身内のがんについて
身内が、がんになった。
膵臓がん、ステージ4。
告知を受けてから1ヶ月弱。
膵臓がんは、がんの中でも最も難しいと言われていて、見つかったときにはすでに転移が起きていたり、かなり進行した状態になっていることが多い。
僕の身内も例外ではなく、すでにリンパ管・血管・肝臓に転移している。手術もできない状態。
知ったときは、目の前が真っ暗になり、次に間髪入れずに涙がどっと溢れてきた。本人のショックは想像を絶する。
とても難しいがんで、有効な治療法というのも現時点ではあまり開発されていない。手術もできない状態なので、抗がん剤での治療となり、すでに2回投与した。
吐き気や嘔吐が時々あるものの、今のところ、副作用がそれほど(覚悟していたよりは)強烈には出ていないのが救い。
これから過酷な闘病生活が続いていくけれど、少しでも長生きすること、一日でも多く元気でいられること、やりたいことを悔いなくやること、そして願わくば、快方に向かうために、僕ら家族はできることをやっていく。
生存率などを知れば知るほど不安や恐怖が湧いてくる。しかし、確率は確率でしかない。
免疫力、体力、精神力、周囲の支え、情報収集力、判断力、すべては人それぞれ違う。それらをひとつのボウルの中に入れてかき混ぜて均した数字でしかない。
そしてそもそも、その母数の中に患者本人は入っていない。個はあくまでも個なのだ。
だから諦めないこと。
実際、その厳しい状況を乗り越えて生き延びている人もいる。
悲しいし、怖い、というのが本音なのだけど、本人が一番つらいのに、僕ら家族が音を上げてる場合じゃないよな、と思っている。
病気そのものや身体の痛みを分け合ったりできるわけではないけど、家族や周囲の人間にできることは確かにある。
情報収集もその中の大きなひとつで、特に普段から何かについて調べたり読んだりする習慣や手立てのあまりない患者さんの場合、周りのサポートが大きくモノを言う。
精神面はいわずもがな。少しでも孤独感や恐怖を和らげることができたら。
それぞれが、それぞれの立場のなかで、やれることをやっていけばいい。それしかないのだから。
そして、家族だって、時々思い切り泣いたりしたっていいんだ。
だって、それが本音なのだから。
抑えつけてばかりいたら、おかしくなるし、周りが深刻なダメージを負って参ってしまったら、できることもできなくなる。
ただでさえ、常に張り詰めているから、時々適度に緩むことも大切なプロセスなのだと思う。
信じて、祈り、毎日できることを精一杯やってく。
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