見出し画像

やめられない癖

私にはやめられない癖がある。自傷なのだろうか、自分の腹を殴るのが子どもの頃からやめられない。殴りながら自分の脳内の声と対話する。大体頭の中に聞こえてくる声は私を罵ってくるのだけれど、【それ】と対話することを私はやめられない。

私は殴りたいから殴るのではなく、対話したいから殴るのだ。罵られると分かっていても、【それ】が私に語り掛けてくる安心を求めてしまう。子どもの頃からいつもそうだった。

いけないことだと思っていたのか、子どもの頃から誰にも言ったことがなかった。というか、今初めて公にした気がする。病院でも言っていない。

やめられない癖は他にもある。これは自傷だ。31歳になった今もリストカットがやめられない。いや、正確に言うと衝動が抑えられないときがあるだけで、いつもはしていないのだけれど。衝動を抑えるために手首を引っかいたりするから、傷らしきものはいつもうっすらある。

何故私がそういうことをするのか――。

生きていることを確かめたいからなのかもしれない。私は生きている感覚が希薄になるときがある。時々自分がここに、実は居ないんじゃないかという感覚に陥ってしまう。

そんなとき腹を殴って対話したり、自分の血を見るとそうか、私はまだ生きているんだなと思うのだ。それがいいことだろうが悪いことだろうが、私はきっとやめられない。それにすがって生きているから。

死にたいと思うときはある。正直、今も死にたい。そんなときはふらっと赤信号に飛び出しそうになる。高いところに上って下をのぞき込んでそのまま落ちてしまおうかと考える。

自分が死んだって何にもない。無価値な人間だから。

それでも私は生きている。どうしようもなくなんとなく、どうしようもなく生にすがりながら、どうしても生きている。

よろしければサポートお願いします。頂いたサポートは治療費や創作活動に使用させていただきます。