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仙台89ers:2023-24シーズン 第6節(11/4,5 Home Game vs 横浜BC at ゼビオアリーナ仙台)雑感

第6節のプレビューはこちら。


◯試合前トピック

・B.League All-Star Game 2024 in Okinawa ファン投票開始

今季のオールスターは「夢のアリーナ」にしてW杯会場にもなった琉球ゴールデンキングスの本拠地、沖縄アリーナにて開催。今回は1/12(金)〜14(日)のスケジュールで初めて金曜日からAll-Star Weekendがスタート。まだ詳細は明らかにされていませんが、その金曜日は前夜祭イベントとしてアリーナ近隣の陸上競技場を使用して何やらする模様。エイサー?

それに伴い、ファン投票が11/1から始まっておりますので、みんなで仙台の選手をオールスターの舞台へ送り込もう!ワタクシは青木、渡辺、ヤン、ブース、ゲルンで投票!(トーマスはケガしてるので・・・)

・・・とは言ってみたものの、仙台としては12/31,1/1に沖縄アリーナでAway Gameを行ったばかりで2週間後に再び沖縄でAll-Star Weekendになるという些か鬼畜なスケジューリングになりますが・・。

◯Game1(11/4 16:05 TO)仙台85横浜BC54

Game1のエントリーメンバーはボックススコアにて。スターターは以下の5人、澤邊、トーマスは前節から引き続き負傷によりエントリー外。またエントリーはしているものの、小林もコンディションの問題かジャージ姿のままでおそらくDNP。

13 阿部諒
14 青木保憲
15 渡辺翔太
45 ネイサン・ブース
52 ヴォーディミル・ゲルン

前節からメンバーは変わらず、好調を維持したい構えか・・・と言いつつけが人も増えている状況ではベストなメンバーということでしょう。

Gameは横浜BC河村が名刺代わりに自らインサイドに持ち込んだゴールからスタート。その河村に対しては基本的に渡辺がフェイスガードで守っていく形。Game開始後は双方得点を重ねながらリードチェンジを繰り返すクロスゲームの様相。しかし仙台が次第にインサイドで横浜BCのアタックを止めるようになり7‐0のランを作ったあたりから仙台優位な形となってきます。仙台は今Gameも片岡が好調、1Qですでにして片岡が7得点目を奪いリードを10点とすると横浜BCベンチはたまらずTO。片岡は先日の群馬戦といい、12月には38歳を迎える大ベテランとは思えないほどのキレキレっぷりです。本当にすごい。

TOが明けると横浜BCはオールコートゾーンを敷いてきますが、昨季の仙台であれば少し慌てそうなところもしっかり藤田HCはしっかり仕込んでいた模様で、スムーズにボールを運んでいくことができているのはいい感じです。その後もいいディフェンスからターンオーバーを誘ったりで横浜BCのオフェンスの勢いを削ぎ続けて、1Qは27-15と大きく12点リードとして終了。

2Qはスタートからオンコートの岡田が連続3Pをヒット、リードをぐいぐいひろげにかかります。ディフェンスのほうもターンオーバーの誘発、ブロックショットなどで横浜BCのオフェンスを防ぎ続け、エース河村を渡辺のフェイスガードとビッグマンたちのショウディフェンスからディナイすることで極力プレイに関与させない素晴らしい出来。4分間で7-2のランとしてリードは一時17点と広げますが、しかしやられてばかりもいられない横浜BCにここから0-6のランで返されるとOTO時点ではリードは11点。

OTO直後はブースこのGame初の3P、激しいディフェンスでスティールからのトランジションで阿部が3Pでするするとリードを広げていくも、横浜BCも河村がわずかな間合いでしっかり3Pをねじ込んでくるのは流石。それでも横浜BCのオフェンスをその河村のシュート単発にとどめ防ぎ続けると、ヤン、渡辺の連続3Pが決まるなどでこのQは長距離砲攻勢でリードを広げることに成功し、前半を52-28と24点と大きくリードをして終了。

今Game、横浜BCのエース河村には非常に優れた個の力でゴールはそれなりに陥れられているものの、仙台の連動したディフェンスで河村ディナイすることでGameに極力関与させず、決定的な仕事をあまりさせない素晴らしい出来で前半はの失点はわずか28点。ディフェンスがしっかりできているところからオフェンスのリズムもとてもよく、ブース・ゲルンがミスマッチを作り出してはインサイドから次々とゴールに迫るだけでなく、素早いパス回しから作り出したフリーの3Pをしっかり決められているのも素晴らしい。後半もこのペースを継続したい。

3Qも仙台ペースは変わらず、いいディフェンスからいいオフェンスが続けられていて、このところ好調なブースが3P、エルボーからのロング2Pなどでリードをさらにじわりじわりと広げていきます。速いトランジションからのファストブレイクでヤンが決め切るとリードはついに30点。あまりに素晴らしすぎる内容でちょっと怖いぐらい。結局3Qは横浜BCの得点を10点しか許さず、71-38でほぼ勝負ありの33点リードで終了です。

普通であればまず逆転されることはない点差ではありますが何があるかわかりませんので、最後まで足を止めずにしっかり戦い抜いて得失点差をしっかり稼ぎたいところ。その辺は選手たちもよくわかっているようで、攻守に手を緩めることなくリードを保ち続けると、4QはすでにGame2の巻き返しに備えてかエース河村をはじめ主力級はほぼベンチに下げた横浜BCをしっかりいなし続けると危なげなくGameをクローズ、最終スコアは85‐54でフィニッシュ、得失点差もプラスに回復させるほどの大勝、完勝とし、これでB1リーグでは初の4連勝達成です。

気になった選手:ブース
本来であればストレッチ5の選手として、外からのシュートを積極的に狙うプレイスタイルが持ち味なところ、前節からはトーマスの負傷離脱という状況もあってインサイドでのリムアタック、リバウンドやブロックショットなどで大奮闘、ダブルダブルを記録する活躍が続いています。3Pでもペリメーターからのロング2Pでもゴール下でもなんでもござれのシュートレンジの広さが各クラブにとっては脅威となっていそうです。昨季は60Gameに出場したタフさも持っていますが、この先も願わくばけがなどしませんように。

◯Game2(11/5 14:05 TO)仙台84横浜BC87(OT)

Game2のエントリーメンバーはボックススコアにて。スターターは以下の5人。

13 阿部諒
14 青木保憲
15 渡辺翔太
45 ネイサン・ブース
52 ヴォーディミル・ゲルン

Game1からスターターに変更なし。Game1で足を痛めた渡部の姿はなし、Game1でDNPだった小林はアップにも参加しコンディションも良いわけでもなさそうですが出場がありそう。

Gameは仙台がいきなりしてやったりのセットプレイからの阿部のゴールでスタート。しかしスターターを変えてきた横浜BCは今Gameディフェンスの強度が上がっていて、仙台もGame1ほどの小気味よいオフェンスがなかなかできません。Game1とは逆に3Pのタッチが横浜BCはよく仙台のほうが悪かったり、よくないときの仙台にありがちなゴールしたのシュートをポロリとこぼしたりのリバウンドからのトランジションで仙台がやや後手を踏む形に。そうこうするうちにビハインドがするする広がっていき、8-15となったところで仙台TO、横浜BCに傾いたモメンタムを引き戻しにかかります。しかしその後もあいかわらずゴール下、3Pともリングに嫌われる状況が続いてはあまり得点も重ねられずに1Qは16-24の8点ビハインドで終了。

2Qも強度の落ちない横浜BCのディフェンスを前に、少し攻めあぐねる形が続いてなかなかビハインドを縮めることができずにいますが、なんとかかんとかディフェンスで踏ん張り続けると、ヤンの3P、ゲルンのインサイドワークで5点ビハインドまで引き戻したところで横浜BCがTOで仙台へ傾きかけたモメンタムを断ち切りにかかります。その直後片岡の3Pで2点ビハインドまで縮めますが、Game1では仙台がしっかり押さえこんでいた横浜BCのエース河村がGame1での悔しさを晴らすかのように自らシュート、アシストを次々に決めていくと再びビハインドは広がり34-44で終了。

Game1と比べると思うようにオフェンスができずにいると、Game1の屈辱を晴らすべくさらにギアが上がった河村を前になかなかGame1のようにディフェンスできず少し苦しい展開。あまり良くない内容ではありますが、良くないなら良くないなりになんとか破綻せず我慢はできていましょうか。後半に向けてはディフェンスが我慢しきれてるうちにオフェンスの調子を取り戻したいところです。

3Qも互いに強度が下がらないディフェンスでバチバチにやりあう展開は続いてビハインドもなかなか縮めることができませんが、モメンタムを一気に仙台に引き寄せたのが残り5分40秒ほどのこのルーズボール奪取争い。

ごらんくださいこの実に泥臭い、仙台の標榜する「Grind!」を体現するプレイ。アリーナの仙台ファン・ブースターも一気にぶち上がります。その後もぐっとギアが上がったディフェンスで横浜BCのオフェンスを止めてみせると残り1分30秒のところで阿部がペネトレイトからしぶとくレイアップをねじ込み、And1も決めてついに同点に追いつき、3Qはそのまま55-55で終了、勝負の行方は4Qの攻防に。

4Qは3Qの勢いそのままに仙台が先手を取っていくものの、今Gameは仙台の執拗なチェックを上回るキレの河村が仙台ディフェンスを切り裂き仙台のリードを詰めていくと、再び1点を争うクロスゲームとなっていきます。リードチェンジを繰り返しながら残り35秒で阿部がジャンパーをねじ込むと仙台が73-69とし4点リード。しかし横浜BCが3つ目のTOを消費した直後のプレイ、ユトフが3Pプレイを成功させスコアは73-72とされると残り26秒で仙台のポゼッション。横浜BCのファウルゲームで得たFTを片岡が2本きっちりそろえて75-72として残り23秒。しかしこの後ドラマが待っていました。横浜BCはボールを託されたエース河村が3Pを放ちますがこれが外れて仙台が勝利をつかんだか・・・と思った瞬間、リバウンドで杉浦がタップしたボールが河村のもとにわたるとこれを河村がねじ込みスコアをタイとされ勝負の行方はオーバータイムへ。それにしてもあそこで決めきる河村がさすがすぎるしすごすぎる、これが代表選手、スーパースターたる所以というものか・・・。

OTもクロスゲームの状況は続きますが、コート上はもうすっかり河村タイムの様相。仙台のほうはボーナスFTを決めきれなかったり最後の最後でターンオーバーを繰り返しては得点チャンスを逸するなどで力尽き、最後は84-87と接戦の末敗れる結果となりました。

気になった選手:河村(横浜BC)
Game1で仙台の執拗なディフェンスに沈黙させられた鬱憤を晴らすかのような大暴れ。仙台も決してGame1よりディフェンスの手を緩めていたわけではありませんが、そこをさらに上回ってくるのですから脱帽するしかありません。悔しいですがスーパースターというのはかくありき、という姿を存分に見せつけられてしまいました。

◯最後に

結果としては1勝1敗の痛み分け、ただし仙台の方がGame1で大勝できた分得失点差でアドバンテージは得ることに。Game1での完勝に喜んでいたらGame2では接戦の末敗れる結果ではありましたが、仙台ファン・ブースター的には両Gameともたいへんにエキサイティングでスペクタクルな今節だったのではないでしょうか。Game2も勝てていたら言うことなしでしたが。

Game1ではオフェンスにディフェンスに仙台がが目指すバスケを遺憾なく発揮できた一方、Game2では今季優勝も見据えていたはずの横浜BCの、連敗はこれ以上できないという意地の前に最後は押しきられてしまいました。その横浜BCの意地のディフェンスの前に前半はやや沈黙気味だったオフェンスも後半息を吹き返すことができたのは昨季の仙台とはやはりひと味違う姿で、第6節終了時点での平均得点は80点超をキープ、オフェンスレーティングは前節終了時点104.0から1ポイントアップし105.1、ディフェンスレーティングは107.1からおよそ3ポイント下げて104.4としネットレーティングがついにプラスに。この調子が今後も続いてほしいものです。

しかしこの調子がシーズンを通して続いてほしいと願いつつも気がかりなのは早くも怪我人続出のチームコンディション。すでに澤邊とトーマスが不在の中今Game1では小林がベンチ入りしただけのDNPでコンディション調整、渡部が足を痛めてGame2はエントリーせずおそらく残りの11月の3Gameもエントリー外ということになりそうですし、フル稼働のブースとゲルンも少しプレイタイムが長くなっていて、消耗度合いが心配です。トーマスのコンディション次第ですが、短期契約の外国籍の獲得も視野にいらないといけないかもしれませんし、日本籍だと1枠空いていますが猪狩の選手登録、はたまた昨季の青木のようなパターンでローンあるいは完全移籍ですとか特別指定の受け入れなど臨機応変にフロントが動けるか(限られた資金の問題もあります)も今後注目のしどころでしょうか。

次節は水曜WeekDay Gameを Awayで秋田との対戦。先のTOHOKU CUPでの激闘も記憶に新しい、仙台にとってはbjリーグ以来の永遠のライバルクラブ。現状は新外国籍選手が今ひとつフィットしてこない中で少し苦しいGameが続いている模様で、スタッツ的にもここまでPPGが70.6(目下リーグ最下位)、OFFRTGも100を切ってしまう97.2とオフェンスが全く振るわない状況に苦境ぶりがうかがえます。それでも仙台同様ディフェンスに自信を持つクラブだけにまだ大型連敗にはならずに踏ん張れているというところでしょうか。

仙台も怪我人、コンディション不良の選手は増えていますし、今節の激闘からの連戦でキツいところもありましょうが、今季は1人1人が自らやるべきことをやりきるという自覚を持ってプレイできていることが好調の要因とも言えそうですので今後もその意識を緩めず維持して勝利を少しでも多く積み上げていってほしいですね。

それではまた。

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