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ぼーっとすることの大切さ

今日のおすすめの一冊は、堀田秀吾氏の『「考えすぎない」人の考え方』(サンクチュアリ出版)です。この中から「考えすぎないほうが、行動力や幸福感が高まる」という題でブログを書きました。

本書の中に「ぼーっとすること」について、こんなことが書いてありました。

「頭を使う」という表現がありますが、考えているときというのは、ものすごくエネルギーを使った感覚になりますよね。ですが、近年の脳科学の研究ではこんなことが明らかになってきています。「脳は忙しくしているときよりも、何もせずぼーっとしているときのほうが、2倍のエネルギーを使っている」
精神科医の西多昌規らは、脳を意識的に使っているときよりも、何も考えていないときのほうが脳は活発に動いているとしています。ワシントン大学のレイクルらの研究でも同じことが実証されています。実験で「何か行動しているとき」と「ぼーっとしているとき」の脳の働きを比較したところ、やはりぼーっとしているときのほうが脳の記憶に関する部位・価値判断に関する部位が活発に働いていることがわかったのです。
脳のこのような機能は「デフォルトモードネットワーク」と呼ばれ、何もしない安静時に活動が活発になる脳の領域が複数あることがわかっています。では、なぜぼーっとしているときのほうが脳はよく働くのでしょうか?「考えごとをする」など、何かを意識的にしているときは、その行動に関係のある脳の部位が活発になり、脳のエネルギーがそこに集中します。エネルギーが一点に集まっているという状態です。実は、脳としてはこの状態はあまり効率がよくありません。
一方で、ぼーっとしている状態というのは、エネルギーが全体に分散されています。特定の部位にしかいっていなかったエネルギーがたくさんの場所に届くことによって、有機的な「つながり」が生まれてくるのです。このつながりによって、それまでには結びつかなかったようなもの同士が結びついて、新しい発想、いいアイデアが瞬間的にひらめきます。
たとえるなら、夢を見ているときと同じです。夢の中では、現実ではありえない人やもの、シチュエーションが結びついて展開していきますよね。脳全体が活性化されて脈絡のないつながりができることで、意識的な思考ではたどりつけない「すごいアイデア」が生まれるのです。
一方、意識的に「よし考えよう!」と意気込んで行動すると、脳がオーバーヒートして行き詰りやすくなります。キーワードは「無意識」です。ぼーっとしているときのように意識的に何かをしていないときほど、実は脳は水面下で一生懸命働いてくれており、素晴らしいパフォーマンスを発揮することができます。
探しものはあきらめたときに見つかる、なんてことがよくあるように、なんとかしないといけない!そうして切羽詰まっている状態のときこそ、考える状態からいったん引いて、一度脳を休めてみてください。私自身、このことを知ってからは根を詰めて考えるのではなく、いったん離れてみてぼーっとする時間をつくっています。
そうすると、行き詰っていた問題に「アイデアが降りてきた!」ということが起きるのです。そのためには緩急が必要です。ケンブリッジ大学のマスワークは、人間の集中力は30分しか続かないという発表をしています。続けて同じことをしていると、どんどんミスが増えていくのです。脳はすぐに飽きるというわけですね。
ですから、集中する時間、リラックスする時間を交互に取り入れていくことが、無意識と上手に付き合っていくことにつながります。《よりよく考えるためには、「考えない時間」もまた重要である》

「ぼーっとするな」「もっと集中しなさい」「ぼーっとしないで、もっとテキパキ動きなさい」と言われて育った子供は多いと思います。親からみたら、ぼーっとしている子を見るとついイライラしてしまうものです。しかし、この研究にもあるように、「ぼーっとする」ことが、創造性を発揮したり、アイデアを出すのに如何に必要か、ということです。

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