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【ショートコラム:貴婦人の憂鬱】

先日、母の友人がわが家に訪れた。
80歳半ばの貴婦人だ。特別イベントでもないのに、着物を召されて来られた。私は隣の部屋で買ったばかりのPSPで、ぼくのなつやすみをプレイしていた。実家は、築年数も古く、壁も薄いので、母と客人との会話が良く聞こえた。
 
「もういい加減、ファミマに変えないといけないかしら?」
「もうこの手の分が、販売中止になるから、こわれたらファミマねえ」
「あなた、ファミマ前から使っているけど、使いこなせるかしら」
「でも時代はファミマなので、私もこれを機にファミマに変えようかしら」
「でもファミマってお高いんでしょう?」
 
 
もちろん、この貴婦人はスマホのことをファミマと間違えていっていた。
 
 

つづく



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