いつからか、履歴書で嘘をつくようになった件

そういえば、職場に提出する履歴書の経歴をいつからか改ざんするようになった。そうはいっても、ありもしない経歴をでっち上げるわけではないし、もっと些末なものである。

まず学歴に関していえば、わたしは大学を2年修了時に中退して、別の大学に3年次編入して卒業したのだが、そうしたことは省略して書かないことにしている。ただ、卒業した大学と学部、その年度だけを記している。
 これはたんに記入するのが面倒なのと、もし書いたら書いたで面接で突っ込まれるのがうっとうしいからである。

つぎに職歴に関していえば、ある職場の在職期間を実際よりも長めに書くようになった。これは、一時期アルバイトやパートを掛け持ちで働いていたことがあり、それらを履歴にすべて記すことはできないため、単純にわかりやすくするためにあえてそうすることにした。
 たとえば、クリニックの看護師と施設の介護職と交通誘導の警備員を掛け持ちしていたような時期があった。その中で、ある仕事をやめて残りの別の仕事をつづけていた場合に、単純に分かりやすくするために一つの仕事をずっと続けていたことにするのである。
 人間の経歴をすべて他人が理解することは、はっきりいって至難の業でしょう。わたしのように自衛官から看護師になって、それから介護職に転じたような人間はとくに理解されにくいと思います。
 しかも、自衛隊に入る前には警察学校にごく短期間いたこともあるけど、もちろんそんなことは記載しません。わたしは新卒で就職した警視庁をすぐに辞めてから、自衛隊に入るまでの間、履歴上は数ヶ月の空白期間が空いてしまったが、過去の面接では「就職に悩んでいたから」とかいって適当にはぐらかしていました。
 こういった一連の経歴を、いちいち面接で見ず知らずの相手に丁寧に解説してやるほどこちらとしても親切な人間ではありません。採用されるかどうかも分からないなら、なおさらのことでしょう。自らの複雑な経歴の一貫性を保つために、また読み手にとっての理解のしやすさを考えて、あえてそうしているのである。

嘘をつくことがいいか悪いかといえば、少なくともよくないことでしょう。当たり前です。しかし、ときにはそうすることが自分にとって有利になると判断するなら、ときには嘘も必要だと考えている。
 たとえば、企業は雇用条件で応募者を騙して採用活動を行ってますよね。 
一方応募する側が、履歴書で多少事実と異なる点があったとしても、それは“お互いさま”ということなんじゃないかな?

重要なことは、一度嘘をついたらあくまでそれに固執して、一貫して同じ態度を取り続けることである。そして、自分でそれが事実だと自分自身に思い込ませるのである。
 職場によっては、年度が変わると履歴書の再提出を求めてくるようなところもあるでしょう。そこで、以前はこういう経歴だったのに、今回はちょっと内容(とくに在籍期間)が違っていたら、人事担当者に不信感を抱かせることになるでしょう。そういうところから嘘が露見することになるので、一度ついた嘘はつき通すこと、それこそ墓場までもっていく覚悟でいることが大切だと思う。

ニュースを見ていると、経歴で嘘が発覚して解雇された、なんて大げさな話を目にすることがあります。これはとくに公務員や医療職に見られることが多いと思う。
 公務員は経歴管理にうるさいことは容易にわかりそうです。一方、看護師などの医療職は、たとえば応募条件に「臨床経験3年以上」などの記載を見かけることがありますね。応募条件がそうなっていたら、それに満たない人間があとから解雇されるのも仕方がないのかもしれない。
 上記の点をふまえて、わたし自身も自衛隊歴や看護師歴についてはさすがに嘘はつかないことにしてます。嘘をつくとしたら、他の部分なんだよね。

これまでに働いてきて、職場が自身の経歴を調査するということはまずないと思います。ある人間の経歴を、他人がすべて把握することは実際問題難しい話でしょう。年金記録を閲覧するとかしない限り無理だと思う。また、在籍期間証明を求めてくる、ということもそうそうないことである。
 履歴書の内容をどのように“編集”するのかは、個人が判断すればいいことだと考えています。
 
 


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