仙台89ers:2022-23シーズン 第19節(1/21,22 Away Game vs富山 at 富山市総合体育館)プレビュー
◯これまでの仙台
前節のレビューはこちら。レビューしていませんが。
どんなに心折れそうな敗戦を重ねても次の試合は待ってくれることはなく、打ちひしがれていたところで週末がやってくればまた粛々とGameは行われます。
前節秋田戦ではケガで離脱した選手を補うべく新加入選手を迎え入れ、前々節の宇都宮戦での惜敗から切り替えて臨みたかったはずでした。しかし、プレビューで危惧したように良くなるほうではなくむしろさらに悪くなるほうへ振れてしまい、内容も結果も惨憺たるものとなってしまいました。
ターンオーバーを連発させて自滅していく悪癖を全く解消できなければ、FG%もさっぱり上がってこない精度の悪さは続く連敗が選手たちのメンタル面に影を落としているからかもしれません。畢竟Gameに臨むメンタルが伴わなければインテンシティ高いディフェンスに行けないのも必定、群馬戦での4Qでの32失点や秋田戦全般で見られたようなディフェンス崩壊にも繋がっていそうです。
前節は特別指定の渡部がスターター抜擢されたものの、カレッジ界ではシューターとして名を馳せていてもやはりB1ともなると勝手が違うようで決定率というところではタッチが落ちている感じ。積極的にゴールを狙う姿勢は今の仙台にとっては好ましいものではあるのですが。
また秋田戦直前に加入したスティールと青木も出場を果たし、それぞれ仙台での初得点も記録しましたが、今まで小林に頼りきりだったゲームメイクという点では違った持ち味の青木が加入してくれたのは心強い。スティールはディフェンスにはやや難があるとの評がありますが、内外ともに決め切れる力はあるので、特にトーマス離脱以降疲労の色を隠しきれずすっかり攻守での精彩を失ったブースを休ませられるのはありがたい。
そんな中でシーズン折り返し早々に、今節富山、次節滋賀と続く残留争いの言わば「裏天王山」が始まります。
◯富山グラウジーズ
富山もbjリーグ時代から切磋琢磨してきたクラブにしてB1初年度参入組の一つ。富山石川福井の北陸3県では初のプロスポーツクラブとして発足、bj時代は前半期は成績が低迷するも後半期はプレイオフの常連へと力をつけるほどになったものの、仙台と同じく優勝経験はなし。
B1初年度は他のbj出自の多くのクラブ同様なかなか勝ち星は伸ばせず、リーグ全体で15位に終わり、リーグ全体最下位だった仙台と残留決定プレイオフを闘うことに。果たして富山が2連勝をあげ仙台がB2への引導を渡されたのは仙台黄援歴の長いファン・ブースターの記憶にもこびりついていることでしょう。
富山とは因縁の残留プレイオフの他にも意外と縁があって、かつて仙台を率いた浜口氏がHC、仙台で選手としてプレイしチームを率いた経験もある高岡氏がACとして在籍していましたが、先日浜口氏が電撃解任され前節から高岡氏がHC代行を務めています。
メンバーとしては今季はシューター松井、重量級センタースミス、点取屋のブライス、ベテラン清水などは今季も継続して所属しているものの、B1参入時から昨季まで所属しチームの中心だった大型PG宇都がB2奈良へ、リーグ屈指のオールラウンダーのマブンガが宇都宮へと主力が抜けてしまう事態となってややチームは弱体化してしまった模様で、現在は中地区7位、リーグ全体21位と苦しいシーズンになってしまっています。
◯今節の展望
相手クラブインプレッションでも触れましたが、前節を前に昨季から指揮をとっていた浜口HCが成績不振の責任を取る形で解任、ACの高岡氏がHC代行を務めるという激震が走ります。しかし富山のファン・ブースターからは浜口氏の手腕よりもチーム編成自体に問題があったのでは・・・という声のほうが大きく、ケガ人続出の仙台とは別なベクトルで苦しそうな台所事情が垣間見えます。
お互いここまで苦しいシーズンを過ごしかつ年が明けてから勝利できていない両クラブですが、勝って弾みをつけたい想いは一緒、今節はどちらが勝利への渇望と執念を見せつけるかが大きなポイントになりましょう。その点富山はこれまでしっかりしぶとくB1へ残り続けてきたクラブなので、その辺の経験値としては仙台を上回っているかも。またHC代行の高岡氏は仙台HC時代はなかなか勝利を手繰り寄せられず苦しい采配でしたが、この4年半の富山でのACの経験で、采配にどれだけ引き出しが増えたのかも注目されます。
富山といえばB1随一の巨躯を誇るスミスがインサイドに鎮座し攻守に制圧を試みるわけですが、そこは仙台はB2時代に対戦した越谷のバッツへの対応が経験として生きてくるかもしれません。ただインサイドにかまけているとブライス、松井、晴山、清水といったアウトサイドシュートを持つタレントも揃っていますから油断はならないところ。
仙台としてはこれまで変わらぬ課題のオフェンス力の低さをどう解決するかなのですが、ここまでの数Gameでは得点力の低さにさらに拍車をかけるようにターンオーバーが常15本を超えてしまうようなGameが大半という異常事態にもなってしまっており、シーズン半ばにしての連携不足や希薄なケミストリーは最大の懸念。
そのオフェンスの不味さがディフェンスにも影響してしまっているのか、仙台が持ち味としていたはずのインテンシティ高いディフェンスもすっかり影を潜めてしまっては、80点90点台の失点を喫するGameもかなり多くなってきました。富山も勝ち星に恵まれていないとはいえ得点力という面では富山の方が上なので、まずはこのディフェンスから立て直していきたいところ。
前節の惨憺たる内容の中、新加入の青木が広島でプレイタイムが伸びず燻っていたところ、前節はいきなり20分以上のプレイタイムを得てはその力量の片鱗をうかがわせるとともに、低迷するチームの中で攻守に気を吐き輝きを放っていたのは唯一の光明でした。同じく新加入のスティールとともに、なんとか悪い流れを変えてくれるようなキーマンとしての活躍に期待したい。
今節はB1残留プレイオフを闘い敗れ降格が決まるという苦汁を舐めた富山の地での闘いです。あの日志村社長と片岡がコートに忘れてきてしまったものを取り返すべく、我々も臥薪嘗胆の想いを込めてダイキエンいたしましょう。不肖ワタクシも2Gameとも現地に行ってまいります。
それではまた。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?