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「短編小説集」

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自作の短編小説集です。キャバクラ からファンダジーまで。作品によって幅があるので、気に入っていただけるものがあると嬉しいです。
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#オリジナル小説

短編 「百年の愛の行方」

雷雨の夜に恋が生まれる、かどうかはわからないけれど、身体の関係には発展しやすい。 ああ、またこんな情緒のない書き出しになってしまった、だから神聖なるnoteの雰囲気を汚すなとあれほど注意されたのに懲りない。 男女の話ばっかりしてるからよくAV男優に間違われる。存在がいやらしいとか言われるし、男性ホルモン過多なんでしょうって頭皮見て言われる。頭皮は遺伝だから関係ない。呪うなら僕の父と、父の父と、父の(〜300世代前〜)アマ○ラス様のせい(諸事情により伏字)。 僕の誕生時の

短編 「楽しいできごと」

吉祥寺にはラブホテルが全部で4ヶ所あって、そのすべてを利用したことがあるのは地元住民ならではだと思うので、今回はホテルの紹介をしたい。利用する機会がない?かどうかは誰にもわからないので後学のために。 僕は駅から徒歩7分のマンションにバイセクシャルの男性と2人暮らしをしていて、彼が在宅中は邪魔するのも悪いので、至急を要する場合には駅近のホテルを利用していた。だいだいにおいて男女の関係は至急を要するパターンかほとんどだ。恋愛に躊躇は無用。終電逃してハモニカ横丁で飲んでて酔ったら

『お姫様の口から「好き」だの「愛してる」だのといった言葉を引き出せれば50兆もらえると知って有頂天になった身の程知らずたちの物語』

全世界の男子に告ぐ!姫の心を射止めたものには、王宮の財産の、半分をやろう! と、義眼の大臣が広場に集まる1000人の男子に向かって大声で呼びかけた。直後、興奮の雄叫びが地鳴りとなって広場を埋めつくす。 王宮の財産は軽く見積もっても100兆はあり、その半分なら50兆だ。一生遊んで暮らせるどころか、高額紙幣をトイレットペーパーにしても5000万年はもつ。 ある者は感極まって泣き叫び、ある者は天高く飛び上がって着地に失敗して捻挫し、ある者は前後左右から押されて失神し、ある者は