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仙台89ers:2023-24シーズン 第31節(4/10 Home Game vs A東京 at ゼビオアリーナ仙台)雑感

第31節のプレビューはこちら。


◯試合前トピック

・2024年台湾東部沖地震 災害支援募金実施

本日のGame開催から遡る一週間前の4/3、台湾にて大地震が発生。ビルが傾いたり大規模な地すべりなどなかなかにショッキングな映像も目にしておりました。日本でも1/1に能登半島周辺にて局地的な大地震が発生、地理的条件の悪さから復旧復興もままならぬ状態ですが、この時、そして20110311の時にも、海外数多ある国と地域の中でも最も我々に寄り添い励まし支援してくれたところの一つが台湾とその市民のみなさまだったことは鮮烈な記憶として残っています。

今回、当時ならずとも少しでもの恩返しがしたいとと仙台大と東北大経済学部の学生が支援のための募金活動を実施することになりました。311では活動停止を余儀なくされた仙台89ersもその趣旨に賛同し、募金活動の場を提供するとともに、ケガでベンチ外の岡田、片岡もともに募金活動を実施。もちろん、不祥ワタクシめも浄財を投じてまいりました。今後の復旧・復興活動に少しでも役立ててもらえればな、と思います。

◯Game(4/10 19:05 TO)仙台68A東京78

Gameのエントリーメンバー、スターターは以下の通り。

以下短評。

・三遠戦、島根戦の白熱した戦いぶりからA東京からの初勝利に向けて大いに期待があったものの、立ち上がりからシュートを6本連続で外してしまういつも通り(などともう言いたくないのだが)の入りの悪さ。
・一方A東京は仙台の速いペースについていかず、テーブスや小酒部の小気味よいゲームメイクからしっかりとしたパス回しとP&Rなどから内に外に効率よく得点を重ねるのはさすが。こういう細かいところでの正確性が仙台にはまだまだ足りない。
・スターターにはヤンを入れてくるかと思ったが、チョイスは澤邊。少しサイズのミスマッチがあるものの、メインデルをピッタリマーク。今季あまりミニッツが多くない澤邊もこういうときにそのディフェンス能力を買われてスターターに名を連ねたりするあたり、藤田HCからも信頼はされている模様。
・仙台は前節キャリアハイの得点を記録したエース阿部、ペリメーターの赤鬼・ブースのタッチが合ってこず得点が伸びない。仙台の得点源のこの2人のシュートがなかなか入らないのではやはり厳しい。そして低調なシュート精度とともにターンオーバーを連発するのはいかにも悪い時の仙台。
・ディフェンスではA東京に時間を使わせ粘り強く続けられていたものの、残り2分のところから2-12のランを作られては一気にビハインドが広がり、1Qですでにして14点のビハインドを背負うと、いつぞやの宇都宮戦・秋田戦の悪夢が脳裏によぎる。
・オフェンスはかなり湿っぽいながらディフェンスはまずまずしっかり遂行できていたところから2Qは少しずつ持ち直してきた感は見られるものの、15点前後のビハインドがなかなか詰められない。特にここぞという時の3P(しかもかなりフリーめ)がことごとく外れてしまうのが非常にもったいなく、もどかしい。
・頼みの阿部もシュートタッチが戻る兆しを見せず、体感的にはどうにもA東京にしてやられてばかりで20点以上の差が付けられているように思っていたものの、終わってみればビハインドは15点と1Qから1点しか広がっていなかったのは少々意外。
・こうなると、前節島根戦では今節と最大ビハインドがほぼ同じ程度だったところからGame1ではいったんは逆転までもっていったり、Game2では逆転勝ちまでしてみせた後半の修正に期待がかかる。
・3Q立上り、ブースと阿部の連続得点でその期待に応えてくれるかと思うも、A東京の要所を締めるディフェンスに再び攻めあぐね始めるとなかなか得点も伸びず、35-46とビハインドを1桁差まで戻そうかというところから逆に0-11のランを作られビハインドは広がり22点。
・しかし先の宇都宮戦・秋田戦で漂った諦め・終戦ムードはそこにはなく、3Qの残り3分ほどから今度はヤンの奮闘などから8-0のランをお返しするとビハインドを12点と前半から少し縮めて終了、まだまだ逆転にむけて期待を残す。
・4Qは序盤から点を取って取られて概ね10点前後のビハインドで推移するも、ここ最近終盤に相手が疲れてきたところをそのタフネスさと高いスキルでトーマスが得点を重ねていきじわじわと差を詰めOTO直前にはついに6点まで詰める。
・ただ、結局このGame を通じて阿部のシュートタッチが戻らず、得意のステップで切り込んでのシュートもことごとくリムに嫌われては追撃もここまで、あとは巧みにGameをコントロールし時間を使うA東京にしっかりいなされて、またしてもA東京からの勝利はならず。

気になった選手:渡部
持てるポテンシャルには間違いないものがあるはずなのですが、今季ここまでそれなりにミニッツは得ているものの、大活躍しているとは少し言い難い状況。同じ大卒ルーキーである千葉Jの金近が結構な活躍をしているところからすると物足りないな、というのは正直なところ。しかしここ最近はまだ判断の甘さからつまらないミスをしたりというところもありはするものの、シュートを打つ場面では躊躇することも少なくなり、外角シュートをにおわせながら中へ切り込んでシュートを決めてみせるなどようやく持ち味を見せられるようになってきた感があります。今季も残り11Game、少しでも多くのミニッツの中で指揮官にアピールして、来季の飛躍に結び付けられるといいな、と思うばかりです。

◯最後に

1Qのオフェンスの出来の悪さでやや少し下を向いてしまった感じになったところでA東京にさっとリードを広げられてしまったのが、2Q以降はしっかりと良くないながらも食い下がれていたところからすると少し残念で痛かった。A東京に対してはBリーグで未だ勝利無しというところや三遠・島根と繰り広げてきた激闘の疲労のせいもあったのか、このGameへむけてのマインドセットもうまくいかなかったところもあったでしょうか。

また前節 Game2で大活躍を見せた阿部がわずか5得点とここまでハマらなければどうしようもないところもありますが、エースに依存しない得点パターンを構築したいところですが、もうさすがに時間がありません・・・。

今節プレビューでも触れた通り、ディテール面でのミスや少し雑になってしまうことがある仙台に対して、ディテールの突き詰め具合と完成度を改めてA東京には見せつけられたな、と思います。この差を埋めるには、仙台のように資金的に潤沢とは言えないクラブにとってはおそらく年単位の時間が必要かもしれません。選手価値の高い有力な選手を思うように集めることはできないでしょうし(ここは霞ヶ関キャピタルさま参入でどう変わるかは注目したい)、クラブとしてのカルチャーから遠くかけ離れた正視に値しないようなGameもいまだ散見されたりします。

そして2026シーズンから首尾よくB-Premierに参入できたとすれば、なおさらシーズン成績での降格はなくなるわけだからこそ、クラブとしてのカルチャーは少しずつ、着実に積上げていかなければならないませんし、その先にクラブとしての強さと格がきっと形成されるはず、と信じています。

では31節後の主要チームスタッツを眺めてみましょう。

PPG:78.9→78.7
FG%:43.5%→43.5%
eFG%:49.3%→49.3%
APG:20.8→20.7
OFFRTG:106.5→106.3
RPG:41.0→40.9
OPP・PPG:80.8→80.8
DEFRTG:109.2→109.2

どのスタッツもほぼ変化なし。OFFRTGは少し下がってしまいました。

次節はAwayで秋田と。前回Homeでの対戦はシーズンに何度かある正視に堪えないひどい内容での完敗を喫ししてしまいましたが、その嫌な記憶を払拭できるような闘いをAwayの地でできるかが注目です。もっとも、秋田にしてみればその前の対戦でHomeでの闘いだというのに外国籍選手がちっともフィットしてこなかった中で仙台に惨敗を喫していたところでまずはそのリベンジは果たしたにすぎず、今節はさらに格上であることを見せつけるべく牙をむいてくることでしょう。奇しくも89ersが敵地で不倶戴天のライバル秋田とGame1を闘う同日、仙台ではサッカーのベガルタ仙台が不倶戴天の仇敵山形と対戦。どちらもどんな形でもいい、泥臭く勝利を掴みたいですね。

それではまた。


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