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2014~2015年イラン旅行(1)

 今回の旅行は、だいぶ少なくなってきた「まだ行っていないけどいつかは行ってみたいところ」リストの中から、イランのイスファハンを選択しました。暦の関係で年末年始の休みが9連休となるので、では時間を有効に活用するために、いつも行くところプラス新規開拓ということでプランを立てました。
 今回は、大阪関西からソウル仁川経由イスタンブール行き、そこからテヘラン、イスファハンを回って同じルートをたどって帰ります。関西発着にした理由は、ただ単に飛行機代が安かっただけです。昔は、空港島へ渡る橋をトップスピードの列車で通ると旅行気分が盛り上がったものですが、つまらない大人となってしまった私にはそのような感受性はもはや持ち合わせておりません。
 ソウルには昼過ぎに到着し、まだ明るいうちにソウルの定宿「大元旅館」に着きました。1年前もここに来ましたが、そのときは予約が一杯で、それでもなんとかなるだろうと思いやってきましたが、宿のお父さんは若干困惑した顔をしながら「ドミトリー(大人数部屋)ならあります」と言ってくれました。今回お父さんは、気のせいかもしれませんが、一瞬前回と同じような表情を顔に出しましたが、部屋を案内してくれました。そこは二人部屋のようでしたが、ずいぶん広々とした部屋です。もう何回もここに泊まっていますが、こんな「豪華な」部屋があるとは知りませんでした。もっともこのツイン部屋しか空いてなかったので、お父さんはお一人様にこの部屋をあてがってよいものかとちょっとだけ悩んであのような表情になったのかもしれません。

 ちょっと街中へ出かけて帰ったらすっかり暗くなってしまいました。昨晩は名古屋の錦3で遅くまで飲んでいたので寝不足気味です。明朝は朝6時ころには出発したいと考えていたので、早々に寝ることにしました。
 翌朝5時に起床。身支度をしていたら、宿のお母さんが入ってきました。そして「朝ごはんありますよ、コーヒーも飲んでいきなさい」と言ってくださいました。私のために早起きされたのか、それともただ単に朝が早い人なのかはわかりませんが、ありがたく「朝辛ラーメン」をいただきました。
 それでは出発です。今日はイスタンブール乗り換えでテヘランまで行きます。イランは全くお初モノです。慈悲深く慈愛遍き偉大なる唯一神アッラーよ、このか弱き(どこがだよ)旅人にご加護を与え給え!
 どうなることやら。

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 早朝6時20分頃に乗ったリムジンバスは結構人が乗っていました。外は真っ暗なので、空港に着くまでひたすら眠っていました。
 私は男の子なので、プチ家出セットは本当に身軽。ナップサック1個に収まります。それでも飛行機搭乗の際にはもっと身軽になりたいのでチェックインの際にそのナップサックも預けてしまいます。しかしながら今回は荷物は預けません。というのは、今日はイスタンブールで飛行機乗り換えなのですが、イスタンブールまではアシアナ航空、イスタンブールからはトルコ航空という具合に乗り継ぎについての連携は一切なし、さらに空港はアタテュルク空港からサビハ・ギョクチェン空港、ヨーロッパサイドからアジアサイドへ移動となります。航空券を予約した当初は乗り換え時間は十分にあったのですが、トルコ航空の出発が早まり、その結果時刻表どおりだと4時間しか空きがなくなってしまいました。アタテュルク空港に予定通りの時刻に到着するとは限らないし、あの国のことだから荷物だってすぐに出てくるとは思えないことから、できるだけすぐに移動できるようにするためです。
 ところでこれは独り言なのですが、空港の保安検査ってどれくらい厳密なのでしょうね。機内持ち込み荷物の中にカミソリ一つ入っているぐらいではいちいち対応しないのでしょうかね。おっと、これはあくまで独り言です。えへんえへん。

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 さて、ほぼ予定どおりに飛行機はアタテュルク空港に着陸しましたが、入国審査や両替でなんだかんだ空港の出口にたどり着くまでそこそこ時間がかかりました。ただちょうどうまいことにタクスィム行きのリムジンバス出発の数分前です。タクスィムはバスの発着地点で、アジア側のサビハ・ギョクチェン空港行きのバスもそこから出ています。ここからバスに乗るか、それとも地下鉄を乗り継いで行くか。バスは、おそらくサビハ・ギョクチェン空港行きバス乗り場の近くまで載せていってくれるだろう反面、道が渋滞したらエライことになります。地下鉄はそもそも各駅停車で路線が大回りで、タクスィムま時間がかかりそうであることと、バス乗り場が簡単に見つかるかどうかが不安ですが、渋滞はありません。約5秒間悩んだ挙句、バスで行くことにしました。
 バスは、やはり途中渋滞にはまりました。失敗したか?もし飛行機の乗り継ぎに失敗したらどうしようと考え始めましたが、どうにか次のバスが出発する10分前にタクスィムに到着しました。バスが停まったところは、両空港行きバス乗り場のそばで、バス停を探す手間はありませんでした。ただ、人がたくさん並んでいるのが見え、それはサビハ・ギョクチェン空港行きの行列でした。タクシーに乗った方がいいかなと思いつつ列に並びました。やがてバスがやってきましたが、バスは1台。乗れなかったらどうしよう。しかしながら唯一神アッラーは信心深い私にお味方したようで、私を以て満車となり、バスは出発しました。この時点で飛行機出発の約2時間半前。
 バスには乗れましたが、このバスは渋滞しがちと思われる第1ボスフォラス橋を通ります。時間が十分あり、かつ昼間なら橋からの景色を楽しめるのですが、すでに外は真っ暗。しかも案の定渋滞で、車のヘッドライトの列がよく見えました。とても車窓を楽しむ気分にはなれません。再び飛行機乗り継ぎに失敗したらどうしようと思い始めました。なんとか橋を越えたら徐々にバスはスピードを上げます。そしてバスは1時間弱かかってサビハ・ギョクチェン空港に到着しました。
 初めて行く空港です。チェックインカウンターを急いで見つけなければと思い、案内版の類を見つけてトルコ航空のブースに行くと、行列はほとんどありませんでした。ちょっと肩すかし。でもよかった。LCCのペガサスエアのブースはかなり混んでいます。そっちじゃなくてよかった。
 この空港での出国審査はなぜか一人にかける時間がメチャクチャ長かったプラス係員の態度も悪かったが、どうにか飛行機乗り継ぎに成功しました。これはイスタンブールの街の構造を熟知している私だからこそできたのであって、他の方は決して真似をせず、6~8時間ぐらいの余裕を持つべきである(なぜか上から目線)。アッラーは偉大なり!

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 やがてテヘラン行き飛行機の搭乗が始まりました。おそらく乗客はイラン人とトルコ人が大部分でしょうが、両者の区別はつきません。CAと英語で話している人はイラン人かもしれません。一人日本人らしい女性をみかけましたが、席が離れているので話しかけることはしません。
 テヘランに着くまで約4時間だったかもしれませんが、それまでの記憶がほとんどありません。飯を食ったのは確実ですが、なにしろこの日は朝の5時起きだったので、それ以外はほぼ失神していたのかもしれません。
 東行きの飛行機ってなぜか時間の経過が早い気がします。テヘラン到着が近づくと、もう着陸なのかという心境です。やがて着陸しましたが、深夜のため風景について格別な印象はありません。飛行機を降りてターミナルに入り、入国審査を受けます。ここはブースがイラン人とそれ以外に別れています。そしてほとんどの人がイラン人ブースに並んでいます。飛行機の中はイラン人が相当な割合を占めていたことになります。それ「以外ブース」にたどり着くと、先ほどの日本人らしい女性が前に並んでいました。トルコでは着けていなかったスカーフをきちんとかぶっています。日本のパスポートを持っていましたので、思い切って「こんばんは」と声をかけました。この方はテヘランの日本人学校の先生で、休暇を利用してイスタンブールを旅行してきた帰りとのことです。遠い異国での労働、ご苦労様です。自分は昔はイスタンブールに移住するのもいいかなと思っていた時期もありましたが、今は日本以外で暮らすことなど考えられません。彼女の入国審査がなかなか終わりません。何か押し問答をしているわけではないので、何も不備はないのでしょうが、それにしても時間がかかり過ぎです。「悪の枢軸」国とはこういうものなのでしょうか。そうこうしているうちにようやく審査が終わったようです。彼女は「お待たせしました」と一言声をかけて出ていきました。
 次は自分の番です。係員がパスポートをスキャンしながらキーボードを叩いているのがわかります。わかりますが、そのうち何度か同じ操作を繰り返しているのに気が付きました。何が問題なのでしょうか。やがて別の係員を呼んでなにやら確認作業をしています。ペルシア語はわかりませんので何が問題なのかはわかりません。ただこちらに質問を投げかけるわけでもありません。結局係員は「うーん、おかしいな」という表情をしつつもスタンプを押して私のパスポートを返しました。私は約5分はかかりました。さすが「悪の枢軸」国です。
 預け荷物をピックアップすると、一応荷物をX線にかけるようですが、ほとんど形骸化しているようで、これなら禁制のお酒やわいせつ物も持ち込むことができそうです。断っておきますが、できそうなだけで、できたと言っているわけではありません。こうして出口にたどり着きました。深夜なのでどれだけうっとうしい白タクがいるかと思いましたが、いるにはいましたがあんまりしつこくありません。銀行でイランリアルを入手したら、タクシー乗り場に移動します。タクシーを捕まえて、運転手に対して「地○の歩き方」に掲載されている予約済のホテルの名前のペルシア語が記載されている部分を示すとわかったようで、街中に向けて移動を開始しました。
 タクシーはメーターがついていませんでしたが、もし料金をぼったくられたらそれまでと腹を括ります。空港から街中までは50キロ(あるいは30キロ?)もあるとのことですが、シャトルバスのようなものはあてにできないようで、なおかつ深夜なので、タクシー利用も仕方のないことですが、果たしてどれくらいタクシー代がかかることやら。景色などさっぱりわかりませんが、やがて街中に入ったようです。道と道が直角に交わることが多く、テヘランは極めて人工的な街なのかなと思います。やがて予約したホテルの前に着きました。一応四つ星ですが、車寄せのようなものはなく、入り口はビジネスホテルのような雰囲気です。タクシーの運転手は「予約はあるのか」と聞いてきましたが、あると答えるとそれ以上何も言いませんでした。ちょっと残念な客だったかな?タクシーの料金は覚えていませんが、極めて妥当なところでした。
 ホテルのチェックインもスムーズで、部屋に入ってようやく一息つくことができました。どうやら角部屋のようです。早々にベッドに横たわりました。ところが、蚊が飛んでいるイヤな音が聞こえてきます。照明をつけてみると、いました!仕方ないと思いつつ蚊を潰しました。これで眠れると思い横になったら、しばらくしてまたあの音が聞こえてきます。おいおいどういうこっちゃ。これでも四つ星だろう。でも仕方ない。また照明をつけて蚊を見つけて潰します。さあ寝るぞ!・・・また羽音が聞こえてきます。あああ!このホテルは見どころに近いところにあるので、なおかつ深夜に到着となるので、宿泊料が高くなるのを承知で日本でネット予約したのですが、散々です。こうしてイランでの記念すべき初夜は過ぎていくのでした。アッラーは偉大なのか??

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