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老舗花屋「花寅」さんで縁の下の力持ちとして咲き続ける【広尾商店街】

今回お邪魔するのは老舗花屋「花寅」さんです!
さっそくレッツゴー♪

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ご結婚をなさり、ご主人の稼業である生花店に入られて53年。サダコさんに取材させていただきました。



サダコさん

学生の頃、生け花をやっていたので、お稽古に来てたんです。近くということもあって。

太田
先日取材させていただいた老舗鮮魚店である「福田屋」さんから嫁がれたと伺いました。

サダコさん
そうです、そのころは誰もかれもがお花やお茶を習ってたんですね。それが今から53年くらい前。

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太田
花屋さんに嫁がれてみていかがでしたか。

サダコさん
そうですね、大変でしたね笑。
おさんどん(台所仕事)をずっとしていました。従業員のみなさん10人分の食事を一気にやるって感じでした。昼ご飯、夕飯まで。店番をしながらみんなの帰りを待つって感じで。昔はお弁当もあまりないし。大変でしたね。

太田
縁の下の力持ちの方がいてこそ、みなさん外に出られますもんね。

サダコさん
昔はね花屋の横のつながりもあったんですよ。
今はコロナで集まりがありませんが、花キューピットという日本全国にいつでも花を届けるというシステムがありましてね、季節に合うアレンジの講習会があって勉強していました。

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サダコさん
あそこはなんだっけ、はなひろさん?

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サダコ
さん
お父さん、そうだよね?ね?

ご主人
ん。

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サダコ
さん
うふふ。そう。
花の名店会という会がありまして、ホテルがオープンしてすぐに呼んでもらって結婚式場のお花とか見せてもらって勉強させて頂きました。そこでお食事もしてね。だからいつもはおさんどん(台所仕事)ばっかりだけど、着飾って行って。そういうのが楽しかったですね。いろいろなホテルに行きました。


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太田
もともとこの花寅さんはどんな始まりだったんですか。

サダコさん
元々は初代の桜井寅吉(サクライトラキチ)さんという方がいて、「花寅」という名前になりました。

そうして三代目「桜井雅楽(サクライウタ)」のときに戦後かな、池坊華道家の藤原先生と知り合いになって、お花を用意するようになって、その先生が会を作って、お弟子さんが関東近辺から集まるようになりましてね、「池坊華道研究会」を一緒に始めて花材をおさめました。


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「藤原幽竹(ふじわらゆうちく)」さんという方、ここの裏で華展をよくやってたんです。

藤原幽竹 ふじわらゆうちく
1894-1978 大正-昭和時代の華道家。
明治27年12月16日生まれ。14歳で池坊(いけのぼう)に入門。大正7年郷里兵庫県から上京,昭和7年池坊華督となる。立花(りっか)にすぐれ,37年東京日本橋白木屋で立花の個展をひらき,おおきな反響をよんだ。昭和53年9月26日死去。83歳。本名は武男。著作に「幽竹立華(ゆうちくりっか)」など。

池坊は立花っていってね、力強い感じが多かった。今は生花っていって簡素化された感じ。関東近辺、華展があるたびに主人と出かけていきました。

藤原先生はね、春は桜をもって、奈良の吉野で吉野桜を活けて帰ってくる、そして秋は紅葉を用意して、奥多摩まで行って紅葉を活けるんです。

昔はすごく風流でしたよね。花に憧れましたね。


太田
ほんとに素敵ですね。広尾湯さんも仰ってましたけど「節のある生活」を大事にしたいって。今はそれが緩くなっている気がしますね。


あそうそう、ぜひうちの地下を見てほしいんです。

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太田
え、地下があるんですか?

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サダコ
さん
ここでね、お花を管理して下処理したりするんです。いつご注文をいただいてもいいようにね。うふふ結構広いでしょ。

太田
こんなに広い地下があるなんて、ちょっと驚きでした。

サダコさん
ご近所の方は仏さんのお花を買いに来てくださりますね。昔は先生たちが会があるごとに来てくださって、お花を買うついでにお寿司を買ったり、お魚買ったりして広尾商店街を利用していただきました。


昔は大使館の方も多かったんですよ。日本に来たら日本の文化をやろうとフランスの方も多かったです。人との出会いが、わたしたちを助けてくださってるんですよ。ここにいてくれてる2人もね、本当によくやってくれてて。本当に助かってるんです。私たちは恵まれていますよ。


サダコさん
近所から嫁いだもんですから、顔見知りでしょ。
「サダコちゃん、大変だね」って声かけてくれて。
商店街の方々に可愛がってもらいましたね。
今日まであっという間でしたね。

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サダコ
さん
あ、この水槽みてみて。小さなエビがいるでしょ。
これね、〇〇(超大物俳優さん)が置いて行ってくださったものなんです。
水槽があるならって。笑。

太田
えーーーー笑。そんなことってあるんですね。
サダコさんのお人柄あってこそですよ。

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あとがき
花寅さんはサダコさんのお人柄に吸い寄せられるように、柔らかな気持ちの人やものがが集まってきていました。そうして早53年。大変なお仕事であるけれども、ひたすらに縁の下の力持ちとして咲き続けるサダコさんの半生になぞらえて花寅さんを取材させていただきました。

花寅さん、サダコさん、本当にありがとうございました!近くへお越しの際はぜひ、お立ち寄りください。



花寅
■ 営業時間
平日、土曜日 9:00~18:30
日曜日、祝日 9:30~17:00
■ 定休日
正月3~4日間
■ アクセス
渋谷区広尾5-1-22
※広尾駅から徒歩3分程度です。


最後の最後に
花寅さんを、勝手に私が大好きな音楽で例えるとこの一曲。OLD DAYS TAILORで「晴耕雨読」


次回は2週間後の更新予定です。
更新は「広尾散歩通り公式LINEアカウント」でお知らせします。ぜひお友だちになってくださいね!

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