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仙台89ers:2023-24シーズン 第14節(12/23,24 Home Game vs 千葉J at ゼビオアリーナ仙台)雑感

第14節のプレビューはこちら。


◯試合前トピック

・U-18阿部真冴橙、ユース育成特別枠選手登録

まずはこのリリース。先のU-18チャンピオンシップでのベスト4入りの中心選手にしてベスト5にも選ばれた阿部くんですが、満を侍してついにロースター入り。

仙台89ersとしては初、いまだ16歳ではありますが、トップチーム帯同での活動でさらなるレベルアップを図って、将来は仙台89ersの主力選手として活躍してして欲しいものです。

◯Game1(12/23 16:05 TO)仙台92千葉J76

Game1のエントリーメンバーはボックススコアにて。ユースの阿部くんも既報通りエントリー。また、Gameに先立ち以下のリリース。

第12節のFE名古屋戦のGame1で活躍を見せて勝利に導いたもののGame2ではDNPとなっていて、コンディション不良かはたまたどこか負傷か、と思っておりましたら、澤邊と同じ箇所を負傷。この負傷、ワタクシもおそらく同じところを傷めているのですが、踵をつくと痛むし、つま先立ちしても負傷箇所の筋肉が引っ張られて痛むしでちょっと厄介。しっかり足裏のストレッチをするのが良いらしいですが、ほっとくと痛みがなかなか取れなくなるらしく(ワタクシかれこれ1〜2年前から痛くてたまに歩くのもひどい時があります・・・)、注意が必要みたいです。とはいえ渡辺においては全治3〜4週間程度と軽度な模様、しっかり焦らず養生してオールスター明けにはまた元気な姿を見せてほしいですね。

さて、スターターは今Gameも変わりなし。

13 阿部諒
14 青木保憲
21 渡部琉
45 ネイサン・ブース
52 ヴォーディミル・ゲルン

Gameは青木の連続得点で幸先のいいスタート、その後もいいディフェンスから千葉Jに得点を許さないうちにゲルンのオフェンスリバウンドからの2ndチャンスポイントで7-0とすると千葉JベンチがたまらずTOで仙台へ傾いたモメンタムを断ち切りにかかります。しかし前節のFG%の悪さはなんだったのかと思うぐらいのオフェンスの好調さでなんとなと13-0のランで大きなリードをメイク。しかしそこから富樫がさすがの得点力で千葉Jへモメンタムを呼び込むと、19得点とした仙台も1Q5分以降はオフェンスが少し停滞。仙台がターンオーバーなどから得点が止まった間隙を縫って千葉Jはベテラン西村、エース富樫が着々と得点を重ね、富樫の3Pが決まると一旦逆転されてしまいます。仙台もそこから粘り強いリバウンドなどで踏ん張り、再度リードを引き戻して25-20とやや点の取り合いの様相で1Qが終了。

2Qも引き続き仙台ペース。富樫に対してフェイスガードをしつこくするなどで極力Gameに関与させないディフェンスがよくできていて、千葉Jを勢いに乗せさせないのがいい感じです。阿部の連続得点もあってリードを2桁差にしたところで千葉Jが前半2つめのTOでなんとか自分たちにモメンタムを呼び込もうとしますが仙台は動じず、2桁差のリードを保ってOTO。

OTO後は再び仙台のオフェンスが少し停滞。決めきれないでいるうちに千葉Jの追撃を許し、リードを5点に詰められたところで仙台ベンチがTO、モメンタムを引き戻しにかかりたいとことでしたがややリングに嫌われる状況で得点が伸びません。しかしディフェンスの集中力が途切れずに千葉Jの追撃をそこまでにとどめると、前半終了時は46-37と少しリードを広げて終了。

前節低調を極めたオフェンスは今Gameではすっかり回復基調、3Pがよく決まり、リバウンドも泥臭く頑張れているところからの2ndチャンスをものにできていますし、エース富樫にも気持ちよくはプレイさせていないディフェンスもよくできていて、自分たちのやりたいバスケが前半はできていたというところでしょう。しかし千葉J相手に9点リードなどはないようなもの、緩んでしまえばたちまち逆転の憂き目にあうことは必定、後半も前半同様のインテンシティでもって千葉Jをこのまま封じ込めて勝利を引き寄せてほしい。

後半阿部が幸先よく3Pをヒットさせてリードをさらに広げていこうかというところでしたが、前半のように大きなランは作れず得点を取って取られての一進一退の状況。いつも通りの阿部のアタックで仙台はリズムを作り続けてモメンタムを千葉Jに渡すことはなく10点前後のリードを保ちながらGameは進行。シュートが決めきれずにいたところで残り2分で5点差まで詰め寄られますが、ここでもしっかりいいディフェンスで我慢すると3Qは68-59とリードは9点と変わらず勝負の行方は4Qへ。

4Qに入っても得点を取って取られての状況が続き10点差前後でGameは推移していきますが、渡部がブースのスクリーンを巧みに活かした3Pでリードを13点としたところで千葉Jが後半1回目のTO。しかしモメンタムは変わらず仙台ペースで進行、OTO時では15点リードに持ち込みましたがクロージングに少し課題がある仙台ですので、残り5分もしっかりインテンシティを保って勝ち切りたいところです。

果たして一時は最大17点とすると千葉Jに反撃をさせることなくその後はしっかりGameをコントロールしつつ時間を消費、勝利はほぼ確定の形となってきた残り7秒弱、今Gameからベンチエントリーされた阿部真がコートイン。その残り7秒でボールが回ってきた阿部真がディープ気味ながら放ったシュートがブザービートでゴールイン、ガベッジタイムでの得点に物議はありましょうが、史上最年少でBリーグ出場にして初得点を達成するというおまけがついてタイムアップ、Home Gameで千葉JからうれしいBリーグ初勝利をあげることができました。

気になった選手:阿部
もはや仙台の大エースとなった阿部ですが、島根時代とは異なるプレイスタイルで仙台を引っ張り今Gameでも躍動。3P、独特のステップのドライブ等多彩なプレイで千葉Jディフェンスをも翻弄、17点9アシストの大活躍でした。もともとこういうことができる能力はあったのでしょうが、本当に頼もしい活躍です。この後もケガはしないように仙台を引っ張って行ってほしいですね。

◯Game2(12/24 16:05 TO)仙台72千葉J96

Game2のエントリーメンバーはボックススコアにて。スターターは以下の5人。

13 阿部諒
14 青木保憲
21 渡部琉
45 ネイサン・ブース
52 ヴォーディミル・ゲルン

スターターはGame1と変わらず、一方千葉Jは西村、金近をスターターと少しいじってきました。

序盤はGame1と比べて千葉Jが少しディフェンスの圧が強い印象、Game1ほど気持ちよくシュートまで持ち込めずないやや重たい展開。ディフェンスのほうはGame1同様高いインテンシティで当たれてはいます。そうこうするなかでだいぶフラストレーションを溜めさせていた富樫からアンスポーツマンライクファウルも誘発するなどモメンタムは仙台に傾きかけた感じ。ヤンがこのGame2本目の3Pをヒットさせたところで9点のリードとすると千葉Jが前半1回目のTO。このGameヤンが大当たり、その後もさらに2本の3Pを沈める大活躍。ただ千葉Jのディフェンスの圧でTOがあったり、千葉Jも小川やムーニーの3Pなどでつないできてはあまりリードを広げることができません。1Q終了間際に富樫にも3Pをねじ込まれると3点差まで詰められますがラストポゼッションでブースが落ち着いてポイントし27-22と5点リードで終了。

2Qも序盤はやや重い展開ですが、千葉Jが少しGame1よりオフェンス面でよくパスが回るようになっていて、仙台ディフェンスが少し手を焼いている感じ。1Qでヤンが4本の3Pを沈めたりこのQでも阿部が決めたりと3Pがよく決まっている仙台ですが、千葉JもGame1以上に決めてくる感じがあって、もう少しケアしたいのですが、Game1とは違ってその千葉Jパス回しでずれを作られているのは気になるところ。少し仙台のオフェンスが千葉Jのディフェンスに攻めあぐねている間に逆転を許すと35-38と3点ビハインドでOTO。

今Game、千葉Jのディフェンス強度がGame1と比べてかなり高く、仙台が思うようにオフェンスできていないのは気になるところ。ディフェンスも千葉Jの3P攻勢にはかなり手を焼いていますが悪くはない形なので何とか我慢してリズムを取り戻し、モメンタムを仙台へ再び持ってきたいところです。

OTO後に何とかヤンの奮闘もあって同点までもっていくと残り1分、千葉Jディフェンスとのミスマッチを生かしたブースが3Pを決め切り再度一歩前へ出ることに成功すると最後のポゼッションを阿部が3Pを決め切り49-45と4点リードのまま前半が終了。

さすがはBリーグの強豪の一角千葉J、Game1と同じ轍は踏まないとばかりに攻守に強度を上げてくるのはさすがの一言。しかし仙台も何とか粘り腰で前半は互角の殴り合い。ただやはり殴り合いではおそらく千葉Jのほうに分があるので、ディフェンスのほうをもう一つギアを上げていきたいところですが、今季Game2においては後半ガス欠になってしまうパターンが多くなってしまう課題を強豪千葉J相手に解決をみせることができるのかが後半の注目しどころです。

3Q開始早々、青木がペネトレイトでゴールした後に足をどこか痛めるアクシデント。大禍ないといいのですが・・・。その間隙を縫うように千葉Jが金近、西村の連続3Pですぐさま同点に持ち込みます。そこから再び一進一退の状況となっては我慢のしどころ。しかしここから前半から続く千葉Jのディフェンスの圧の前にオフェンスがターンオーバーを連発しだすいつもの悪癖が露呈。完全に乗ってきた千葉Jに3連続3Pを沈められるとあっという間にビハインドが9点となってしまいます。こうなるとメンタルの面で焦りが出てくるのかディフェンスオフェンスでリズムを崩して自滅してしまういつものGame2の様相、課題はまだまだ解消の兆しがありません。このQ10得点しかできなくては59-71と12点のビハインドとされてしまいます。

こうなってしまうと仙台に逆境を跳ね返す力はもう残っておらず、4Qも3Q同様千葉Jの変わらぬディフェンスの圧にTOを連発してはGame1、前半のようないいオフェンスの形も作れず、ディフェンスもリズムを最後まで取り戻すことはできずにこのQも13点と低調にとどまっては千葉Jの高い3P精度でするするとリードを広げられ続けては25得点を許すと最終スコアは72-96と結局は24点もの大差をつけられる完敗となりました。

気になった選手:ヤン
日本では信州、宇都宮と渡り歩き今季から仙台で闘うヤン。これまでそれぞれのクラブ事情、選手層などもあってプレイタイムがあまり伸びず、持てるポテンシャルを発揮しきれていなかったような状況だったでしょうか。しかしながら仙台の全員で闘うバスケットにはシーズン序盤からしっかりフィット。そんな中、今Gameでは1Qだけで4本の3Pを沈めて見せたりリバウンドに果敢に飛び込むなどの大活躍。ただ後半はターンオーバーを何度かしてしまうなどちょっと前半の勢いがしぼんでしまったので、Gameを通じる活躍を見せてほしいですね。

◯最後に

Game1で完勝、Game2で完敗と対照的な結果に。Game1では攻守が良く噛み合い、これまで今季ベストと言って過言ではない総合力で、追い上げる千葉Jをきっちりいなしてみせたのは素晴らしかった。一方Game2では前半こそ互角の殴り合いをできていたものの、後半の千葉Jのディフェンスの圧に我慢しきれずいつものGame2同様尻すぼみになってしまい、Game2でガス欠を起こす課題はいまだ解決の兆しが見えません。負傷者やコンディション不良者の発生で稼働可能なロースターが8〜9人と苦しい台所事情では些か仕方ないところはあるのですが・・・。

その中で明るい兆しは渡部の復調、あるいは成長でしょうか。稼働できるガード陣が少ない中で、おそらくオフェンス面での貢献を期待されてのスターター起用が第12節のFE名古屋戦から続いていますが、果たしてこれまで期待に応える活躍ぶり。まだイージーなミスも散見されますが、積極的にリムアタックしていく姿やディフェンスでも相手選手に食らいついていく姿に、ようやく彼が元々持っているはずのポテンシャルを垣間見た思いです。この調子でさらに成長を続けてほしいですね。

さて第14節終了時点でのスタッツですが、PPGは81.0→と81.1とほぼ変わらず80点超はキープしリーグ7位、OFFRTGが107.8→と108.1とここも微増。そしてFG%は44.0%→44.6%とGame1でのFG%の良さが奏功しやや上昇。APGは20.8→20.8、RPGは41.5→41.0とやや下げたものの高水準にはあります。OPP・PPGは80.1→80.6、DEFRTGは106.6→107.1と少し悪化、地力の高いクラブと対峙したときにどこまでディフェンスをハードにやりきれるか、ここは負傷・コンディション不良の選手の復帰も待たれるところです。

リーグでも強豪と目される千葉J相手に今季は2勝2敗でフィニッシュ。今節Game2での大敗で得失点差では上にいかれてしまいましたが、それでも昨季から比べると大きな成長がみられます。反省すべき点、解決すべき課題もまだまだ残っていますがそうした点は少しずつ潰していってチーム全体で成長して、30勝の目標到達を目指していきたいですね。

次節は大晦日と元旦にAway Gameを琉球と。今季も激戦の西地区にあって首位をひた走る相手だけに厳しい戦いは必至。昨季の対戦でもAwayでの対戦でしたが、双方最後までどちらに転ぶかわからない闘いの中、経験値の多さの分最後の最後で琉球にいなされた感がありました。あの熱い闘いから、今季はどこまで成長できたのかを披露する大きなチャンス、360度響き渡る琉球への応援コールを黙らせるようなGameに期待しましょう!

それではまた。

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