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肺炎日記

6月19日(土)
休日なので昼飯からの飲酒。ビールとワインを飲んで少し酔う。
いつもより酔いが回った感じだったので少し昼寝する。

夕方、外出していた妻が帰ってきたが、なんか少々ダルい感じがしてそのまま寝ていたら「具合悪いの?」と聞いてきた。
「ちょっと酔ったんで昼寝してた」と答えて起きたけど、寝起きの倦怠感が酷くて「ん?なんか変だな」という感覚あり、体温を測る。
37度。

「まあギリ平熱かな」と思ったんだけどどうにも調子が戻らないのと、
なんとなくフラつく感じがして食欲も出なかったんで、妻に「ちょっと横になると」言って寝室へ。
結局、その日は晩飯は食わずにそのまま寝た。

6月20日(日)
朝8時頃に割とすっきりと目覚める。何となく右脇腹が痛んだけど、寝過ぎのせいかとこの時は思ってた。
昨日は夜食べなかったんで、腹は減っていて昼メシは普通に食べる。
翌日は半日ドックを受けるので、飲酒は控えるのがいいんだけど、缶ビール500を2本ほど飲む。
しばらくして眠くなり、ちょっとうたた寝。
夕方は買い出しに出かける。

晩飯はあまり食欲が出なくて少ししか食べられず、ちょっと熱っぽいなーと思って体温測ったらまた37度。
喉は痛くないし咳も出ないから、まあギリ大丈夫かなと思って10時くらいに就寝。

6月21日(月)
目覚めはいい。右脇腹の鈍痛はあるけど、大して気に留めず家を出て、新宿にある定期検診の場所に向かう。

9時半に受付が終わり、まず採血。続いて身長と体重と血圧測定。
次に胸部レントゲンを撮って、待合にいたら名前を呼ばれる。

個室に入ったらレントゲン写真が2枚貼ってあった。
なんかイヤな予感がする。
聴診器と触診の後に写真の説明。

先生「これが去年撮ったレントゲンです」
自分「はい」
先生「で、こちらがさっき撮ったレントゲンです」
自分「はい」
先生「ここに白い影があるのが分かりますか?」

言われてみれば今日撮った写真の右肺の下辺りに、白いモヤっとした影がある。

自分「はい、何となく見えます」
先生「これは肺炎の症状です、咳とか発熱の症状はありますか?」
自分「いいえ」

咳と発熱があったらそもそも定期検診なんか来ない。
でも昨日からの鈍痛の場所と一致していた。

先生「まだ軽症の部類ですが、このご時世なのでこのまま検査は続けられません。
今日の健診は打ち切りにしますので、病院で精密検査をお勧めします」
自分「はい、そうですね。紹介状を書いてもらえますか?」
先生「かかりつけの病院ですか?」
自分「はい」
先生「わかりました」

という訳で紹介状を持って、家にトンボ帰り。
ボーといていたのか山手線を乗り間違え池袋方面に行ったんで、遠回りになってしまった。
病院に電話で事情を説明して、検査可能か聞いてみる。
幸い午後から診察してもらう事に。

肺炎で真っ先に心配なのはコロナかどうかなんだけど、実は1週間前に民間で検査していてその時は「陰性」。
でも確実なことはわからないので、再度受ける事にする。

病院で検尿と再び採血とレントゲン、CTを撮る。
血中酸素濃度は危険では無いが、正常値よりは低いとのこと。

診断結果はやっぱり「肺炎」。
原因はこれから別の検査で特定するとの説明。

先生「治療ですが、投薬療法になります。入院しますか?」
いきなり「入院」と聞いて驚いたが、病院から家が近いのとそんなに重症ではない(そもそも自覚症状があまりない)ので在宅にする。

で、ここで先生から意外な提案。
先生「現在、肺炎投薬の治験者を募集しているんですが、希望されますか?」
自分「えっ?」
先生「耳鼻科で処方している薬が肺炎にも効果があるのか臨床試験をしているので、モニターになって頂けるとありがたいのですが」

コレってよく聞く「貧乏学生がアルバイトでやるやつ」じゃないのか?

ちょっと迷っていると続けて、
先生「参加されると、通常より幅広い検査が受けられます。また治療代もいただきません」
自分「でも、それって危険性は無いんですか?」 
先生「全くの新薬という事ではなくて、既に市場に出回っている薬に別効果があるのかを検査するためなので、大きな危険はありません。あと、治験者には通院毎に1万円の謝礼があります」

最後の一言が効いたので「治験者を希望します」と言ってました。

そういった事で、今度は治験グループのメンバーを紹介される。
3人いて全員20代の若い女性。
もろもろ説明を受ける前にPCR検査を受ける。
陽性だったら治験そのものができないのだけど、結果は再び「陰性」。

その後、鼻や喉に棒を突っ込まれたり、検尿(2回目)さらに採血(3回目!)などの検査をして、最後に投薬する薬の説明。

先生「薬は2種類飲みますが、一回でどちらか一方は偽物になってます」
自分「どうしてですか?」
先生「あらかじめ薬だと分かってしまうと、効果の測定に誤差が出るからです」
自分「プラシーボ効果ってやつですか?」
先生「はい、その通りです」

というわけで、定期検診だけのはずが気が付いたら治験者になっていた。
あと、2週間くらいは治療なんで逐一報告します。

現在、体温平熱(36.6度)、咳無し、呼吸正常、右脇腹は若干の痛みあり。

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