体も含まれます。抗体が認識する抗原もスパイクタンパクに限定せず多様です。一部のB細胞はメモリー細胞として待機状態にあるでしょう。またこれらの免疫は自然免疫とも共闘して、粘膜バリアの破壊を防ぎ、感染防御の最前線で働きます。

このように、ワクチンによって得られる免疫よりも、自然な感染によって得られる免疫の方が優れているという事は以前からよく知られていました。にも関わらず、免疫学の経験や知識はなぜかコロナ騒動が始まって以来おろそかにされているのです。

第三に、SARS-CoV-2の自然感染の既往がある人にワクチンを接種すると、いわゆる超免疫 (またはハイブリッド免疫) 、すなわちワクチン単独接種と比較して高い抗体およびT細胞応答を引き起こすことが多くの研究で示されている。この概念は、しばしばワクチン接種に有利に働くが、この超免疫状態は長期的な臨床的相関が証明されておらず、自然な免疫を持つ人にワクチンを接種しても、追加利益はほとんどないとする研究が増えてきている。ワクチン接種を受けた人の血清抗体反応が高いから自然感染より優れているとするのは誤りであり、自然感染からかなりの時間が経過しており、抗体レベルが低下していることが予想されるからである。さらに、自然感染では上気道でインターフェロン依存性の強い免疫が誘導され、インターフェロンに関連したインフルエンザ様症状を引き起こすが、自然サイトカイン反応により臨床的に有意な抗体産生に必要な粘膜バリアの破壊が阻止される可能性がある。筋肉内接種では、一過性ではあるが、血清抗体として測定可能な抗体反応を容易に生じさせることができる。この現象を利用して、ワクチンが自然感染より優れていると主張することはできない。

ドイツなど一部の国では、SARS-CoV-2の自然感染から回復した医療従事者は90日間ワクチン接種が免除されるため、自然な感染でできる免疫とワクチン接種の同等性に関する免疫学者の声は少なくとも一部には届いているが、ウイルス性肺炎と自然にできる免疫の歴史から、この期間の科学的根拠は不明で、間違いなく無期限であるべきだろう。
イギリスでは医療従事者の不足が続いており、ワクチン接種の義務化はおそらくこれを悪化させるだろう。実際このことがイギリス政府がこの政策を再検討した主な要因であるように思われる。医療従事者のさらなる危機を回避するための強力な要素として、COVID-19から回復した人の自然な免疫の力を政治家に認識させることが必要である。

自然な免疫を持つ人にコロナワクチンを接種しても、追加の効果はほとんどないとする研究が増えています。抗原原罪の仕組みからもそのように考えられます。ウイルスに対する抗体をすでに持っている場合、その抗体はナイーブB細胞の活性化を抑制するので、コロナワクチンを接種しても新たな抗体を作る事が出来なくなるからです。

血清中の抗体価を計るだけでは免疫の一部しか見ていない事はもちろんですが、抗体の存在が重症化防止に働くかどうかも分かりません。現行のコロナワクチンで作られる免疫は、現在はすでにほぼ収束していると思われる初期の武漢型コロナウイルスのスパイクタンパクに対してだけです。コロナウイルスは抗体を利用して感染できるウイルスであり、ウイルスに利用されて抗体依存性感染増強 (ADE) が起きると抗体の存在が重症化に繋がる懸念もあるからです。抗原原罪が起これば、変異株に対する新たな抗体産生も抑制され、重症化に繋がります。ADE、抗原原罪も特殊な免疫不全とも考えられます。

コロナウイルスの自然感染から回復した人は特定の期間ワクチン接種が免除される国もあります。例えばドイツでは感染から治癒した人は90日間ワクチン接種が免除されます。ではどうして90日間なのか。メモリー細胞は90日間で無くなるわけでもなく、免疫が有効な期間を決める科学的根拠は不明です。この期間は論文内でも言われているように無期限であっても良いわけです。ちなみにイタリアでは3回目接種をした人は無期限のパスを取得できる事が最近決まりました。そこに科学的根拠は見当たりません。そしてこれまで繰り返されてきたように、そのルール自体もいつ覆されるかも分かりません。コロナウイルスに感染してワクチンパスポートを支給されても数ヶ月で無効になるのならやはり問題の解決にはなりません。医療従事者の休職、辞職が相次いだ事も英国のコロナ規制撤廃に繋がったのでしょう。

ワクチン未接種者を追い詰めているように見えた政権も、実際には反対に追い詰められていたのではないでしょうか。コロナ騒動の背景にあるのは世界的なファシズムであり、それに対して多くの人がそれぞれの立場で戦っています。SNS、ブログ、動画サイト等での発信、デモやフリーダムコンボイ。一人一人は小さな戦いでも、総体としてはコロナワクチンを推進する勢力に対して大きな圧力となっているのではないでしょうか。仮にコロナ規制が撤廃されたとしてもそれで終わりではありません。ワクチン後遺症患者の救済や訴訟、責任の追及などが続くでしょう。流れは少しずつ変わり始めています。この流れを確かなものにしていきたいものです。




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*記事は個人の見解であり、所属組織を代表するものではありません。

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