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『スマホ脳』要約/縄文人の脳が、空腹・肉食獣・孤立を恐れ続けている

佐藤大朗(ひろお)です。会社を休んで三国志の勉強をしてます。
書店で猛烈に宣伝されている、新潮新書『スマホ脳』読みました。

一文で要約すると、スマホ脳とは、
「縄文人としての脳が、空腹・肉食獣・孤立を恐れて、つねに集中力を削がれ続けている」という、不幸な状態を指しています。

本の中身のぼくなりの要約

ぼくたちの脳は、縄文人と同じ作りをしています。縄文人の脳を使い回して、現代のテクノロジーと向き合っています。
技術の変化に、肉体の変化が追いついていないんですね。

これは、脳だけじゃなくて、飲食も同じです。
有名なところでは、「高カロリーは善きもの」と本能に擦り込まれているので、糖質や脂を「おいしい」と感じるのと同じです。生活習慣病になっても、体は高カロリーを欲します。太っても太っても。

では、スマホは、縄文人の脳に、どのようにアクセスしてくるか。

頻繁になるアラームや通知、めまぐるしい画面の変化、画面のなかに綿密に貼り込まれたリンクや広告画像は、
「新しいところを探索すれば、食べ物が見つかるのでは?」
という、期待感を刺激します。テクノロジーや広告の企業は、それを見抜いて、縄文人の脳に攻め込んできます(だから、そういった企業の重役は、開発したことを後悔し、自分の子供にはスマホを制限しているそうです)。

ふと、隣の草むらを覗きこんだら、食べものがあるかも??あの木に登ったら、実がなっているかも??
こうやって、次から次へと探索することで、人類の祖先は生き残ってきましたから、どんどん探索して刺激を欲します。
スマホでは、ある記事を読み始めた途端、つぎの記事が読みたくなる。つぎの記事にいくと、とたんに興味を失い、さらに次へ!!

アラームや通知は、「なにか自分にとって、よいもの、有益なもの、快感なものが届いたかも知れない!」というワクワクです。だから、スマホが振動したら、通知の中身を、確認せずには、いられない。

頻繁な通知は、草むらがガサガサと鳴ったに等しく、肉食獣や毒蛇が、こちらに飛びかかろうと接近しているアラートでもあります。
変化の兆候を無視して、肉食獣に食われて死んだら、アホです。多少びびり過ぎであっても、通知をチラチラと見ているほうが生き残れます。

縄文人は、100人~150人のコミュニティで暮らしており、だいたい5人に1人は、集団内の人間に殺されていたようです。出土した人骨は、左側の頭骨が砕けている(右利きの人に殴られた)ものが多いと。
だから、
仲間のなかの悪い評判には、耳を立てなければならない。悪人を警戒し、生き残るためにも。自分が孤立しそうならば、いち早く対処しなければならない。だって、殺されてしまうから。
というわけで、SNSでの反応が気になるし、ネットでは悪いニュースばかり気になる。フェイク・ニュースであっても、気になるものは気になる。コミュニティのなかで「真実」として取り扱われるなら、知っておいて損はないですよねと。
芸能人の不倫に夢中になるのも、同じ理由でしょう。

そういうわけで、縄文人の脳を持っているわれわれは、つねに、
「もっと良い食べ物と出会えるかも?」
「身の危険が迫っているのではないか?」
「集団のなかで孤立していていないか?」
という、生命に関わる張り詰めた状態を、スマホによって作られ、起きている時間の大半を…、というか、睡眠時間を削り、また睡眠の質を損ねてまで、ピリピリして、何事にも集中できなくなっているのだ、と。

ぼくはもう成人ですし、子供がいないので斜め読みしましたが、
子供に対するスマホの影響は、「生活の幸福度の低下」とか「集中力の拡散」どころの騒ぎではない、重大な警告を含んでましたので、気になる方はは、見てみてくださーい(子供の話は、要約する気なし)。

関連することは、前にも自分で書いてました。


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