見出し画像

レシピの理由

お菓子作りで大切にしていることの一つに
レシピを選んだ理由 があります。

たとえば
パウンドケーキを作って売るとしたら…

① 店頭で注文を受け飲み物と一緒に提供する場合
② 個包装にして陳列販売する場合

同じレシピで作り、同じものを提供しても何の問題もありませんが、せっかくの機会を失っているような気がします。

① の場合、個包装用のように保存性に重きをおかなくてよいわけですから、どっしりしっとりした作りにする必要はないので…
ジェノワーズ生地にして軽さを出し、扱いにくくて足は早いけどフレッシュな材料を混ぜ込んで!
などアレンジが可能です。わくわくしますね。

② の場合は保存性を重視、材料選びも火の通し方も優先するものが ① とは違います。

そもそもパウンドケーキは保存性の良さからテイクアウトがメイン。オーダーがあれば飲み物と提供もできます。という、サブ的ラインナップがほとんどなので、消費期限が短くなる=ロス率が高くなる、フレッシュアレンジやケークサレはあまり見かけません。

私が提供する立場なら ① は ② と真逆の方向性のものにするか、① はパウンドケーキでなきゃダメかな?と考えます。

そこに考えがあるかどうか?が大切なのだと思います。そのレシピを選んだ理由。

ものすごーく乱暴な言い方をすれば、パウンドケーキやプリンは混ぜて焼いちゃえばできるんです。作る人のすそ野が広い = 作り手さんも多いから、細かい部分で自分のこだわりがなければ、時間が経った後何の印象も残らない品になってしまう。

どう食べてほしいか?私ならこうする。

出来上がったお菓子は作り手そのものです。
手抜きは目につきやすく、こだわりは伝えにくいので、工夫し、表現のための腕を磨くより他ないと思っています。その中でレシピに対する理解を深め、それに基づいて適切なレシピが選べたらと思っています。

ただ、自分の考えに沈着しすぎると独りよがりになるので、食べる人の目線で想像することも忘れず、提供や開封の時に喜びを感じてもらえるように。

何をどうやって作ったのか?
行為に対して答えがないとレシピは未完成だと思っています。

次回は材料に関する話が出来たらと思っています。


サポートいただけたら嬉しいです! 材料費や機材購入費に!