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スポーツを止めるな

2020年、新型コロナウイルスの感染拡大で、多くのスポーツが止まった。

中学・高校・大学の学生スポーツでは、インターハイなどの大会が中止になり、目標を失い落ち込む学生アスリートの姿があった。中には、それらの大会が、結果を出し、あるいはスカウトをもらい、次のステージへ進むための大切な機会としていた学生が多くいた。

そのような学生の支援を目的として始まったプロジェクトが「スポーツを止めるな」だ。その方針は、学生のために利他の精神で動くこと。もう一つは、できることから迅速に動くこと。コロナ禍は、明らかな正解を待っている状況ではなかった。今良いと思ったことをまずはアクションすることを重視した。

まずは、ストップしている学生ラグビーにスカウトの機会をつくることから始めた。拡散力のあるtwitterを使い、学生自ら、編集したプレー映像を"#ラグビーを止めるな"のハッシュタグをつけて掲載する。その映像を我々やファン、ラグビー関係者が拡散し、その中でリクルーターの目に留まれば、直接連絡が届く、という仕組みだ。これは実際に、数十件の学生にチャンスが訪れた。我々としては、一人でも多くの学生にチャンスを!と思って動いたことが形になり、本当に良かったと思った。

ほどなく、この活動に多くのプロアスリートが賛同してくれて、ラグビーだけでなく様々な競技に広がった。バレーボール、バスケットボール、サッカー、野球、アメフト、ホッケー、チアリーディング、フェンシング・・など各々で学生スポーツをサポートする動きが始まった。

2021年になって、この学生とリクルーターのマッチングサポートを、もう少しセキュリティやプライバシーを確保した形で進めるべく、クローズドのコミュニティ「HANDS UP」を創出している。このシステム作りへは、クラウドファングで多くの方から支援いただいた。(https://readyfor.jp/projects/spo-tome2021/announcements/184176)

このシステムが出来あがれば、コロナが落ち着いた後も、リクルート機会の均等を作ることができると考えている。全国どこでスポーツをやっていても、海外でも、自らのプレー映像を掲載するとリクルーター達が見てくれる。自分で自分のキャリアを開拓できる可能性がある世界を作っていきたい。

日本では、終身雇用の時代は終わったとされ、副業や転職や定年後も働くのが当たり前になってきている。つまり、そのルートに乗れば安心という世界は終わりを迎えている。学生スポーツも同じで、この学校に行ったから安心ということではダメだ。先生のサポートに頼りすぎるのではなく、自らキャリアを切り拓いていくことが求められている。

そうしないと社会の中でスポーツが淘汰されてしまうという危機感も持っている。

本来スポーツは、人生における色々なものを育む大きな力を持っている。「スポーツを止めるな」の活動が、学生たちがスポーツを通して、主体性を培い、自らのキャリアを決断し、豊かな人生を歩むきっかけになれたらと願っている。

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