Kaji

物書きを目指すしがない会社員です💦同じ志を持つ方とぜひ繋がりたく思います😊スキやコメン…

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物書きを目指すしがない会社員です💦同じ志を持つ方とぜひ繋がりたく思います😊スキやコメントで、お互い高め合えたらなお幸いです🙇‍♂️

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すべからく『愛』を謳え 序章

あらすじ 幼い頃、事故で両親を亡くした聡太郎。 彼自身も生死の境を彷徨った挙句、辛うじて息を吹き返す。 目を覚ました彼は違和感を覚える。 不意に訪れる激しい頭痛。 その最中に脳裏に浮かぶ、絶望に打ちひしがれた誰かの叫び。 そして派生する紅い右眼と、燃えるように熱い左手。 目の前には、闊歩する異形の者たちの世界。 そして彼の中で『渇き』を訴える誰かの声。 誰かがいる…… その誰かの声に従い、足を踏み入れるは、無情と異形の

    • やっと創作大賞の応募作、ひとまずの完了(*`・ω・)ゞとはいえ誤字脱字、意味不明文(・д・)??など、数日寝かして読み直して、最終推敲やってみて、きっと無駄な努力かも?ですが、作品には責任もって仕上げます!とりま終わらせた自分におつかれちん(*´ ³ `)ノ

      • すべからく『愛』を謳え 第十六話 (最終話) 『帰結』

        すべからく『愛』を謳え 第十六話(最終話) 『帰結』 「やめろぉ!」 聡太郎は怒りの限りに声を張り上げた。 その声は玄関のドアを吹き飛ばし、部屋中に散乱するゴミをはじき飛ばした。 『来…た…ね…』 茉里子の姿をした『女』は、部屋の中に上がり込んで来た聡太郎と茉里子を見て、ニヤリとほくそ笑んだ。 「さ! さおりさん!」 部屋に飛び込んで、聡太郎が最初に目にしたのは下半身を顕わにされ、藤本に弄ばれるさおりの姿だった。 怒りに打ち震え、藤本に掴みかか

        • すべからく『愛』を謳え 第十五話『疾走』

          すべからく『愛』を謳え 第十五話 『疾走』 ①女 女は、怒りに打ち震えていた。 女は、寂しさに打ちひしがれていた。 女は、哀しみに暮れていた。 女は永い時の中で、それらの負の感情を背負い、引き摺り続けてきた。そしてそれらを堆積し、増幅させ、そして拡散させてきた。 それが女の使命、それだけが女の存在価値であり、意義。 永きに渡り『苦しみ』続けてきた女は、これからも苦しみ続け、そして関わる者全てを『苦しませ』続ける。それは死して尚、否、死

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        すべからく『愛』を謳え 序章

        • やっと創作大賞の応募作、ひとまずの完了(*`・ω・)ゞとはいえ誤字脱字、意味不明文(・д・)??など、数日寝かして読み直して、最終推敲やってみて、きっと無駄な努力かも?ですが、作品には責任もって仕上げます!とりま終わらせた自分におつかれちん(*´ ³ `)ノ

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          すべからく『愛』を謳え 第十四話 『家族』

          すべからく『愛』を謳え 第十四話 『家族』 ①捕縛 さおりは仄暗い部屋で目を覚ました。 周囲はゴミ袋やビニール袋でごった返し、脚の踏み場さえもない惨状。しかもその上に積年堆積した埃が表層を覆い、ほんの少しでも動けば凄まじい粉塵が舞うのは必至。 そして、起き上がろうとすると、手足が自由に動かせない事に気付いた。尚且つそれらはガムテープでぐるぐる巻きにされて、その後厳重にもロープでも縛られている。その為に身動きひとつ取れない、寝返りをうつのも困難な状況だった

          すべからく『愛』を謳え 第十四話 『家族』

          すべからく『愛』を謳え 第十三話『輪郭』

          すべからく『愛』を謳え 第十三話 『輪郭』 ①標的 茉里子の部屋には、もう何人もの姉や妹達がごった返していた。皆一様にして低い唸り声をあげ、そこに停滞していた。 「これだけ家族がいれば、十分だろう? それにパッパがいるじゃないか」 藤本は自室に佇む茉里子を後ろから抱きしめて、その耳元で囁いた。 茉里子は彼の腕の中で器用に身を返し、細く華奢な腕を首に回して悪戯に微笑む。そして耳元に唇を這わせると、真っ赤な舌でひと舐めした後、囁いた。 『ママ……

          すべからく『愛』を謳え 第十三話『輪郭』

          すべからく『愛』を謳え 第十二話 『反芻』

          すべからく『愛』を謳え 第十二話 『反芻』 ①接触 聡太郎は夏の陽射しの最中、いざよい橋を何度も往来し、あの日見えた学生服姿の少女を探していた。 あの日、彼女は聡太郎に何かを訴えようとしていた。聡太郎もその声を聞こうと、揺らめく陽炎に手を伸ばした。しかし、彼の手が届く前に彼女は蜃気楼のようにその姿を消した。そしてそれ以降、彼女は姿を表さなかった。出てこない以上は放置する他無いが、彼女の困り兼ねた表情が、聡太郎にはどうしても引っかかって仕方が無かった。また

          すべからく『愛』を謳え 第十二話 『反芻』

          すべからく『愛』を謳え 第十一話『真偽』

          すべからく『愛』を謳え  第十一話『真偽』 ①残像 女は必死に逃げた。しかし急に足が重くなり、歩くのでさえ困難になって来た。 「なんで? なんで私がこんな目に?」 そう叫び、鉛と化した足を引き摺りながらも、彼女は逃げる事を諦めなかった。 『絶対に生きて逃げ切る!』 そう、心に強く決めて、彼女は廃墟と化したビルの中を駆けずり回った。目の前のドアを開き、下へ繋がる階段を駆け下りる。幾度となくそのループを繰り返すも、一向に出口は現れない。 「どうなってん

          すべからく『愛』を謳え 第十一話『真偽』

          すべからく『愛』を謳え 第十話『過護』

          すべからく『愛』を謳え 第十話『過護』 ①叫び 「本日未明、〇市内の雑居ビル内にて女性の遺体が発見されました。所持品は一切見つかっておらず、遺体も顔面の損傷が激しく、未だ身元は不明です。警察は事件性の可能性が高いと判断し、捜査を開始しています」 アナウンサーは淡々と事件を報道すると、すぐさま次のニュースに移行する。 そのニュースが切り替わった瞬間、『バンッ!』と何かが落ちたような激しい音がテレビを襲い、一瞬にしてその画面を暗転させた。 「あれ?」 相変わ

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          すべからく『愛』を謳え 第九話 『着岸』

          すべからく『愛』を謳え 第九話 『着岸』 ①真意 聡太郎は、己を恥じた。 彼が現を抜かしている間に、事は大きく動き出し、今、最悪の結果を迎えようとしている。 そしてまた、彼は大きく検討違いをしていた。もっと少年に踏み込んで、耳を傾けていればこんな事にはならなかったのかも知れない―― 彼がスマホから、さおりと澄江の映像が見えたあの日より案の定、激しい頭痛と高熱、そして『渇き』に彼は打ちのめされた。 およそ一ヶ月ほど『渇き』はなりを潜

          すべからく『愛』を謳え 第九話 『着岸』

          すべからく『愛』を謳え 第八話 『連鎖』

          すべからく『愛』を謳え 第八話『連鎖』 ①常闇 さおりは暗がりの中で目を覚ました。 ここはどこ? 何も見えない状況の中で、彼女は自分の居場所を探す。少しずつ覚醒する意識と感覚。鮮明になるにつれて、四肢を駆け巡る、鈍く鋭い痛み。特に右脚は痛覚を飛び越えて、もはや感覚が麻痺しようとさえしていた。合わせて背中に伸し掛る大量の瓦礫と木片。息をしようとすると、圧迫された肺が悲鳴をあげる。まるで押しても戻らない風船のように、違う所から空気が漏れ出ていくかの如く、彼女は

          すべからく『愛』を謳え 第八話 『連鎖』

          すべからく『愛』を謳え 第七話 『則夫』

          すべからく『愛』を謳え 第七話『則夫』 ①不安 その日のさおりは気が気でなかった。 今日は朝一から、祖母の調子が悪かった。澄江は昨晩、睡眠導入剤を大量に摂取したのか、呂律が回っていなかったり、話の辻褄が合わなくなっていた。ましてやどこを見ているか分からないほどに、目の焦点が定まっておらず、動作も緩慢だった。 かと言って大事をとって、仕事を休めるかと言えば、そういう訳にも行かない。 余程『則夫』の存在から逃げ出したいだろうか?その気持ちは分からなく

          すべからく『愛』を謳え 第七話 『則夫』

          すべからく『愛』を謳え 第六話 『邂逅』

          すべからく『愛』を謳え 第六話 『 邂逅』 ①遭遇 少年は常に神出鬼没だった。 というより、ずっとそこに居るのかもしれない。何かを伝えたい、或いは何かしらの感情が高ぶった際に、その姿を具現化させているのであろうか? その是非は分からないが、朝な夕な、その姿を見せるという事、それ相応に彼の情念のは深く、重く、苦しいものであることだと、聡太郎は察するのだった。 その日も朝早くから現れ、聡太郎の視界の中に点在していた。 「おはよう」 聡太郎は目を

          すべからく『愛』を謳え 第六話 『邂逅』

          すべからく『愛』を謳え 第五話 『少年』

          すべからく『愛』を謳え 第五話『少年』 ①葛西さおり 「三点で千二百八十円です」 材料費の高騰で、ここのケーキ屋も、とうとう値上げに踏み切ったようだ。時勢柄それは致し方ないとは理解するものの、やはり給料据え置きの契約社員からしてみれば、そこ百円、二百円の値上げでも辛いのが本音。 「あ、いつも来ていただいてらっしゃるので、おまけ、つけておきますね!」 女子大生だろうか? 小柄で愛嬌のあるバイトらしい女の子が、マドレーヌ二個をそっと包装箱の中に忍ばせた。 「あ、あ

          すべからく『愛』を謳え 第五話 『少年』

          すべからく『愛』を謳え第四話 『懺悔』

          すべからく『愛』を謳え 第四話 『懺悔』 ①察知 絶えず緩やかに流れゆく水面は、過去の記憶を失ったかのように、なだらかに『現在』(いま)を流れていた。 深夜一時。 聡太郎は、いざよい橋の下に流れる川に降りて、あの女を探していた。 彼女はこの川を根城にして、そこから見える、自分と同じ苦しみに喘ぐ命を、ずっと探していたようだ。 そのため、そこら中にそれと似た念や、低俗霊がおこぼれを頂戴しようとウヨウヨしている。 それらは聡太郎が現れると、彼

          すべからく『愛』を謳え第四話 『懺悔』

          すべからく『愛』を謳え 第三話 『報復』

          すべからく『愛』を謳え 第三話 『報復』 ①宣告 志保の目の前に現れたのは、紛れもなく梨乃だった。しかもその出で立ちは、取り急ぎ着合わせたかののように、皺だらけのシャツと、ボタンを締め掛けのデニム。妙に艶めいて蒸気した表情が、なにかの最中であったことを想起させた。 「あ、ほんとに来ちゃった」 悲壮な面持ちの志保を目の前にして、少しだけ枯れた声で、梨乃は冷たく呟いた。 「誰だよ? このタイミングで誰が来たんだよ!」 薄暗い部屋の中から、ドタドタと足音を立て

          すべからく『愛』を謳え 第三話 『報復』