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縄文人と弥生人: 民族の遺伝子が変わるという事の意味

日本人の起源とされているのは二つ、縄文人と弥生人です。縄文人は、日本が大陸と陸続きだった時代に大陸から歩いて渡って来た人々の子孫で、もともと南アジア由来の狩猟採集民族です。一方弥生人は、紀元前三世紀以降に船で大陸から渡来してきた人の子孫で、日本に農耕文化と金属器をもたらしました。アジア大陸北東部で独自の寒冷適応を遂げた集団は新モンゴロイドと呼ばれます。縄文人は旧モンゴロイド、弥生人は新モンゴロイドであり、つまり日本人は縄文人と弥生人の混血です。

1万2千年前までは日本は大陸と地続きでした。日本にワニやゾウが住んでいた時代もあるのです。マチカネワニは30〜50万年前頃に日本に生息していた全長約7 mの大型のワニです。マチカネワニの最初の化石は1964年に大阪大学豊中キャンパスから発掘されました。ナウマンゾウは約1万5000年前まで日本に生息していた肩高2.5〜3 mのゾウで、寒冷な気候に適応するために全身は体毛で覆われていました。

約7万年前には北方からはマンモス、ヘラジカ、トナカイ、ヒグマ、ナキウサギ、キタキツネなど、南方からはナウマンゾウ、オオツノシカ、カモシカ、ニホンジカ、ツキノワグマ、ニホンザルなどが渡ってきました。縄文人はそうした動物を追って大陸から陸伝いに移り住んで来たのです。

200万年前に始まる更新世は氷河時代とも呼ばれ、現在よりも寒冷な時期 (氷期) と温暖な時期 (間氷期) とが交互に訪れた時代でした。そして、最終の氷期を越えた後、世界は温暖化の時期を迎えました。温暖化によって厚く堆積していた氷河が溶け始め、海水面は次第に上昇しました。日本列島が列島化する過程は数千年の長いスパンで起こったものです。その間に海面が数十メートル上昇したと考えられています。氷期の最盛期と比べると、実に海面の上昇は約140mにも及びます。

日本列島が大陸より切り離される一万年以上前から縄文人は日本に住んでおり、独自の文化でもある縄文時代は長く続きました。基本的に狩猟採集民族は「所有」の概念が希薄なのに対し、農耕民族は所有の概念が強いです。そして、特に「土地」の所有は富の蓄積をもたらします。富の蓄積はそのまま貧富の格差に直結し、抗争や戦争の原因ともなります。縄文時代が一万年も続いたのは大きな戦争が無く、平和だったからなのかもしれません。狩猟民族はアグレッシブで好戦的、農耕民族は穏やかで争いを嫌うという一般的な認識について、これは決して一筋縄ではいかないテーマであり、むしろ「平和」と言う意味においては真逆であるかもしれないと私は考えています。

弥生人の祖先はアジア大陸北東部と考えられており、氷河期の影響をまともに受けました。そのため寒冷地適応型の自然選択を受けています。弥生人の特徴は一重まぶた、耳垢が乾燥型、お酒に弱いなどです。こうした変異はアジア人の中でも新モンゴロイド特有のもので、コーカソイド (白色人種)、ネグロイド (黒色人種) には見られないものです。弥生人の凹凸の少ない顔立ちは寒冷地域に適合したものです。眼窩脂肪で覆われている一重まぶたは、眼球を凍傷より守ります。弥生人の耳垢が乾燥しているのはアポクリン汗腺が少ないためです。アポクリン汗腺はわきがの原因ともなるので、アポクリン汗腺が少ないと体臭も少なくなります。

日本人の中にアルコールに極端に弱い人がいるのは、アセトアルデヒド脱水素酵素2 (ALDH2) の突然変異による「下戸遺伝子」のためです。縄文人はほとんどが野生型ALDH2遺伝子を持っていたのですが、朝鮮半島より渡来した弥生人により日本に変異型がもたらされました。野生型のALDH2では487番目のアミノ酸がグルタミン酸ですが、変異型ではこのグルタミン酸がリジンに置き換わっています。野生型と変異型を1コピーずつもつ人でもアルコール代謝が20%以下となり、極端にお酒に弱くなります。アルデヒド脱水素酵素は4量体であり、構成する酵素全部が活性型でなければ働きません。これが野生型/変異型のヘテロ型がお酒に弱い理由です。そして、変異型と変異型の組み合わせではALDH2の活性はほぼ0となります。日本の遺伝子型の割合はALDH2野生型/野生型 (縄文/縄文 = お酒強い) 53%、ALDH2野生型/変異型 (縄文/弥生 = お酒弱い) 43%、ALDH2変異型/変異型 (弥生/弥生 = お酒飲めない) 4%です。

遺伝情報とはコンピュータのプログラムのようなものです。変異はプログラムをランダムに書き換えるようなものなので、酵素機能としては機能を獲得するよりも喪失するような変異の方が圧倒的に多いのです。下戸遺伝子は酵素機能を失うような「機能喪失型」の変異です。弥生人特有のそれぞれの変異も元々はおそらくたった一人の人間における変異が起源となっています。そうした子孫がアジア大陸東方に広がり、そして日本人の多くが共有して今日に至っています。こうした事を考えると、「変異する確率が稀なら問題無い」などとは決して簡単には言えないのです。

変異が定着するのは自然選択によって勝ち残る場合だけではありません。実際、下戸遺伝子がここまで広がっているように、集団内に広がる変異は必ずしも有利な変異のみとは限りません。また、一重まぶたなど、寒冷地などの特定の環境でのみ有利になるような変異も存在します。父親由来と母親由来の遺伝子のうち、片方が正常型であれば顕在化しない病気も多いのです。遺伝病の保因者が決して稀ではないように、不利な変異も集団の中で定着する確率もあります。そして、集団サイズが小さいほど変異がランダムに集団内に定着する確率は高くなります。弥生人タイプの遺伝型が日本人に広く見られるように、元々は「たった一人」に起こった変異が民族内に行き渡る事もあるのです。

ゲノムには精巧なDNA修復機能が備わっていますが、それでもゲノムを完全にコピーする事は出来ません。変異の多くはDNA複製の際のコピーミスですが、ゲノムへの損傷も変異を誘発します。そういった変異は癌などの病気の原因となりますが、さらに長いスパンでは遺伝病に繋がる事もあれば、進化を促す事もあります。ゲノムを直接損傷するものには発癌物質や放射線などがあります。放射線はDNAを損傷し、癌の原因となります。強烈な放射線は幹細胞を損傷しますが、さらに限度を超えた放射線はゲノムをズタズタにし、DNA複製や細胞増殖自体を不可能にします。

コロナワクチンに混入したDNAが特に危険なのは、LNPに封入され、シュードウリジン化RNAと複合体を成しているからです。さらにはファイザーのコロナワクチンには、本来あってはならないSV40エンハンサーが見つかりました。LNPはDNAの細胞内への取り込みを媒介し、シュードウリジン化RNAは細胞内でのDNA分解酵素からDNAを保護し、SV40エンハンサーはDNAを核へと輸送します。DNAのサイズは必ずしも問題ではありません。どんなに短いDNAでも遺伝子内へ挿入されると遺伝子の機能喪失に繋がる恐れがあるからです。大量の短いDNAが細胞核に到達し、直接ゲノムDNAを攻撃するならば、まさに「細胞内被曝」とも呼べる事態です。

「全ては変化し続ける。」それがこの世界の理です。人間も生物も自然環境も社会も例外ではありません。人間の遺伝的多様性も長い時間を経て遺伝子が変化し続けた結果なのです。動物、植物、細菌、ウイルスを超えた種の多様性も遺伝子の変化によるものです。変化する環境の中では自身も変化しない事には生き残れないからです。低い率の遺伝子変異自体は生命の世界において自然なものです。しかし、人為的な過度の変異は進化の平衡にも干渉し得るでしょう。DNAが混入したワクチンが本当の意味で人体にどんな影響をもたらすのか。日本でのコロナワクチンの集団接種が始まり2年あまりです数年を経て現れてくるような長期間の副作用は現時点では検証しようもありませんし、さらに言えば人間の寿命を超えて見えてくる集団への影響も未知なのです。DNAが混入したmRNAワクチンの大量接種は決して行われてはいけない人体実験でした。これは事実として、日本、ひいては人類の存亡に関わる話ですらあるのです。あるいは、人類が生き残っていたとしても、mRNAワクチンは遠い未来の子孫にまでも深刻な禍根を残す歴史上のスキャンダルとなるのではないでしょうか。




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*記事は個人の見解であり、所属組織を代表するものではありません。


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