Meituan(3690 HK):FY2021 2Q決算｜　利益よりも成長　赤字拡大

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今回は2021年8月30日に中国のフードデリバリー大手のMeituan（美団）がFY2021FY2021 第2四半期（4-6月）決算を発表したので解説します。

０．Meituan（美団）とは？

美団は2015年に食べログのような飲食店のレビューサイトを運営していた「大衆点評」とグルーポンのようなクーポンサイトを運営していた「美団」が合併してできた中国を代表するテック企業の１社です。

フードデリバリーやサービス・宿泊予約を中心に中国人の日常生活に関わるさまざまなサービスを提供し、6億人以上に利用されるサービスとなっています。

足元では新規事業のコミュニティ型の生鮮食品Eコマース（美団優選）への投資を加速し、赤字が拡大しています。

詳しくは過去に書いた美団の記事をご欄ください。

１．FY2021 第2四半期（4-6月）業績ハイライト

美団のFY2021年第2四半期（4-6月）売上高は前年同期比（YoY）+77%となるRMB43.8b（約7,400億円）、営業赤字は前期と比べて縮小はしているもの▲RMB3,251.7 m（約550億円）、3四半期連続の赤字となりました。

主力のフードデリバリーやサービス・宿泊予約が増収増益となる中で、コミュニティ型の生鮮食品EコマースMeituan Select（美団優選）を中心とする新規事業において、利用者獲得を目的としたキャンペーン費用がかさんだことから、新規事業の売上高が113%の増収となったものの、営業損益は▲RMB9,238m（▲約1,500億円）と赤字が拡大しました。

２．決算のハイライト

続いて会社が公表しているKPIを見ていきましょう。

取引ユーザー数はYoYで37.4%増加となる6.28億人、事業者数はYoY22.6%増の770万社と1Qと比べて増加が加速

直近12ヶ月の取引数も33回に増加

このようにトップラインを支える主要なKPIはYoYで順調に拡大しています。

続いて部門別に見ていきましょう。

フードデリバリー事業は、消費者の利用実態にあわせてサービスを拡充が奏功し、YoYで取扱高と注文件数はいずれも60%近く増加した結果、売上高もYoYで59%増加となるRMB23.1b（約3,900億円）に着地

続いて、サービス・宿泊予約事業です。

サービス・宿泊予約はYoYで89%増となる約RMB8.6b（約1,400億円）に着地

飲食店サービスにおいてはFY2021 第2四半期（4-6月）の取扱高は過去2年間の年換算成長率が37％を超え、1Qと比べて成長が加速

その他のサービスは、医療、美容、ペットケア、ヘルスケアなどのカテゴリーが高い成長率を維持しており、FY2021 第2四半期（4-6月）の取扱高は過去2年間の年換算成長率が47％近くになったとのことです。

ホテル予約においても、1Qに比べて2Qは旅行への意欲や需要が高まったことから、宿泊数も1.41億泊に増加しています。

一方で3四半期連続の赤字が続く新規事業においてはコミュニティ型の生鮮食品Eコマース事業において利用者獲得のためキャンペーン費用が大幅に増加

Meituan Selectは、下沈市場（三級都市以下の都市及び農村）も含めてサービス提供エリアを拡大

Meituan Instashoppingでは、美団で提供する加盟店およびカテゴリーの数を増やし、日用品消費財（FMCG）ブランドとの直接的な関係を深化

Meituan Groceryについては、第2四半期に北京、上海、広州、深圳の既存のTier1都市へのカバー拡大を完了し、取扱高はYoY280％以上、取引ユーザー数は250％以上増加

３．市場の反応

他の中国テック同様に2021年2月頃につけたピークから50%近く下落していましたが、8月下旬あたりから他の中国株とともに持ち直し始めていた最中での美団決算発表

中国当局による規制強化や罰金などテック関連企業を取り巻く環境は依然として厳しいものの、テンセント、PDDを始めとするテック各社が中国政府に歩み寄る姿勢を見せており、過度なリスク回避は一服

各社業績の2Q業績は堅調であったことも追い風に中国企業が持ち直しはじめており、美団も期待を裏切らない好決算が好感され、8月31日には10%近く上昇しました。

４．最後に

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今後もアメリカに上場するテック企業を中心に企業動向や決算などを解説していきますのでぜひNoteやTwitterのフォローをお願いしますm(- _ -)m