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一隅を照らすための旅のはじまり

廣瀬 隆彦

旅に出る

月日は百代の過客(はくたいのかかく)にして、行きかふ年もまた旅人なり。
松尾芭蕉 "奥の細道" より

幾度となく日本各地を旅し、その半生を旅と歌に捧げた松尾芭蕉は、旅をしたいという想いを抑えられず、こんな書き出しで後世有名となる「奥の細道」の軌跡を始めています。

やりたいことがあって、その衝動が抑えられない気持ち。そんなことを感じます。僕のインサイトはよっぽど気に入っているのか、自分の頭をよく過るフレーズの一つです。

課題が明確となったとき

2018年から大学院の本科に進み、学びを進める中で常に問われ続けていた

「卒業後どんな志を持ち、事を成すのか。」

という問い。

大学院に入学した際は何かふわっとしたもの。「地域社会に対して何かを貢献したい」、そんな想いしかなく、気づけば1年が経過。従来のエンターテイメント経験にMBAを掛け合わすことができれば、地域社会に貢献するための何かが生まれるだろう」という目算が甘かったことに気付く。その一方で、危機意識だけは少しずつ膨らむ。それは志が立たない自分に対してではなく、人口減、地域社会の希薄化、賃金格差、環境問題、地方においての情報格差や教育格差、後継者問題、グローバルのデジタライゼーションに淘汰されるであろう未来...外部環境に自社環境、インプット、アウトプット全てにおいて、日本の地域社会は転換期に来ている。その中でも、日本の企業数の99%と雇用の3割を占める中小企業にとって、今回の厄災は受難でしかない。既に影響を受けている業種や分野、これから影響を受けるであろう課題が山積されている。

志が立つ

街角の子供を見る度に、そして自分の子供の夢を聞く度に、彼らが希望を持ち夢を現実のものとして描くことができる未来はやってくるのだろうか、そんな焦りを日々感じていました。ロストジェネレーションと呼ばれる40歳前後の世代に私も入っていますが、私は運良く両親の献身あって高等教育を受けることができ、衣食住に困ることなく、こうして生きることができています。では彼らにはそんな未来が届けられるのか。素晴らしい未来を彼らに届けることができるのか。

もし1ミリでも懸念があるとすれば、私たちは立ち上がるべきではないか。一歩を踏み出すべきではないか。2019年の9月、自身の原体験と共に、何かを成し遂げるための志が立った、その瞬間でした。

「一隅を照らす」

その後、自分にはどんな選択肢があるのかを熟考に入りました。入社時はユニコーンと言われ、今や日本の公器の一つと言っても過言ではない企業(※注)の中で、自分に対して与えられた期待役割をこなし、同社のミッションを通じ日本並びに世界に対して広く良い世界を創るか。それとも、自ら立ち、小さな影響範囲ではあるが、地域社会に貢献するか。貢献する面を取るのか、深度を取るのか。

そのような時に出会った言葉、それが伝教大師こと最澄法師のことば。

「一隅を照らす、これ即ち国宝なり」

私のような小さな存在であっても、片隅を照らし、良くすることが、国家全体を良くする。この言葉と出会って、志は固まりました。

はじまり

2020年3月26日大安吉日、福岡法務局で受理頂き、同日設立となりました。企業名はCX Value Lab株式会社です。他の選択肢もある中で、起業をした理由は一つ。覚悟です。法人として地域社会に貢献し、現在、そして未来に起きる周辺環境の変化、その変化をレバレッジとして活用し、新たなサービスや事業を "真の顧客目線"で創造することができる。持続的にイノベーションが起きる企業を創出したい、そう考えています。

仲間からたくさんの祝福や激励を頂いていますが、ようやくスタート地点に立つことができました。この旅の行く先はどうなるのか。そして自分は「日々旅をして旅を住処」とできるのか。 感謝とワクワクを忘れず、一歩ずつ集中して進んでいきたいと思います。

2020年4月11日 
CX Value Lab株式会社 廣瀬隆彦

*注)2020年4月11日現在、某IT企業のマネージャーとして勤務し、4月末に退職予定


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