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のほほん、ジワっと「団地のふたり」

※ネタ漏れあり

小泉今日子と小林聡美主演の団地ドラマ。このふたりの共演モノでは、ずいぶん前になるが「すいか」というドラマが大好きだったので、はじまる前から楽しみにしていた。「団地」というのもそそるフレーズである。このドラマでは町田あたりがロケ地のようだが、私が育ったエリアにも「上飯田団地」「いちょう団地」という大規模団地があり、そこに住む友達の家によく遊びに行ったものだ。一階の友達の家には窓から他の棟の友達が上がり込んでくる。団地内の公園で遊んだり、階段で「グリコ」をしたり、お泊まりした時には向かいの棟の友達と窓越しでおやすみの挨拶をしたり。すぐ友達ができる、いつでも友達が側にいる、そんな団地の環境がうらやましかった。

団地で育ったノエ(小泉)となっちゃん(小林)は、まさにそんな団地育ちの仲良し二人だ。50代とは言え高齢化の進む団地ではまだまだ若手。網戸の張替えを頼まれたり、不用品を押し付けられてネットフリマで売ったりしている。(最初はノエが兄貴の宝物を勝手に売っていたのだが)。実家よりなっちゃんちに入り浸りのノエたちは、まさに昔夢見た団地ガールだ。あんなに家族みたいに気のおけない友達が身近にいてほしい。もちろんたまに喧嘩をしたりもするけれど、それも本音で付き合えてこそ。

ふたりには小さい頃に亡くなった共通の友達がいる。ふたりを結びつけるのは楽しい思い出だけではなく、大きな喪失感だ。この痛みをふたりで分け合い、背負い、一緒に生きている。

「すいか」ではキョンキョンは銀行のお金を持ち逃げする女子行員だった。
小林聡美はその同僚。逃亡中もキョンキョンは連絡してくるのだが、小林は通報しない。友情でもあり、逃げるキョンキョンに自らの「自由」を重ねているようにも見える。可笑しくも何だか切ない、夏のドラマであった。

「団地のふたり」は佳境に差し掛かり、老朽化した団地の取り壊し計画がでている。幼い頃わたしが遊んだ団地も相当古びているはずだ。だが、異変が起きて活性化しているという噂を聞いた。外国人の居住者が増えて、今やアジアの見知らぬ街のようだというのだ。ベトナムやタイのレストランや食材店も人気らしく、そのうち旅行気分で訪ねてみたいと思う。


#ドラマ感想文
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