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Meituan(3690.HK): O2O大手のMeituanはなにものか?
今回は中国のO2O(Online to Offline)大手のMeituan(美団)について解説したいと思います。
美団は日本人にとってあまり馴染みはありませんが、中国のテック企業の時価総額ランキングでトップ3に入る巨大テック企業の1社で、中国人の日常生活にかかわるさまざまなサービスをアプリで提供しています。
1.Meituan(美団)とは?
美団は2015年に食べログのような飲食店のレビューサイトを運営していた「大衆点評」とグルーポンのようなクーポンサイトを運営していた「美団」が合併してできた中国を代表するテック企業の1社です。
飲食店のレビューサイトからはじまり、映画館のチケット予約、飲食店のクーポン、宿泊予約、フードデリバリーに至るまで、日常生活にかかわるさまざまなサービスを束ね、5.1億人に利用されるサービスとなっています。
2.中国を代表するスーパーアプリ
美団の特長はなんといっても1つのアプリで日常生活にかかわる様々なサービスが利用できるということです。日本にもリクルートのように私たちの日常生活にかかわるサービス(ホットペッパー、Suumo、じゃらん、ゼクシィ)を提供する会社がありますが、ブランドが統一されておらず、横断的なサービスは存在しません。
美団はフードデリバリーサービスと飲食店・宿泊施設の検索・予約サービスを中心に日常生活にかかわる様々なサービスを1つのアプリで提供し、Wechat(LINEのようなメッセージアプリ)ペイで決済可能な一気通貫のサービスを提供しています。
取引ユーザー数では2020年12月末時点では5.1億人を超え、アリババやテンセントに並ぶ中国を代表するサービスの1つです。
また美団の主な事業領域は以下の通りです。
Food delivery: フードデリバリー
日本でいうところのUber Eatsや出前館などのように都市部を中心とした飲食店のメニューの宅配サービス
In-store, hotel & travel :サービス検索・予約
飲食店、宿泊施設、旅行パッケージ等の検索から予約までできるサービス
New initiatives and others:新規事業
2017年に買収した自転車シェアサービス大手のMobikeや生鮮食品の販売などの新規事業セグメント。足元ではCommunity Buying(日用品や生鮮食品等の共同購入)を強化中
3.業績の推移
続いて業績を見ていきます。
美団は2015年12月期の売上高683億円から2020年12月期までの5年でCAGR(年換算成長率)95.5%、2020年12月期には約2兆円という驚異的な速さで成長しています。
事業別でみると2015年時点ではIn-store, hotel & travel (サービス検索・予約)が主力事業でしたが、2016年以降Food delivery (フードデリバリー)事業がものすごい勢いで成長しており、ここ数年は日用品や生鮮食等のECが属するNew initiatives and others(新規事業)も拡大しています。
一方で粗利益率をみてみると、In-store, hotel & travel (サービス検索・予約)が主力事業だった2015年と比べて、Food delivery (フードデリバー)の躍進に伴い配送者に対する支払や囲い込みのためのインセンティブの増加や、 New initiatives and others(新規事業)における日用品や生鮮食品の販売に伴う原価計上により減少傾向となっています。
事業別の四半期営業損益でみるとIn-store, hotel & travel (宿泊予約等)やFood delivery(フードデリバリー)が収益を稼いでいる一方で、New initiatives and others(新規事業)の投資がかさみ赤字幅が拡大しています。
また主要な販売管理費の推移をみるとトップラインをつくるために広告宣伝費も増加しており、とりわけNew initiatives and others(新規事業)の日用品や生鮮食品等の規模拡大に伴う投資が継続するものと思われます。
4.競合環境
中国のフードデリバリーサービスの市場規模は2019年に約10兆円です。
美団は約5.1億人のユーザーを抱え、市場のシェア67.3%と2位のAlibabaのフードデリバリーサービスEle.meを大きく突き放しています。
またIn store, hotel & travelの宿泊予約においても、宿泊件数シェアでは50%を超えており、美団の主力事業において強固な地位を築いています。
5.足元の動向
2021年4月19日に日用品や生鮮食品の販売や共同購入などの新規事業分野においてアリババやPinduoduo(PDD)との競争に備えるため、約1兆円の資金調達(約7,000億円の新規株式並びに約3,000億円の転換社債)を発表しました。
競合のPDDが巨額の投資を通して日用品や生鮮食品のECや共同購入分野においてわずか3年で中国3位のECに上り詰めましたが、美団も調達した資金を使い虎視眈々と同分野の地位を築こうとしていることがうかがえます。
なおPinduoduoについてお知りになりたい方は以下の記事をお読みください。
#爆速で成長するPinduoduo (ピンデュオデュオ)僅か5年でアリババを超え!
6.最後に
最後まで読んでいただいてありがとうございます。この記事を気に入ってくれたら”スキ”ボタンを押して頂ければと嬉しいです^ ^またこれからアメリカのテック企業を中心に新規に上場する企業を紹介していきたいと思っているのでぜひNoteやTwitterのフォローをお願いしますm(- _ -)m
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