見出し画像

「スピード感のなさ」が日本を貧しくしている

今日のおすすめの一冊は、妹尾輝男氏の『世界は悪ガキを求めている』(東洋経済新報社)です。ブログも本書と同名の「世界は悪ガキを求めている」と題して書きました。

本書の中に『「スピード感のなさ」が日本を貧しくしている』という興味深い文章がありました。

日本企業と交渉すると、「はい、検討します」と言う。それから2週間で会議を通すから待ってくれと。そして待つ。そのあげく、白でもない黒でもない返事をしてくる。そして違う提案をすると、さらにまた2週間。
ビジネスシーンの状況はめまぐるしく変わっていくのに、日本企業は決断が遅い。いや、 「遅すぎる」。もちろん早い企業もあるが、おおむね遅いのは否めない。高速道路に自転車がいるようなものだ。
日本人であれ外国人であれ、日本で働く外資系企業のビジネスパーソンの間で、この日本企業の遅さがよく話題にのぼる。趣旨はほぼ同じだ。日本人は勤勉なのに、この遅さが仇になっている、と。 私は、私の愛する日本の企業がそう評価されることに心を痛めている。勤勉で惜しみなく働く日本企業の社員たちが不憫でならない。もったいないとしか言いようがない。
さらに悔しいのは、当の日本企業が、スピード感のないことでどれだけビジネスチャンスを失っているかまったく自覚していないことだ。早く気づいてくれ、私の愛するニッポンとニッポン人。一刻も早く気づいて、そして変わってくれ。そう願わずにはいられない。
私が言いたいのは、個別の企業が、スピード感がないゆえに損をしているというだけではない。このこびりついた悪習が、日本全体をダメにしているということだ。このスピード感のなさが、日本人を貧しくさせているのだ。この数十年で日本は莫大な富を失った。
現代日本の「悪ガキ」代表の1人が、ホリエモンこと堀江貴文氏だ。 堀江氏の著書『多動力』(幻冬舎)は、悪ガキの思考を存分に学べる好著である。著書の中で堀江氏は、1000人規模の集客を見込む「ホリエモン祭り」開催について、こう述べている。引用して紹介しよう。
大事なことは、見切り発車でもいいからやってみることだ。 絶対に完璧なものをつくろうと5年間準備に費やして第1回のフェスを迎えるよりも、見切り発車でも、不完全でもいいからとりあえずやってしまって、5年間トライ &エラーを繰り返したフェスのほうがクオリティも高く、お客さんも集まるものになるだろう。
まさにそのとおり。第1回 「ホリエモン祭り」の準備期間はたったの2カ月だったという。 それが後には1万人もの客を集める大イベントにまで成長したのだ。

新たな事業を立ち上げたとき、当初は様々な不測の事態が起こります。アクシデントに次ぐアクシデントです。そんなとき、その対応が、スピード感に欠け、後まわし後まわしになったとしたら、その事業は早晩頓挫することは目に見えています。

スタートしたての時は、このことがよくわかりますが、事業が何年も継続すると、この大事なことを忘れてしまい、そこにゆるみが出てしまい、スピード感がなくなるのです。

孫子の兵法に「兵は拙速を尊ぶ」という言葉があります。計画が完璧でなく少々まずい作戦であったとしても、すばやく行動することの方が成功に近づく、ということです。

日頃のスピード感をとにかく大事にしたいと思います。

今日のブログはこちらから☞人の心に灯をともす


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?