負けず嫌いは育てられますか?20240811

「負けず嫌い」は育てられますか?

ローイングのトレーニング風景を観ていると、
必ず2種類の選手がいることが分かる。

船が前からきた時に、
すぐ避ける人と、
まったく避けない、逃げ切る人(迷惑にならない程度に)。

隣のレーンで船が抜いてきそうになった時に、
気にせず追い抜かれる人と、
絶対に抜かれまいとトレーニングメニューを変えてまで
スピードを出す人。

この2種類の人間がいて、
どちらかというと、譲らない系・抜かれたくない系の選手のほうが
速くなる印象。

自分の感覚では、
速くなる人ほど負けず嫌いで、
じゃんけんでさえも負けず嫌いで、

「レースのときだけ勝てばいい」
という発想ではなくて、
どんなときでも、どんな勝負でも
勝つことにこだわる。
その延長にレースがある感じ。

問題は、
その「負けず嫌い」を後天的に育てられるのか、
先天的、生来のもので、コーチとしてはなんともできないのか、
という問題。

ローイングは
「上手くなる、速くなる」という自己成長、スポーツとしての楽しさと、
勝つという競争する楽しさがどちらもあって、

どちらが重要なのか、
どちらも必要なのかは、
よくわからない。

柔道や、日本のお家芸と言われているようなスポーツは
勝つことの楽しさにこだわっている気がするし、

スケートボードや、クライミングなど新しいスポーツは
上手くなる、より速くなるという成長の楽しさにこだわっている気がする。

ローイングは、日本でもかなり伝統的なスポーツだから、
柔道のように勝つ楽しさを求めている風潮が強いけど、
実際、今の学生たちに響くのはどちらなのか。

自分は結構負けず嫌いで、
勝つ楽しさというより
負けたくないというめんどくさい系の人間なのだが、

「負け」て良い気持ちになる人はいないだろうから、
もっと学生を信じて
「負けないことの楽しさ」みたいなのを伝えられればよいのかな。

「勝ちたくないんか!」って聞くよりも、
「負けないって楽しいぞ」って話をしたほうが、
響くのでしょうか。

勝利欲求は無くとも、
敗北からの逃避欲求はあると思うから、
それを刺激して良い選手へと導いていければいいのかしら。

中々、
コーチングというのは奥が深く、
ちょっと気を抜けばどっぷりハマってしまう
恐ろしい競技だ。

こつこつと頑張ろうと思います。
コーチとして同じく悩むことが多い方の
ちょっとしたヒント、元気になれれば幸いです。

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