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ベーシック・インカムのある生活を先取りする

佐藤ひろおです。会社を休んで三国志の研究をしています。

ベーシック・インカムが、各所で話題にされます。
国家が個人に一律でお金を配る制度。
個人は生活が安定し、「食うためだけ」のイヤな労働から解放される。行政は、お金の配分に関するルールがシンプルになるから、仕事が減る。生活に困らないから働かなくなるかと思いきや、好きなことに没頭し、価値を生む事業や発明が生まれる(らしい)

金融政策として物価を押し上げ、景気を良くするとされています。本題ではないので、今回はその話はしません。

実現されたら、いくらもらえるか

ベーシック・インカムのアイディアは、聞きかじりますよね。
ですが、実際にいくらもらえるのか、という試算は、なかなか書いていない。なぜなら、制度を(机の上だけでも)成り立たせるには、国の収入・支出を計算する必要があるから。
 ① 収入:導入後の税収の変化(企業や個人からの所得税の増減)
 ② 支出:既存の社会保障費からの差引

国民の人数に、支給額を掛け算したら終わり!ではない。試算し前提とすべい変数が多いから、簡単に「いくら、ばらまきます」と宣言できないんですね。※なぜか宣言している政治家(候補)は多いですが笑

何冊か読んでみて、収束するのは、
 ① 年収400万円以上のひとは、現状よりも税金の負担増
 ② 国民1人あたり、月間8万円
あたりで、制度のバランスが取れるのではないか、とのこと。

年収400万円以上は負担増

働きたい人には、どんどん働いてもらう。
国民全体にバラ撒きをするための元手は、働きたい人が手厚く負担してくださいね、という理屈になります。

国の支出を増やすのだから、反対側では、収入を増やさないといけませんからね。「紙幣をじゃんじゃん刷れ!」というのは、別の議論です。

現状、たとえば、「所得1800万円以上のひとは、稼ぐのが得意だから、最高の税率を負担して下さい」という制度になっています。「稼ぐほど、税率が上がる」と嘆くエリート(?)は多いです。労働意欲を削がれる、というクレームも聞きます。
しかし、制度設計としては、ノブレス・オブリージュ(高貴さによる義務)を負わせています。※良し悪しは別です

ベーシック・インカムを導入すると、「稼ぐのが得意だから、高い税率を負担して下さいね」というボーダーラインが下がってきます。現状との比較で語るなら、年収400万円を超えるのは、『働くのが得意さん』だから、より税金を負担して下さいね、ということになります。

大事なところなので、もうちょっと丁寧に言葉を使うと、
制度が導入され人生の選択肢が増えた社会において、年収400万円以上を稼ぐのは、マネタイズ(現金化)が得意なひと、現金を媒介として活動する性行・趣味嗜好の持ち主、という位置づけでしょうか。※私見です
ひとが活動するとき、現金を介在させなくても、やりたいことはやれる。しかし活動の種類によっては、現金を介在させたほうが、より高いレベルでやりたいことが実現できる場合がある。そういうひと(現金の交差点になるひと)は、税金をもっと負担して下さいね、という役割分担です。

毎月8万円で生活はどうなる?

ベーシック・インカムを、個人の収入だけに着目し、「タダでお金がもらえる」「全自動・生活保護」と思っているひとは、サボりたい、という一心で支持しているように見えます。
しかし、制度が実現しても、そうはならない。
 ・豪遊できるほどはもらえない(制度設計として無理)
 ・ひとは、活動・労働なしだと不幸になる

国民全員が「毎日、軽井沢の別荘でテニス三昧」とはならない。だれかがお金を負担しなければならないですから。
月8万円って、あると嬉しいですが、それだけでは生活ができない。生活の足場が固まるから、辞めるべき会社から離脱でき、自己分析する余裕が生まれ、職探しを落ち着いてできる、という程度のお金だと思います。

親のすねかじりのニートが精神的にキツかったり、定年退職後に老け込むサラリーマンがいるように、活動ゼロ・社会との接点ゼロ、というのは、不自然な状態です。手を動かして、だれかの役に立っているほうが幸福度が高い、というようにできてます。ホモサピエンス(人間)は。

いま意欲や活力がなく、「ベーシック・インカムがあったら、死ぬまで寝て暮らしたい」というひとも、望まざるストレスまみれの生活の反動で、気力ゼロ・活動ゼロになっているだけかも知れません。

ベーシック・インカムは実現できる

ぼくは政治家や経済学者じゃないので、国全体のベーシック・インカム制度についてはノーコメントですが、個人レベルでは実現可能です。もしかしたら、もう実現しているかも知れません。
「お金を1円ももらわなくても、率先してやりたいこと」から収入があれば、ベーシックインカムと同じです。※敢えての詭弁

月8万円(年96万円)に到達しているなら、世界的にまだ実験レベルの制度が導入されたのと同じ生活ができます。

「趣味や好きなことを仕事にすべきか??」
という論争は、昭和時代からくり返されています。
反対派は、生計を支えるメインの収入に据えたときのリスクについて、語っている場合が多い。困窮すると強制的にやらされ、嫌いになります。

だったら、生活を支えないサブの収入に、趣味や好きなことを当てはめれば、良いと思います。いいとこ取りです。
趣味や好きなことが収入になるのは、嬉しいに決まってますから。苦役や労働とは思ってないので、原価ゼロです。1円ももらわなくても、やっていたことなので。

苦役・労働と思わない楽しいことで、年間100万円の収入をめざす。そうすれば、ベーシック・インカムの論者が唱えている、お金に忙殺されない生き方ができる。意外と簡単でしたね。天下国家を語るから、ワケが分からなくなるのであって、個人レベルでは遠い目標ではありません。

ほとんどリスクを感じない、ヒヤヒヤしない資産運用も、ベーシック・インカムと似たところがあります。※敢えての詭弁その2

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