小説を書きたい
小説を書きたい――
初めてそう思ったのはいくつの頃だっただろうか。たしか、16、7の頃だったと思う。私がその16、7の頃はケータイ小説の全盛期で、私も勿論ケータイ小説にハマっていた。
ただ、書こうとは思っていなかったかもしれない。読むのにハマっていたのは確かなことだったが、ケータイ小説は自分で書くものではなく読むものでしかなかった。
そんな私が、小説を書きたいと思ったきっかけはなんだったのだろうか。今となっては思い出せない。けれど、初めて書いた小説はケータイ小説だったと思う。青い天使というタイトルで、夜の街に住む高校生を描いたケータイ小説にありがちの設定のケータイ小説。
けれど、ケータイ小説では満足できなくなった私は、小説を書きたいと思った。そして初めて書いた小説はLetterというタイトルの小説だった。これは、教師の主人公が過去の自分から手紙を受け取るところから始まる小説だった。この小説は、カクヨムで手紙と改題して加筆修正して公開した。思い入れ深い作品だ。
私は決して、書くのが上手い人間ではないと思う。このエッセイもどきにしろ、なんにしろ、人並み以上にはきっとなれない人間だと思う。誰かが面白いと思ってもらえる作品を作れる人間には私はなれないのだろうと思っている。
けれど、時々夢見てしまう。自分の本があったらな、と。それが、たくさんの人のもとに届いて、誰かの糧になってくれるのならそれはとても嬉しいことだなと思う。
それがどんなに難しいことなのかはよくわかっている。私のような、ネットに数多いる物書きの一人が何かを成しえるのはとてもとても難しい。
けれど、小説を書きたい――
今、強烈にそう思っている。私の紡いだ物語が誰かの胸に刺さるなら、そんな物語が書けるなら、なんだか今のような気がする。酷くすさんだ心と閉塞感の中で私は今、何かを書ける気がする。
自分の可能性を信じてみるのもたまにはいいのかもしれない。私は、文章を紡ぐのは上手くないからと端から諦めてしまうのは簡単だ。まず書くこと。そして、読んで、なおして、また書いて。そうして、誰か一人でもいい、誰かの心に届いてくれたら私は嬉しい。
だから私は、今、小説を書きたい――
そう強く思っている。早速今日から、プロットを練ろうと思う。プロットを練っても無視してしまいがちな私だけれど、たまにはきちんとプロット通りに進んでみたい。
さあ、はじまりだ。
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