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VPP(仮想発電所)の活用

家に届く朝日新聞は、正直あまり読んでいなかったのだが(いつも出社時に読む日経新聞がメイン)、11/17の朝刊には「目標1.5度 暮らしは?』というような見出しと、3面と7面には環境についての記事が大きく取りだたされていた。ちょうど7面にはエネルギーの「地産地消」について書かれており、「仮想発電所」(VPP=Virtual Power Plant)についてのことが書かれていた。

そういえば以前に首都圏の電気は首都圏外から来ているということを聞いたことがある。ということで、ググって調べていると、そのようなことが書かれている記事があった。

東京電力の持っている発電所を詳しく調べると、青森(東通原発―建設中)、福島(第一原発、第二原発)、新潟(柏崎刈羽原発)、茨城(鹿島火力、常陸那珂火力)、千葉(千葉、五井、姉ヶ崎、袖ヶ浦、富津の5火力)、東京(大井火力、品川火力、八丈島地熱)、神奈川(横須賀火力)となっています。そのほか風力発電や太陽光発電所も持っています。
原子力発電所はすべて新潟、福島、青森と、東北電力の管内にあります。自社の管内には原発はないのです。

という記事を発見しながら、なるほど、やはり現状においてはエネルギーの地産地消はできていない状態なのかと改めて思いつつ、学生時代の授業で聞いたことのある電力は電線でかなりのエネルギー量が熱になって消えているとうことを聞いて驚いていたことを思い出した。変電所、送配電線の抵抗によって一部の電気エネルギーは熱や振動として失われる。これを送電ロス、あるいは送電力損失といい、電圧が小さいほど、送るまでの距離が長いほど電力損失が大きくなる。その間に発生する送電ロスは、国内電力消費9850億kwhの約3.4%(モータ・トランスの損失)、すなわち火力発電所7基分の電力に及ぶようだ。(送電ロスとは

それであれば離れた発電所で発電されたエネルギーが住宅やオフィス、工場に一方向で流れていくという従来の形ではなく、太陽光発電や蓄電池、電気自動車(EV)や住宅設備などをまとめて管理し、地域の発電・蓄電・需要を「まるで一つの発電所のように」コントロールする仕組みであるVPPを使うことは、従来の発電所で発電されたエネルギーを運ぶ際に生じる送電ロスをなくすのみではなく、地域で発電されたエネルギーの「つくる」「ためる」「つかう」を調整することで、家庭や企業、工場、店舗、自治体施設などが電気を通じてお互いを支えあうことができる。(デンソー社のホームページより)。

朝日新聞の記事にも以下のような記事があった。

EVは「動く蓄電池」。電気の需給の調整役にもなるという。地域の電気の使用量が少ない時間帯に充電し、ピークに近づくと充電をやめたり電気を戻したりする。こうした調整役がVPPの一部として機能している。

自然エネルギーである太陽光発電や風力発電などの再生エネルギーの弱点は発電量の変動であり(昼は太陽が出ているので発電量が多い、風が強い日は発電量が多いなど)、その調整には地元でのエネルギーの地消が必要となるようであり、そのためにもVPPは必要なようだ。

これまでの経済は移動することで発展してきた感がある。このような記事を読むに連れ、移動することではなく、地域で如何に発展するかという都市そのもののあり方を問われている気がする。これまでの首都圏一極集中ということを見直し、図らずも地域の中で発展していくようなあり方を考えていく時なのかもしれない、とふと思った。1.5度の目標を目指すのであれば。

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