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同じペースなのにどんどん心拍数が上がっていく理由


スポーツ生理学学びたてのペーペーの中野が、
嘘かホントか、「それっぽい話」をするコーナー。

信じるか信じないかはあなた次第。
間違ってたらどうしよう、と不安もあり、
「間違いを書くぐらいなら書くな!」って話もありますが、
それで全く書かないのも消極的すぎるので、
自分のアウトプットがてら、学んだことを書きます。

ランニングにしろ、バイクにしろ、ローイングにしろ、
同じ負荷で、同じペースで運動しているはずなのに、
「なぜか後半にかけてどんどん心拍数だけが上がっていく」

という経験をした人は多いと思います。
その理由を解説するのが本blogの目的です。

理由を図にするとこんな感じです↓

・「心拍出量」というのは、心臓が送り出す血液の量です。
・「一回拍出量」というのは、心臓の一回の「ドクンッ!」で、送り出される血液の量になります。
・「心拍数」は皆さんご存じ、一分間に何回ドクドクするかの回数になります。

ここで、ピン!っときた方、天才です。

「心拍出量」 = 「一回拍出量」 X 「心拍数」

が成り立ちます。
この中で、人間が長時間運動すると、下の図のようになります。

上の図から、何が言いたいかというと、

同じ運動強度なので、求める酸素の量、栄養の量は同じなので、
身体が求める血液量(酸素・栄養入り)は同じで良いのですが、

運動時間が長くなると、一回拍出量が減っていくので、
それを補うために、心拍数が上がっていきます。

これが心拍数がどんどん上がっていく理由です。

心臓が一回で送り出せる血液の量が減っていくのです。だから回数で補う。(心拍数が上がるので、一回の量が減るという作用もあるので、実際は双方的に起こります)


じゃあなんで、一回の力が弱くなるの?
って話なんですが、その理由がこちらになります


他にもあるみたい

①脱水

汗をかいて、血が濃くなって、送ろうにも重くて送りにくくなります。
なので、拍出量が低下します。

②疲労

心臓も疲れて、ドクン!と血液を送り出す力が弱くなり、その結果、拍出量が低下します。

③体温が上昇

体温が上昇すると、血液そのものを冷やすために、皮膚近くへの血液量が増えます。そうなると、送り出した血液がすぐには戻ってこなくなる(寄り道する血液が多くなる)ので、たくさん送り出そうにも血液がないので、一回拍出量が低下します。

④そもそも心拍数が増加すると、送り出す準備が整う前にドクン!をしなければいけないので、フル充電前の心拍を刻むことになり、結果拍出量が低下します。(心拍が増える→1回拍出量が減る→心拍が増える)


という感じです。
どうも私たちの心臓は、送り出す強さよりも回数で血液を補おうとするみたいです。

いかがでしたでしょうか。
このような現象を「心拍ドリフト」と言うみたいです。

ぜひみなさんも、長時間運動する際は、
心拍ドリフトを体感してみてください。(無理はいかんぜよ)

以上になります!
こういう
「ウソかホントか中野のスポーツ生理学シリーズ」
を続けてほしい方いらっしゃいましたら、スキやシェア頂けると嬉しいです。

引き続き、学んでまいります。

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