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村上隆氏のもののけ京都展を見てきました

村上隆さんのYoutubeを見て、とてつもない規模の展示が京都であると知り春からずっと見たいと思っていた本展示を見ることができました。 
作品は170点。点数だけ聞くと少ないようですが一つの作品がとてつもなく大きいものが多く、大変に見応えがありました。

村上さんのYoutubeでは、倉庫の様な場所で多くのスタッフが日夜作品作りに奔走する様子が紹介されていました。
村上さん自身がこの展覧会の為に数億の借金をして支払いに窮窮といるしているという笑えない所まで吐露されており、このとてつもない展覧会は狂気すら感じ、絶対に見たいと思っていました。

会期が9月1日までのため、ギリギリですが間に合いました。
結論、見にきて本当に良かったです。超満足!(間に合えば行ったほうが良いです!)
本展は前日でもチケットが取れ、また展示も鮨詰めという程でもなくゆっくり鑑賞することができました。

ウエルカムの演出 エントランス
エントランスからこの規模の大きさが伺えるホール一面のMurakami Flowerと運慶・快慶のような像に迎えられます。

ホール全景
ホール

また展示室に向かう通路から中庭のゴールドの巨像が見えてきます。

中庭


金のフラワー像はルイ・ヴィトンのトランクに乗っています。ルイ・ヴィトンと村上隆のコラボは2003年頃から行われていて、代表的なモノグラムにカラフルなキャラクターがのった様なデザインでかなり話題になっていた事を記憶しています。(もう20年前!)



作品と同じかそれ以上に気になってしまった作品キャプション

本展では作品に添えられた村上隆さん本人による作品解説ボードがとても可愛く印象的だったのですが、文字の色、これ思い返すとルイ・ヴィトンのマルチカラーモノグラムを連想させました。 村上隆のイメージにどこか”ハイブランド”のイメージが付きまとうのは長い間に渡るルイ・ヴィトンとのコラボ関係から来るものかもと思いました。

作品紹介が可愛い。アクリル絵の具で描かれていて全部絵画。艶がすごいある。
断面がキャンバスでしっかりと絵画であるとわかる様になっている。


手書きである


kawaii

展示作品
展示作品は振り返ると日本画の傑作、洛中洛外屏風図などのオマージュから始まり、村上隆が作り出した代表的なキャラクターが次々に登場してきました。最初に登場したDOBはかなりミッキーマウスに似ています。これは意識的にミッキーに似せたのでしょうか。(多分?)

DOB


ツヤツヤのオブジェ

アンディウオーホールなどもマリリンモンローやキャンベルスープなど著名な人物・商品を絵画に取り込み、意識的にその刷り込まれたイメージをうまく活用していますが(と感じますが)、DOBもそうなのかな。 

またセーラームーンの様なアニメキャラクターの(様な)作品も登場しました。これらアニメから出た様なキャラは村上隆本人のイメージを醸成してきましたが、当時日本のアニメオタクからとても嫌われてしまったそうです。(これは知らなかったですがご本人がyoutubeで話されています。) 

アニメオマージュ作品

アート好きからは色物扱いされ、アニメ好きからも嫌われたという過去があったのをYoutubeを見て知りました。 
自分は長く興味がなかった村上隆の作品が最近になって少しばかり理解できる様になりました。 というのは自分自身がアートのタッチよりもその作品が放つエネルギーから何を感じるのか、という観点からアートをみる様になったためです。

ともかくも実は日本画を学び現代美術家としてデビューした村上氏は様々な層から嫌われまくるも独自のワールドを作りあげました。と同時にこの展覧会では日本のアートのの歴史、系譜がしっかりと織り込まれていて、その作品自体を知っているか否かでより展示の面白さが理解できると思われました。(実はあまり知らん方なのでもっと知りたい。)

不思議な被りものをかぶってふざけている様に見える村上氏が実は日本画を深く学び、造詣があり(東京芸術大学日本画学科を卒業している。)
運慶快慶、洛中洛外図、風神雷神図、琳派、アニメに至るまで様々な時代の日本発アートを独自に解釈し、元作品を知っているか否かに関わらず我ら庶民を楽しませる大娯楽展として本展は展開されているのでした。 

洛中洛外図屏風いきなりの大作。ちゃんと見たら1時間くらいかかりそう左右と床から迫る作品
洛中洛外図屏風の床
風神雷神
鏡レベルで反射する自分(hiro )、そして金・銀箔の豪華さよ
現代人に一番受け入れられやすい人物に昇華された雷神


多分江戸や室町など当時その時代の人と同じ感覚でそれらのアートを現代人が楽しめる様、村上氏はあえてKawaiiキャラとしてミッキーやセーラームーン、あるいは漫画ぽい感じのキャラを主人公にしているのではないでしょうかね。



ディテール可愛い
ディテール

展示の感想に戻りますが、一つ一つの作品が実際艶がありまた煌めいておりこれがまたブランド的で豪華で、エンタメ要素に満ちていました。 本展を見て最も感動したのは、金箔や銀箔を絢爛豪華に纏っているだけではなく、ギリギリの所まで近づいてみると多くの作品に艶または艶消し、エンボス加工のような立体感がある背景になっていて非常に質の高い工芸作品の様に見えました。

本展の代表作。
鮮血を捧げよという作品
艶と立体感、マーブルの表現が信じがたい作品。動画によると最高技術の結晶であるとのこと

 

 https://www.youtube.com/watch?v=bfrw_JzT_Lg

観る者が全体から微細な目を向ける、その導線を映画の様に構成しているらしい。
詳しくは動画で解説あり


v=I8lBaOxBwNYhttps://www.youtube.com/watch?v=I8lBaOxBwNY

膨大な人数のスタッフがこれらの作品を仕上げていると思うと再び、村上軍団の狂気と情熱を感じてしまうのでした。上記のYoutubeではご本人がじっくりと解説されています。
私が前職で札幌の建築会社で働いていた時、村上氏の会社カイカイキキが同じビルに入っていました。20代中心の若い方が沢山働いていてチラッと覗くと大学の部室の様なごちゃっとした感じで不思議な雰囲気でした。その後しばらくしてその時事務所は閉鎖したのですが会社というよりは大学生のたまり場みたいな感じであったのを記憶しています。


イメージボードの指示資料も展示。こうゆうの面白いですね
指示はトレース用紙に書いて直した形跡を残してある。

スタッフの密着動画もみつけました。村上さんの文字通りブレイン、データ部のリーダー鈴木さん頼もしい。 建築で言えば設計部ですね。


後半パートのクローンX
輝き
何度も言いますがアクリルの手描き作品である。
こちらもデータのプリントではない。完全なる手描き作品とのこと。


京都コーナー
最後まで渾身の作品が続く
金閣寺
ディテール
マーブル模様の様な柄が多様されている



ミュージアムショップ導線

ミュージアムグッズコーナーも村上隆的でとても購買意欲をそそられてしまいました。コーナー始めに村上隆の額装のアート作品、これはサイン入りのプリント作品で10万円前後から彫刻作品なども展示販売されていました。会場の中で商談がいくつか行われていてご年配のご夫婦などが品定めされていました。

展示の後だと何かお安く見えてくる不思議
彫刻も販売

その通路を抜けると、クッキーやTシャツ、キーホルダーなど比較的低価格の商品コーナーになっており、作品→アートの複製品→お土産という高→低への見事な導線になっていました。 お土産のひとつ一つが結構高額なのですが、(マグカップ4500円など)あの絢爛豪華な世界を持って帰れるとなるとなんか安いのかなーと勘違いしてしまうのでした。 (この時点で頭がMurakami Flowerなお花畑になっています。) 
この感覚どこかで体験した様な。あ、ディズニーだ、と思いました。
ディズニーランド(今は行きませんがw)に行って遊んだ後に、お土産コーナーで散財してしまうアレですね!ご多分に漏れず私もマグカップと高額な(後で額に入れて飾るつもり)5500円もする手拭いを買ってしまいました。 
展示の最後に再び金のMurakamiFlower親子像がお見送りしてくれました。

村上さんのマジックにまんまと引っかかってしまいましたが、最初に述べた通り、一番にこのマジックに取り憑かれ、億単位のお金を賭けているのは村上さんご本人でありかつ楽しまれているのだなと改めて感じるのでした。 

とにかく楽しめるもののけ京都展、大人も楽しめるワンダーランドになっていますのであと3日ですがぜひ魔法にかけられに見に行かれてはいかがでしょうか?
さて京都次どこ行こう? ディズニー観た後はお腹いっぱいで見る気が。

お出迎えとお見送りしてくれた金のMurakami Flower 親子
後ろ姿


頭がお花畑になります!


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