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灼熱の攻防 2024年 WBS 第4戦

梅雨明け後の強烈な太陽は、まだ慣れない体にはキツい。
そんな直近の週末は、2週間前のJBTOP50でピーカン夏日、1週間前のBMCで雨天曇天、そして7月21日のWBSでまた夏日に戻るというサイクルだった。
体にはキビしいが、釣りとしては得意なシーズンではある。
昨年の同戦は優勝できたように、水温が30度近くになった時の魚の行動はある程度読める。特に流れが発生しているスポットではなおさら。

オブ・ザ・イヤー

そして残り2戦ということもあって、年間レースも少し意識していた。しかし今年のレギュレーションではAOYポイント配点が特殊で、優勝がめっちゃ偉い事になっている。

1位 40p
2位 30p
3位 20p
4位 15p
5位 10p
6-7位 8p
8-9位 6p
10位 4p
11-15位 3p
16以下 2p
ゼロ申告 1p 

1回の優勝(40p)は、2回の3位(20p)と同じ、4回の5位(10p)と同じ。
2回の優勝者に優勝なしで追いつくのはなかなか厳しいということである。

試合前の時点で私は48p、対して先頭を走るの優勝2回の大石プロは81pでその差は33pとなっており、やはりどこかで自身の優勝を入れないと逆転できない状況にあった。そのタイミングはこの第4戦か、はたまた最終戦か?

しかし優勝は計画できないのだ。
トーナメントに出るようになってから「あ、これは今回勝てるわ」なんて手ごたえを持ったプラは一度もない。
優勝とは、試合当日のフローチャートにおいて、正解の分岐を紡いでいった先にあるモノだと思っている。
「明日はこの釣りで心中する」なんて豪語した時はたいてい悲しい結果になっているし、フワフワとしたフィッシングスタイルの方が、状況がコロコロ変わる霞ヶ浦にはマッチしている。
ただし、今回ばかりは最低の目標を設定しておこう。これ以上離されるわけにはいかないので、最低3㎏で5位という予想というか目標を設定することにした。

頼れる愛艇CHARGER198ELITE

懸念

前日プラはざっくりチェック。
時期的にカレントが発生するインレット/アウトレットを狙うのが定石となるが、昨年勝った桜川はエリア制限となり半分以上が使えない。さらに前日に園部川も規制で禁止エリアとなる。残るインレットは恋瀬川と花室川、小野川のみ。
恋瀬川は、流量は見込めるが実際に釣りができる水深のエリアが少ないのでパス。
花室川は魚が目視できたら行こうと考えていたが、まったく見えない(自分には)のでこれまたパス。去年は小魚を追って川の真ん中でボイルしていたがそれも見られず。
アウトレットとして北利根川も候補となるが、前日プラの時点では潮止水門を開けた影響で、ルアーが流されるほどのカレントが発生していた。北利根川は微弱な流れは良いが、水が巻くような場合は極端に釣る場所が少なくなってしまう。場所が絞れるといえばそうなんだが。

ということで、本番は手を付けていない小野川をチョイス。
小野川が好き?というか自信がある理由として、流れによって形成された地形が残っていることである。川が蛇行してたり、サンドバーが形成されていたりメリハリの利いた地形であることが川バスの行動を読む時にはが大事だからね。

サマーバトル開始

フライトは真ん中。土浦から小野川河口まで全開15分、河口から中流域まで40分弱のスロー移動。移動時間がかかることが小野川チョイスのリスクである。大きなエリア変更は出来ない。

到着し釣りを始めるころには5艇くらいの選手を確認した。比較的自由に動けるキャパシティではある。

杭の後ろに水が巻く程度のカレントはある。悪くない。
ただし、前日夜の降雨で濁った水とそうでない水の対比が強い。
濁りはかなり意識してエリア選定していこう。

まずは水通しの良さそうな岸際を探るが反応なし。エビ系の生命感も全くない。綺麗な水のエリアでもバス自体は見えない。
08:00ほどまで流して、これはダメだと判断する。これが最初の分岐だった。

その後は水深1.5mをキーに、矢板の外側、杭、橋脚、水門沖のディッチに目星をつける。昨年と同様に「はぐれてしまったエビ」を模し、 DOLIVESHOT4"をチョイス。
バスは上流に頭を向けサスペンドしている想定である。
対象物の上流側に投げ、流れに乗せてスライドさせるのでバスと交差する様に着水距離を意識する。この時サミングさせて初期姿勢を整えることを心掛ける。

上流に向けて流し、連なる杭にキャストすると程よい視認性のラインZALT’s INDICATORが弾ける。
そして今回のパートナーSDGMarineの吉野君のナイスランディング。
1本目は1,100g程のプロポーションの良いバスだった。
良いね。同じことを続けましょう。

ナイスガイ吉野

数匹のノンキーパーを交えて釣り上がりながら、限界の上流に達すると水質が良くない。やはり昨晩の降雨が影響しているのか。
その中でも、深みにかかるウッドカバーにBLITZ SSRをコンタクトさせると2本目となる500g程のバスがアタックしてくる。これは DOLIVESHOT4"を投げた後での出来事なので、適材適所とはまさにコレ。
このルアーはシリーズで唯一のスクエアリップであり、カバー回避能力も良く、濁りの状況でも強くアピールする。


ウッドカバーから引きずり出した2匹目

返す刀で下り一縷の望みを持って岸際をチェックしながら移動。
今となってはこの立ち回りは必要なかったと思う。リソースを20%くらいロスしてしまった気がする。結果論だけど。

1匹目の付近に戻って、同様に杭を狙う。
深呼吸して、1投で決める覚悟で DOLIVESHOT4"をアプローチする。
スライドの途中でラインが止まるバイトは3匹目となる1,000gのナイスサイズであった。
しかし帰着時間を考えると、小野川から脱出しないとマズい時間である。

急いで帰着し、第4戦は合計2,550g/5位と最低目標での決着となった。


検量とMCの関口さん


写真:JINさん

具体的な反省

試合当日に肌で感じて目星をつけた事は、もう少しこだわった方が良かった。沖のストラクチャーで反応が良かったということは、回遊性のあるバスを相手にしているはずだった。岸際を流しながら移動するヒマがあったら、バスが留まりそうな沖でひたすら待つ釣りを展開しても良かったかもしれない。

今の霞ケ浦で競争に勝つ方法は、リアルタイムで期待値が最も高いことをするに尽きる。前日の他のアングラーの釣果も自分の釣果さえも疑うべきだ。

年間レースの行方

少しビハインドを詰めての4戦終了時のスタンディング(非公式)

1 大石智洋  84
2 大藪厳太郎 63
3 齋藤寛之  58
4 今井 新  49
5 ハシタク  48

仮に最終戦で大石プロがゼロ申告(1p)した場合、縮まるポイントの最大は39pなので、挑戦権は5位の橋本プロまで持っている。
私のビハインドは27p(26pでタイだが、それでは重量負け)なので、
・私が優勝(40p)なら大石プロ5位(10p)以下
・私が2位(30p)なら大石プロ11位(3p)以下、かつ大藪プロが1位でない
という、なかなか狭き門となっている。
だってこの人たちマジで強えぇから。

取り乱しました。

ということで、最終戦は優勝するしかないんだが、前もって「大振りしてきます」とか言わないよ。
最終戦は9月14日と15日の2DAY。
それぞれの日の正解ルートを辿れる様に、
情報に惑わされず、
その日に感じた事を元に、
無駄を省いた立ち回りで、
粛々と任務を遂行してまいります。
(前線への救援物資はいつでもお待ちしております)

おわり

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