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バイオ燃料の活用が・・・JR東海

ちょうど先日まで読んでいた「脱炭素で変わる世界経済 ゼロカーボノミクス」においては、以下のような記述がある。日本は、微細藻類の分野で世界トップレベルにある上、発酵技術の蓄積というアドバンテージがある、ということで、ユーグレナという企業を健康食品という側面で見ていたが、脱炭素を握る企業であることが見えてくる。

日本ではバイオ燃料を効率的に生成することができる微細藻類(植物性プランクトンなど100分の1mm以下の小さな植物)の開発が進んでおり、ユーグレナは2018年から油脂の生成の多い微細藻類の変異体株を量産する技術を開発し、実証プラントでバイオディーゼルを生産。試験的にセブンーイレブン・ジャパンのペットボトル回収者の燃料として使われており、2025年には25万klの商用プラントを建設する計画だ。

そのような驚きを得ながら、ちょうど今週、日経新聞を読んでいたら、「JR東海、バイオ燃料を在来線に利用 ユーグレナと検証」という記事を見て、ついに鉄道においてもバイオ燃料での活用が始まることに、何か嬉しさのおうなものを感じた。

JR東海は19日、在来線の車両に次世代バイオディーゼル燃料を使う試験を1月下旬から始めると発表した。ミドリムシ関連製品を開発するユーグレナと取り組む。JR東海によると、鉄道に次世代バイオディーゼル燃料を使う取り組みは国内で初めて。理論上、軽油をすべて切り替えることも可能だとしている。
使用済みの食用油やミドリムシの油脂を使った燃料で走行を検証する
19日に記者会見した金子慎社長は「今回の燃料は軽油とほぼ同じ特徴を持つ。供給能力や価格も踏まえ、有効性を確かめたい」と話した。燃料は使用済みの食用油やミドリムシを主成分とする「ユーグレナ油脂」を原料とした製品だ。
JR東海は単体の二酸化炭素(CO2)排出量のうち、約5%がディーゼルエンジンを使う車両由来だ。今回導入する次世代バイオディーゼル燃料は分子の構造が軽油と同じで、エンジンなどに大きな改変をせずに使うことが可能だ。従来のバイオ燃料は、軽油と異なる分子構造で、エンジントラブルを防ぐため、混合率を5%までとする規定があった。
2022年7月から運転する新型特急車両HC85系を使い、1月下旬からエンジン単体の試験を、2月からは走行試験を実施する。

そもそもバイオ燃料とは、再生可能な生物由来の有機性資源(バイオマス)を原料に、発酵、搾油、熱分解などによって作られた燃料を指す。バイオ燃料は燃焼の際には二酸化炭素を排出するものの、原料作物の成長過程において二酸化炭素を吸収しているために、その排出量はゼロとカウントされる(カーボンニュートラル)。
バイオ燃料には、大きく分けて、サトウキビ、トウモロコシ、油やしなどを原料とする栽培作物系と、生ゴミ、下水汚泥、家畜糞尿などを原料とする廃棄物系のものがある。このうち、栽培作物系バイオ燃料としては、サトウキビ、トウモロコシ、キャッサバ(熱帯~亜熱帯地域で栽培されている芋の一種)などを原料に、糖を発酵して作るバイオエタノールと、油やし、菜種など果実や種子に油を含む作物(油糧作物)から搾油・抽出した原料油を加工して作るバイオディーゼル(BDF)が実用化されている。

ただいつも疑問だったのは、サトウキビやトウモロコシを作るために大切な森林が伐採されてしまっては、CO2を吸収する母体が減ってしまうなと思ってた。それがユーグレナのような微細藻類が油脂を作ってくれるのであれば、大切な森林伐採がされることもない。

是非、様々なところでこのバイオ燃料が使われ、日本がバイオ燃料において世界を引っ張っていってもらいたい。脱炭素というとEV、再生エネルギーが大きく、そこは中国が先手を行っているようであるが、このようなバイオ燃料ではまだまだ日本も活躍ができそうな領域である。

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