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【本日のコラム:天才Mの話】

高校生の頃であった。
友人Mは、非常にユニークで、奇想天外で、頭が良かった。
久しぶりに彼と会ったので、彼の高校時代のことを書こう。

彼は漫画に出てくるような典型的なヤツで、
私が貸したハイスクール奇面組に教科書の背表紙をつけ、
事業中、堂々と漫画を読んでいた。

私はたまたま彼の後ろの席にいたので、ああ、次のページは面白いぞ、
と思った矢先、次ページに移ったかれは「ブッ」と笑いを漏らして、
先生に捕まったりしていた。

笑わなければ、完全犯罪が出来たのに。

そんな奴だった。

高校生といえば、タバコデビューするやつが多い。
私は高校3年生の終わり際にデビューしたので、学校でヤニ切れすることはなかった。
大半は高校1年くらいでデビューし、ヤニ切れを起こして、ここでは絶対見つからないであろというところで吸い、必ず先生に見つかり、停学を喰らうやつが多かった。

友人Mも中学から吸っており、よくヤニ切れを起こしていたが、彼は学校で一度も見つからず、喫煙をかましていた。
上記のとおり、Mは奇想天外で頭が良かったので、ある場所で必ず吸っていた。しかも、人より多く(1箱くらい)学校内で吸っていた。

彼が発明した喫煙術は、灯台下暗し作戦だった。
平成当時は、職員による喫煙はまだまだ自由で、職員室や、他の職員喫煙エリアで、先生たちは吸っていた。

友人Mがあみ出した、校内喫煙場所とは、「職員トイレ大」の中であった。
大をしながら喫煙する教師も多く、そこに目をつけたMは、そこで咳ばらいをしながら、喫煙していたのだ。大トイレから出て、職員と鉢合わせても、職員トイレは使わないように!だけ注意されて、喫煙の容疑は一切つけられなかった。別の職員が煙草を吸った可能性もあるし、まさか、職員トイレで堂々と生徒が喫煙するはずがない、といった心理作戦であった。

実に効率的で、頭の良い、方法であった。

そんな男。天才Mの話。

つづく



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